東京国際映画祭2019 5作目は、コンペティション「マニャニータ」です。
ストーリーは、
顔の半分に痣を持ち、射撃選手出身のヒロインは軍に仕えたが職を解かれ連夜バーで泥酔する。そして1本の電話が彼女の運命を動かす。
というお話です。
凄腕のスナイパーであるエディルベルタ・アガヴィンだが、幼い頃に負った酷い火傷の跡が顔の左側にあり、冷えなどで痛んだりがあるという。軍では、沢山の作戦で成功をおさめたが、途中で軍を抜けだしたりがあり、審判を受けていた。プラスマイナスで、火傷の事もあり、罪には問われず除隊となる。
軍隊を除隊させられてしまったエディルベルタは、何もすること無くなり、飲んだくれ、荒れた日々を送っている。ある日、電話を受けて、思い立ったようにどこかに電話をし、何かを頼んでいるようだ。荷物をまとめて、銃を手入れして、住んでいた家を後にする。
随分と旅をして、ある小さな村に辿り着く。そこで部屋を借り、何かが来るのを待っているようだった。そして、ある男が現れ、場所を指示し、ある時間になると現れるようだという情報を伝えて去っていく。
彼女は、その昔、自分に起こった事を回想しながら、時を待っている。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
あらすじを書いたのですが、全く何かわからないでしょ。ネタバレになるから、あまり書かなかったんだけど、要は、エディルベルタは、ある復讐をしようと考えているんです。だけど、復讐をするべきかどうか、凄く悩んでいるんです。
でね、この映画、すご~く長回しで、ただ、彼女が旅をしているだけの時間が凄く長かったり、ビールを飲み歩いて、うだうだしている時間の映像が長かったりと、ちょっと私はウトウトしたくなっちゃうよーって感じの映画でした。
でもね、この「マニャニータ」という題名は、フィリピンで警察の麻薬犯逮捕の為の手段なのだそうです。ただ、取り囲んで銃で脅すなどではなく、みんなで歌を歌って、相手の気持ちを動かすという手法らしく、これが、結構、効果を上げているらしいんです。
麻薬犯を取り囲んで、歌で攻めるとかって、ちょっと、はぁ?って感じですが、面白いですね。罪の意識が盛り上がってくるのかしら。確かに、フィリピンなどでは、犯罪が残酷なような気がしました。家族皆殺しとかね。だから、やっぱり罪の意識があるのかもしれません。
エディルベルタは、孤独な女性なのですが、そのスナイパーとしての腕前は素晴らしいようで、最初の場面で、彼女が参加する作戦の映像があるのですが、凄い集中力で、一気にテログループを5人くらい倒すんです。一人でですよ。あまりのカッコ良さに、拍手をしたいくらいでしたが、こんな腕を持っていながら、除隊させられるって、酷いじゃないのよねぇ。
彼女が、復讐を果たせるかどうかは、映画を観て頂くしかないのですが、それまでの彼女が辿る道は、彼女の心の中を描いているようで、その迷いが現れていました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。長回しで、ちょっと眠くなりますが、その映像は美しいです。そして、迷っている彼女の心の中も純粋で美しいという事が解り、復讐という事をして良いのかと問いかける内容になっています。日本公開は、ちょっと解りませんが、もし、観る機会があったら、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2019 「マニャニータ」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP09