東京国際映画祭2019 4作目は、コンペティション「喜劇 愛妻物語」です。
ストーリーは、
売れない脚本家と、夫に悪態をつき続ける恐妻が繰り広げる夫婦賛歌。
というお話です。
脚本家の柳田郷太は、学生の頃には将来を有望され、その年代にしては良い作品を書いていたが、それから何年か経ち、全く売れない脚本家として家でゴロゴロしている。何本かの脚本は企画に上がっているのだが、形にならず、妻の収入に頼る日々である。今日も、妻の後ろ姿を見ながら欲情しているのだが、妻は応じてくれない。もう、2か月以上、サセて貰えず、モンモンとしている郷太だった。
ある日、郷太に企画会社から電話があり、讃岐うどん作りの女性の話を書いてみないかという話が入ってくる。仕事も無いので、引き受けるのだが、取材をしないと書けないと思い、妻のチカに一緒に香川まで旅行に行って欲しいと頼む。田舎は車でしか動けず、郷太は運転免許を持っていないのだった。罵詈雑言を浴びせながらも、仕方なく、香川に家族で行く事にする。
香川で讃岐うどんを打つ女性という事で話題になっている店に行くと、既に、映画化の話が進んでおり、今更、脚本を書いても遅い事が分かり、プロデューサーに連絡を取ると、じゃ、その企画はダメだねぇ~と軽く言われてしまう。香川まで来て、どうしようもなくなった郷太とチカ。激怒したチカは、郷太に娘を任せて、学生時代の友人の家へ行ってしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
えーっと、大笑い出来る、下ネタばりばりのコメディ映画です。まぁ、でも、松尾スズキさんの”108”を観た後なので、大してエッチとは思いませんでしたけどね。それにしても、主人公の郷太は、”やりたい、やりたい”って言ってましたね。
このお話、足立監督ご夫婦の話を描いたそうで、こんな夫婦、本当にいるのかっていうほど笑っちゃうけど、本当にいるそうです。とにかく、夫は売れない脚本家で、仕事が無くてぼんやりしているんです。仕方ないので、妻・チカが働いていて、家計を支えているんですね。この状態だと、妻が働いているのだから、夫が主夫をやるべきなのに、子供の送り迎えくらいしかやらず、食事を作るのも洗濯をするのも、妻がやっているんです。奥さん、偉いよねぇ。ここまでしてやっているのに、夫は、のほほんとしていて、SEXしたいとか言って、時には浮気したりして、最低でしょ。私なら、直ぐに離婚ですね。
はっきり言って、ここに描かれている郷太という夫は、全く魅力がありません。ただ、打たれ強いだけの男としか言いようがないです。でも、チカさんには、学生時代の彼の輝かしい時の事があり、きっと何かやってくれるだろうという期待があって、彼を信じて、一緒に居るのだと思いました。これだけ打たれ強い男も珍しいから、言いたい事が言えて、良い部分もあるのかもね。
面白いと思ったのが、チカさんは、いつも酒を飲んでいて、それも缶酎ハイにストローを刺して飲んでいるんです。出かける時は、酎ハイを水筒に入れて、ストローで飲んでいます。それが、何か、見る度に笑ってしまって、どんだけ酒が好きなんだよって思っちゃいました。あとね、ネタバレになるから言えないけど、酒に関しては、笑える場面がいくつかありました。うーん、これ、本当に面白かった。
濱田さん、マジで酷いダメ夫でしたね。いや、マジで、こんな夫だったら、顔を見る度に”ウザい”って私も言ってしまいそうです。イライラする感じなんですよね。いやぁ~、マジでチカさん尊敬するわ。そのチカさん役を、水川さんが演じているのですが、やっぱり水川さん、上手いなぁ。凄く綺麗なのに、演技に入ると、普通の女性が演じられるんですよね。美しさを消して、観ている私たちと同じところに下りてきてくれているんです。なので、凄く共感が出来るんですよ。この役は、水川さんだからこそ、これほどの罵詈雑言を浴びせていても、嫌な女と思われずに済むのではないかと思いました。楽しかったです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ダメ男だけど、どこか憎めないらしい夫と、酷い言葉で夫を滅多打ちにするけど夫を捨てられない愛のある妻の共演、いや、狂宴を楽しんでください。但し、ちょっと途中でイライラすることも多いかもしれません。(笑)ぜひ、観に行ってみてください。まだ公開日は決まっていません。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭2019 「喜劇 愛妻物語」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP03
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