【TIFF2019】「ジャスト 6.5」イランのドラッグウォーは酷い状況だというのが伝わります。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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東京国際映画祭2019 23作目は、コンペティション「ジャスト 6.5」です。

 

ストーリーは、

イラン警察とドラッグ組織の対決を描く驚異のノンストップ娯楽作。部長刑事は強引な手法で次々と関係者を連行し、ついに親玉に接近するが。

というお話です。

 

 

イラン警察のサマドは、ドラッグ組織を壊滅すべく、日々、捜査を続けている。今日も、売人の住居へ侵入し、追いかけるのだが、薬物の押収は出来たものの、犯人を取り逃がしてしまった。始末書の顛末をサマドが言うとおりに書けと部下に指示するが、嘘は書きたくないと拒否られ、スムーズに進まない。

 

サマドは、やってもやっても終わらない犯罪捜査に嫌気がさし、昇進する方が良いと思い、離婚した妻と再婚をした。イランでは昇進するのに結婚していなければならない。所長の椅子を狙っての事だったが、部下の警官も自分と同じように候補になっており、少し焦ったりもする。

 

そんな日常の中、大量のドラッグを売りさばいている男ナセル・ハクザドを見つける為、末端の売人を一人づつ捕まえ、ナセルに繋がるまで根気強く捜査を続けて行った。するとナセルの元婚約者だという女性に行き当たり、彼女の口を割らせて、ナセルが住む場所へ踏み込むことが出来る。

 

踏み込むと、ナセルは既に睡眠薬を飲んで自殺をしていたが、死んではおらず、警察は蘇生をして、裁判にかけることに。ナセルは、何度もサマドに取引を持ちかけるが、どんなに大金を積んでも、サマドは買収されることは無く、サマドは裁判にかけられ、判決を待つばかり。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

イラン映画で、ドラックとの戦いを描いていました。イランでも、ドラッグの問題が大きくなっていて、サマドが最初に捜査を始めた時は、麻薬中毒患者は100万人だったけど、長年に渡って、捜査をして逮捕、処分をした来たのに、今は、650万人に膨れ上がっていると嘆くシーンがあり、その650万人というのが、この「ジャスト6.5」というタイトルになっているのだそうです。

 

この映画の中でも、ジャポネというあだ名の人物がいて、日本にドラッグを流すと大金が手に入るからという話も出てくるのですが、日本にも、色々な人々が入ってきて、その中の一部の人は、ドラッグなどを日本にばら撒いているのかもしれません。簡単に手に入るからと言って、自分の身体を壊すようなモノをどうして使うのか、理解に苦しみます。

 

映画の中では、安価で麻薬が手に入り中毒になり、家も何もかも失って、大きな下水管に寝転がって麻薬を吸い続けている人々がいて、それを全部逮捕しているのですが、もう、多すぎて、留置場の中に立ってぎゅうぎゅう詰めって感じなんです。こんなにも酷い状況なのかと思いました。

 

 

ドラッグを打っているナセルですが、貧しい家に生まれて、家族を養うために、必死でドラッグの商売を拡大してきたというんです。あれ?確かに仕事は頑張ったのだと思うけど、それ、ダメな仕事だよね。あまりにもナセルが、自分は間違っていないというような主張を繰り返すので、おいおいって思ってしまいました。こんな意識になってしまうから、ドラッグは無くならないんでしょうね。それは犯罪だし、人を苦しめることになる麻薬なんだよという事が、よく解っていないんです。自分たちが裕福になれば、それは間違っていないという考え方なんです。酷いでしょ。だから、もちろん、捕まるんですけどね。

 

色々な出来事がストーリーの中で起こっていて、ドラッグの捜査は、こんなにも大変で、どんなに逮捕しても終わらないという、長い長い戦争なのだということが描かれていました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、はっきり言って、凄く面白いという映画ではありませんでした。ドラッグとの戦いは、大変で、恐ろしいことだと考えさせてくれる内容なのですが、こういう捜査は警察に任せるしかなくて、私たちは、ドラッグなどに絶対に手を出さないと思っているしかないんです。関わってはいけないモノだという事を、良く頭に刻みました。この映画、日本公開は決まっていませんが、もし、観る機会があったら、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2019 「ジャスト 6.5」

https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP07