東京国際映画祭2019 1作目は、コンペティション「ネヴィア」です。
ストーリーは、
ナポリ近郊、17歳のネヴィアは闇商売でしのぐ祖母と妹の3人で隠れるように暮らしている。殺風景な地にサーカスがやってきて、ネヴィアは興味を抱く…。
というお話です。
ナポリ近郊の貧困層が住むコンテナハウス。17歳のネヴィアは、ゴミを集めたり、古着を拾って小遣い稼ぎをしていた。その地域には、マトモな働き口などなく、一緒に住む祖母は、地域のマフィアが横流ししている盗品を売ることで、何とか生活をしていた。ネヴィアの母親は既に亡くなっており、父親も家には寄り付かないようだ。どうしてもお金が無くなると、祖母たちは家で売春紛いの事をしており、ネヴィアと妹は、近所の叔母の家に預けられる。
マフィアの息子は、ネヴィアを気に入っており、馴れ馴れしく近寄ってくる。家族を犯罪に引き込んでいる彼らを、ネヴィアは嫌っており、そっけない態度をするのだが、祖母は18歳になったら、結婚しても良いのではと思い始めているようだ。そんな地域から抜け出したいと思っているネヴィアは、ある日、町に来ているサーカスに妹と一緒に忍び込む。妹が気に入ったイグアナを盗み、家に帰ると、直ぐに見つかってしまい、イグアナを返すことに。
その出来事から、サーカスが気になり始めたネヴィアは、再度、サーカスに行き、何か働かせてもらえないかと頼み込む。団長は、最初は断っていたが、ネヴィアの熱意に負けて、彼女を動物の世話をする仕事に雇う。サーカスの仕事をネヴィアは気に入り、毎日、楽しんで仕事に通うが、ある日、家に警察が来て、祖母たちは捕まってしまう。ネヴィアと妹だけは、窓から逃げて、マフィアの息子の家に避難をするのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。
今年の東京国際映画祭、1作目は、コンペティション部門のネヴィアです。この映画、イタリアの貧困層の少女が主人公の映画で、彼女がそこから抜け出したくて、もがく姿が描かれていました。
ネヴィアという少女ですが、17歳の設定なのですが、とても幼く見えて、中学生くらいかなって思っちゃいました。そんな彼女は、とても真面目で、妹を大切にしているんです。大人たちが犯罪に手を染めているのを見ながら、自分と妹だけは犯罪はしないって思っていて、汚い大人たちを軽蔑しているんです。でも、どんなにもがいても、まだまだ子供の二人は、大人に振り回されて、辛い思いをしてしまう。
こういう状況は、どこの国にもありますね。イタリアだけじゃなく、日本だって一緒なんです。どんな地域に生まれても、同じようにチャンスが与えられれば良いのですが、そんなことは稀で、結局は抜け出せなくなることが多い現代、このネヴィアは、妹と必死で抗います。その必死さが、とても頑なに見えて、これだけ頑張ったなら助けてあげたいなぁと、映画を観ながら思ってしまいました。
面白いと思ったのは、サーカスが町に来るのですが、その芸に、イグアナが出るらしいという事。サーカスにイグアナがいて、それを盗むのですが、そのイグアナ、何に使ってたのかな?って思っていたら、イグアナと一緒に芸をする人がいるというから驚きでした。イグアナって、思っているよりも意志があるようなので、芸もするのかな。観てみたいなって思いました。
ネヴィアは、この犯罪の巣窟のような場所から抜け出すことが出来るのか。面白い展開でしたよ。楽しめました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても気に入りました。派手な作品ではありませんが、感動すると思います。日本公開は決まっていませんが、公開するといいなぁ。ぜひ、機会があったら、観てください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2019 「ネヴィア」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP10