東京国際映画祭2019 3作目は、コンペティション「ディスコ」です。
ストーリーは、
ミリアムは激しいダンスの大会で優勝を続ける。しかし出生の秘密に悩み、家族は深く宗教に傾倒していた…。
というお話です。
宗教の不可解さを描いていて、家族で宗教などに入れ込んでしまうと、もう、抗う事が出来ないのだなという、恐ろしい精神的な束縛が描かれていました。
ミリアムという少女は、本当に普通の女の子なんです。ディスコダンスというダンスに打ち込んで、人一倍努力をして上手くなり、今はトップに立っているのですが、いつも失敗したらどうしようという不安も抱いています。まぁ、当たり前ですよね。トップに立てば、いつ下から追い抜かれるかも知れないし、失敗したらどん底になりますから。不安は当たり前だし、それを克服してこその競技なんです。そこに付け行ってくるのが義父の宗教で、不安になるのは、信仰心が足りないからだって言って、ミリアムを追い詰めるんです。酷いでしょ。
信仰心なんてあったって、不安は拭えませんよ。神様だって、不安と向き合えって言うでしょ。楽観的に神様に頼めば大丈夫なんて、そんな都合の良いこと、神様は許しません。ちゃんと聖書を読めっつーの。だけど、義父の言葉に押されて、信仰にのめり込まされて行くんです。思春期の子供にこんな風に強制したら、イスラム国の子供の兵士みたいになっちゃいますよ。それが正しいと思ってしまう。凄く恐ろしい事だと思いました。
宗教が悪いとは言いません。それで救われる方たちもいるのですから、悪くはないと思います。でも、自分が信じているからって、人にも信じさせようと強要するのは間違っていると思います。いくら家族だって、それはいけない事でしょ。それぞれに意志があるのですから、本人が信じられない、不安を拭えないと言うのなら、宗教は合っていないと思って、距離を置くべきです。反対に、もし宗教で楽になるのなら、すがっても良いと思いますよ。私は止めません。
私は、宗教系は、一切、信じていません。神様は信じてますけどね。自分だけの神様です。でも、聖書や仏教の本は、小説と同じだと思って読んでいます。あり得ないファンタジー小説と一緒で、楽しいですよ。
話を戻して、ノルウェーで、監督が実際にリサーチしていて、この出来事と同じようなことに出会って、映画化したそうです。一般的なキリスト教とはハズれた、独特なカルト教団があるようで、問題になっているようです。日本で言えば、一番有名なのは”オウム真理教”かな。テロ行為までしてしまうほど、おかしくなって行ってしまうので、どこかで止めるようにしなくてはね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。宗教の恐ろしさ、家族の問題などが、とても良く描かれていました。でも、凄く面白いという作品ではありません。考えさせられる作品です。日本公開は、ちょっと解りませんが、もし、観る機会があったら、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2019 「ディスコ」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP05
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