東京国際映画祭2019 １９作目は、ワールド・フォーカス「WASP ネットワーク」です。
ストーリーは、
キューバからフロリダに亡命し、反カストロを掲げて母国の民主化を目指す者たちの苦闘を描いた実話。
というお話です。
実話をベースに作られた映画です。
１９９０年代初頭。キューバのパイロットであるルイ・ゴンザレスは、飛行機を盗み、愛する妻と娘を残したまま、キューバからアメリカへ逃げます。元々、アメリカで生まれたルイは、アメリカ国籍も取得しており、マイアミで新しい生活を始めます。もちろん、妻と娘を呼び寄せたいと考えますが、直ぐには申請が通らず、何年もかかることに。
同時期に、何人かがキューバからアメリカに亡命します。そして、亡命した彼らを助けるのは、キューバ系アメリカ人財団（ＣＡＮＦ）。このCANFは、反カストロ主義を掲げており、キューバから亡命した人々を支援し、カストロ政権を倒そうとしている人々だった。そんな彼らから依頼を受けたルイや、他の空軍パイロットだった人物は、キューバを挑発する為に、何度もセスナ機でキューバに領空侵犯をしていた。時には、キューバのビーチでテロ行為をする組織の人々を手助けをしていた。
しかし、実は、このルイや空軍パイロットは、CANFの内部に潜り込ませる為にキューバ政府が仕組んだ人物たちだった。キューバへのテロ行為を事前に察知し止めさせるため、内部に入り込んで、その動向を探らせていたのだった。この作戦名をWASPネットワークと呼んでいたのだ。
上手く入り込んだ彼らは、キューバを守る為に動くのだが、アメリカからみれば、それは他国でのスパイ行為に当たってしまう。彼らは、スパイ行為ではなく、ただ、キューバを守る為の行動だと主張するのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったです。キューバとアメリカの間に、こんなこともあったんですね。キューバは、それなりに独立している訳だし、アメリカがそんなに意地悪しなくても良いような気がするのですが、やっぱりカストロ主義というのは、目障りなんですかねぇ。
映画の中でも言っているのですが、ロシアと一緒にキューバも倒れると思っていたのに、いつまでも倒れなかったと言っていて、そんな簡単に倒れないし、ロシアも随分開かれてきているから、このまま、安定してしまうと思います。だから、キューバも、もう少し、開かれた政治にして、もうちょっと何とかならないのかしら。
この映画を簡単に解説すると、カストロさんの政治を倒したい人がアメリカから攻撃を行っていて、潤沢な資金を持っている。だからキューバを守りたい国民が、キューバは嫌だと言って亡命した振りをして、そのアメリカの組織に入り込み、彼らの攻撃を潰すために情報を流したり、ＣＡＮＦのせいでキューバ人が被害を受けていると見せたり、やっぱりキューバに帰ってアメリカは酷い所だったと言ったりという活動をするんです。これ、どこかで聞いたことありませんか？そう、北朝鮮の人たちが、これと同じような事をしてましたよね。うーん、何処もやることは同じなんだなぁ。
でもね、キューバに住んでいる人たちは、それで幸せなのだから、そんなテロ行為とか、攻撃とかしないで、ほおっておいてあげることは出来ないのかしら。アメリカにいる元キューバ人の人たちは、アメリカでお金を儲けて、それで攻撃をしているようなんです。うーん、キューバは、このままが良いと言っているんだから、外から嫌がらせをする必要は無いと思うんだけどなぁ。それにアメリカが加担するのも、良くないんじゃないかなぁと思いました。
でも、ごめんなさい。私は、このキューバの問題の根底を知らないので、口出しをする権利は無いんです。でもね、住んでいる人が幸せになるのが一番だと思うんだけど、どうなんでしょう。私は、キューバという国にとても興味があって、一度で良いから行ってみたい国なんですけどね。
この映画、私は、超！超！お薦めしたいと思います。面白い映画です。こんな事件が歴史的にあったというのに驚きます。本当に面白い事が、実際に起きているんですね。世界は広いなぁ。知らないことが沢山あります。豪華俳優陣が出ていて、見応えもたっぷりでした。日本公開、して欲しい作品です。公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2019 「WASP ネットワーク」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32WFC05