【TIFF2019】「フォークロア・シリーズ『母の愛』『TATAMI』」アジアの怖作揃いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2019 8目は、クロスカット・アジア「フォークロア・シリーズ『母の愛』『TATAMI』」です。

 

ストーリーは、

『母の愛』

住処を追い出された母と息子に怪奇現象が降りかかる。

『TATAMI』

父の葬儀に帰郷した男が、家族の秘められた過去を知るが。

というお話です。

 

 

「母の愛」<インドネシア>

母子家庭の母子。母親のムルニは、息子のジョディを溺愛しており、学校にも行かせず、自分のそばに置いていた。お金が無く、住んでいる家も追い出されそうになり、仕方なく、掃除の仕事を受けた空き家に少しの間、住んでしまおうと二人で移動する。大きな屋敷に入り、眠ると、何故か、上の方からドタドタとする音が聞こえる。ジョディに暴れないでと言うと、息子は自分のそばにいた。おかしいと思い、屋根裏に入ってみると、そこには、瀕死の子供たちが何人も監禁されていた。

 

驚いたムルニは、直ぐに警察に連絡。子供たちは保護されるが、どうも悪霊によって子供たちは誘拐されたらしい。インドネシアでは、母親に愛されない子供を悪霊がさらうと言う言い伝えがある。子供たちは家に帰り、ムルニは、住むところを見つけるが、その日から、周りでおかしなことが起こり始める。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

悪霊が子供をさらうというホラーは、結構、あると思うのですが、インドネシアの悪霊は独特でした。母親に愛されていない子供をさらって、どこかに隠して、そのまま放置するらしく、子供たちは食べ物が無くて、餓死するらしいんです。でも、映画を観ていたら、結構、大きな子供も大かったので、自分たちの意志で逃げられたんじゃないかなぁと思ってしまいました。

 

子供たちを図らずも助けてしまったムルニは、その悪霊に恨まれて、今度は、ムルニの子供が狙われることになるのですが、ムルニが育児放棄したくなるような厳格を、彼女にバンバン見せるんです。でも、それが、幻覚なのか、真実なのか、全く分からないので、本当に怖いんです。誰が狂っているのか、誰が真実を言っているのか、最後の方まで分からず、本当に怖かった。

 

 

1時間のショートフィルムなのですが、これくらいだと、きっちり起承転結が決まっていて観やすいですね。楽しかったです。母親が必死で自分と子供を信じようと頑張るところが、感動的でした。オバケ

 

「TATAMI」<日本>

記事のライターをしているマコトは、ある惨殺事件があったらしい廃墟の部屋にやってきていた。そこには、畳が立てかけられ、その周りには、畳から取った藁で、”藁人形”がいくつも作られて杭で打ちつけられている。その場で記事を書きながら、マコトは自分が何かにこだわっている事に気が付いていた。

 

外に出ると、実家の母からメールがあり、父親が亡くなったらしい。直ぐに実家に戻り、葬儀の為に母親と準備をしなければいけない。家に入ると、そこには父親の遺体が横たわっている。母親はマコトに遺影の写真を選ぼうと話し、アルバムを見ながら、昔の事を思い出し始める。そこには1畳の畳が置いてあり、母は不気味に笑って、畳のシミになってしまったのよと話す。シミとは何か。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

日本のホラーです。俳優の斎藤工さんが監督をされた作品でした。主演は北村一輝さん。他、神野三鈴さん、黒田大輔さんです。

 

最初は、普通のライターさんのお話かなと思っていたのですが、途中で、ふと主人公のマコトが、耳が聞こえない事に気が付きました。一人の場面が多く、スマホやPCを使っている場面だけだと判りませんね。で、実家に帰って、母親が手話で話しかけた時に判るのですが、その事が、ある事件に関わったという証明なんです。うん、怖かった。

 

一見、仲の良い母と息子にみえるんだけど、実は、という事が段々判ってきて、じわじわと怖さが伝わってくるんです。畳が出てくるのですが、畳って、明るい部屋にあると、そんなに感じないんだけど、じめっとした部屋だと、なんか、シットリしていて怖さがあるでしょ。その雰囲気が画面から感じられて、イヤだったなぁ。そして、畳の藁で、”藁人形”を作るっていうのも、人が生活していた畳の藁で、人間を呪うというのが、日本らしくて恐ろしいと思いました。

 

一つ言わせてもらえれば、神野さんのお母さん役、怖かったです。マジで怖かったです。あんなに美しいお母さんなのに、鬼婆のようになっていくから、そりゃ、北村さんも怖かっただろうと思います。

 

 

この2作品、とてもよく出来ていました。このフォークロアシリーズですが、アジア版トワイライト・ゾーンという感じで、楽しめるんじゃないかしら。全編観てみたいと思いました。思ったのですが、ヨーロッパ的なキリスト教で言う悪魔というのよりも、アジア圏の悪霊や怨霊などの方が、各段恐ろしいと思いませんか。だって悪魔って、エクソシストが来て聖水とかかけると弱るけど、アジアの悪霊とかって弱点が無さそうですよね。何処までもしつこく追いついてきそう。でも、「母の愛」で描かれていますが、悪霊となって行う行動には、必ず意味があるんです。ただ単に、嫌がらせをしている訳ではないという事が、よく解ります。

 

 

私は、このフォークロアシリーズ、超!お薦めしたいと思います。これは面白いです。アジア版トワイライト・ゾーンですが、日本で言えば「ほん怖」かな。解決する訳ではないけど、でも理解出来ると言う感じですかね。面白いですよ。スターチャンネルで放送するらしいですが、これからもっと情報が出てくると思います。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2019 「フォークロア・シリーズ『母の愛』『TATAMI』」

https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CCA09