【TIFF2019】「ディスコ」本人の意志ではなく、家族により宗教に沈められて行ってしまう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京国際映画祭2019 3作目は、コンペティション「ディスコ」です。

 

ストーリーは、

ミリアムは激しいダンスの大会で優勝を続ける。しかし出生の秘密に悩み、家族は深く宗教に傾倒していた…。

というお話です。

 

 
ミリアムは、ディスコダンスをやっていて、既に、トップを走っていた。みんなから尊敬され、人気の的になっていた。もうすぐ大会が迫っており、その練習にも懸念がない。
 
彼女の家は、キリスト教に入れ込んでいて、母親の再婚相手は、カルト教団スレスレの新興宗教の人気宣教師で、家の中で親族がやっている教団のビデオを見ているだけでも激怒し、母親と言い合いになる始末。
 
大会が近づき、練習に余念がないが、不安は大きくなるばかり。音楽を聞いても、信仰に頼っても、不安は消えない。そして大会になり、完璧に練習したにもかかわらず、失敗をしてしまう。
 
 
義父は、そんな彼女に信仰が足りないのではないかと解き、宗教のセミナー合宿に入るべきだと提案する。ミリアムは、仲間に人気があるので、義父は彼女を使って宗教を広げたいと思っているのだ。そして・・・。
後は、映画を観て下さいね。
 

宗教の不可解さを描いていて、家族で宗教などに入れ込んでしまうと、もう、抗う事が出来ないのだなという、恐ろしい精神的な束縛が描かれていました。

 

ミリアムという少女は、本当に普通の女の子なんです。ディスコダンスというダンスに打ち込んで、人一倍努力をして上手くなり、今はトップに立っているのですが、いつも失敗したらどうしようという不安も抱いています。まぁ、当たり前ですよね。トップに立てば、いつ下から追い抜かれるかも知れないし、失敗したらどん底になりますから。不安は当たり前だし、それを克服してこその競技なんです。そこに付け行ってくるのが義父の宗教で、不安になるのは、信仰心が足りないからだって言って、ミリアムを追い詰めるんです。酷いでしょ。

 

 

信仰心なんてあったって、不安は拭えませんよ。神様だって、不安と向き合えって言うでしょ。楽観的に神様に頼めば大丈夫なんて、そんな都合の良いこと、神様は許しません。ちゃんと聖書を読めっつーの。だけど、義父の言葉に押されて、信仰にのめり込まされて行くんです。思春期の子供にこんな風に強制したら、イスラム国の子供の兵士みたいになっちゃいますよ。それが正しいと思ってしまう。凄く恐ろしい事だと思いました。

 

宗教が悪いとは言いません。それで救われる方たちもいるのですから、悪くはないと思います。でも、自分が信じているからって、人にも信じさせようと強要するのは間違っていると思います。いくら家族だって、それはいけない事でしょ。それぞれに意志があるのですから、本人が信じられない、不安を拭えないと言うのなら、宗教は合っていないと思って、距離を置くべきです。反対に、もし宗教で楽になるのなら、すがっても良いと思いますよ。私は止めません。

 

 

私は、宗教系は、一切、信じていません。神様は信じてますけどね。自分だけの神様です。でも、聖書や仏教の本は、小説と同じだと思って読んでいます。あり得ないファンタジー小説と一緒で、楽しいですよ。

 

話を戻して、ノルウェーで、監督が実際にリサーチしていて、この出来事と同じようなことに出会って、映画化したそうです。一般的なキリスト教とはハズれた、独特なカルト教団があるようで、問題になっているようです。日本で言えば、一番有名なのは”オウム真理教”かな。テロ行為までしてしまうほど、おかしくなって行ってしまうので、どこかで止めるようにしなくてはね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。宗教の恐ろしさ、家族の問題などが、とても良く描かれていました。でも、凄く面白いという作品ではありません。考えさせられる作品です。日本公開は、ちょっと解りませんが、もし、観る機会があったら、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2019 「ディスコ」

https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP05