【TIFF2019】「わたしの叔父さん」雰囲気の良い、色々な事を考えさせられる内容でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京国際映画祭2019 9作目は、コンペティション「わたしの叔父さん」です。

 

ストーリーは、

若い姪が年老いて体の自由が利かない叔父の面倒を見ている。ふたりは家畜の世話をしながら黙々と日々を過ごす。しかし姪には獣医になるという夢があった。

というお話です。

 

 

クリスは、高校を出て叔父の酪農を手伝っている。両親とも亡くなり、叔父に引き取られて育ってきた。獣医になろうと勉強していたのだが、高校卒業前に叔父が倒れ、獣医学校に合格していたにも関わらず、酪農の道に入ったのだった。

 

叔父との生活は、毎日、決まった事を繰り返すだけ。毎日、同じ時間に起きて、朝食を食べ、牛の世話をし、夜はTVを見ながらゲームをしたり、ぼんやりするのが日課だった。

 

 

ある日、牛のお産が始まり獣医のヨハネスを呼ぶのだが、逆子で危険が迫っていた。クリスは自分の知識で何とか出来ることをして、子牛を助けることが出来る。ヨハネスにもよくやったと褒められ、やっぱり獣医の勉強をしようかという思いが湧いてくる。

 

身体が不自由な叔父の介護をしながら、一緒に酪農を続けるのは大変だったが、まだまだ頑張っている叔父を献身的に助けて仕事を続けていた。ある日、父親の墓参りに行くと、そこでマイクという酪農家の男性に出会う。普段は人と関わることが無いクリスだったが、初めて食事に誘われ、年ごろの女性としての喜びも知ることになる。

 

獣医への夢を持ち、素敵な男性とも出会い、明るい兆しが見えてきたクリスだったが、突然に叔父が倒れて・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

ある女性が、叔父の面倒を見る為に、色々な事を諦めていく様を描いていましたが、これが暗くなくて、明るいんですよ。叔父さんが、とってもかわいいの。面倒だし、煩いし、大変なんだけど、叔父さんの人柄で、どうしても憎めない人なんです。だから、このクリスも、どうしても叔父を捨てる事なんて出来なくて、獣医の夢も諦め、男性と付き合いたいという思いも抑え、という感じに動いて行くんです。

 

獣医のヨハネスはクリスの事を心配して、このまま酪農を続けるより、獣医の道を薦めるのですが、このクリス、頑固なんです。叔父さんににて、頑固なんですよ。頑なというか、自分の友人だったら、”いい加減にしろ!”って怒鳴っているかもしれません。だって、叔父さんは身体が悪いのだから、このまま同じように酪農なんて続けて行けないのは判り切っているんです。まだ動けるうちに、何か手を打つべきなのに、何もしないんですもん。いつまでも変わらない事なんて無いんだから、未来を想像して、ちゃんと対処していかないと大変なことになります。

 

 

でもね、叔父さん、可愛いのよ。もう、この一言で、クリスが色々な事を先延ばしにしたくなる気持ちも分かるんです。叔父さんとの生活は穏やかで、それなりに幸せで、自分を育ててくれた叔父が大好きなのだと思います。

 

とても雰囲気の良い映画で、大きな出来事が起きて展開する訳では無いけど、何か、この空気感が素晴らしく良くて、自分も広大な牧場で一緒に生活をして、豊かに暮らせたら幸せかもなんて思ってしまうような映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。デンマークの映画です。介護問題をも考えさせる内容で、私は、とっても好きな感じがしました。日本公開は決まっていませんが、これ、公開して欲しいなぁ。とても考えさせられたし、後継者問題も描いていたし、日本でも共感して貰えるような映画だと思います。観る機会があったら、ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2019 「わたしの叔父さん」

https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP14