「最初の晩餐」この映画が今期一番になってしまいそう。こんなにも温かい映画をありがとうございます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「最初の晩餐」の試写会に行ってきました。

 

ストーリーは、

父の日登志が亡くなり、カメラマンの東麟太郎は葬儀のために故郷に帰ってきた。通夜の準備を進める中、母のアキコが通夜ぶるまいの弁当を勝手にキャンセルし、自分で料理を作ると言い出す。母が運んできた料理は目玉焼きだった。母が作る数々の手料理を食べていく中で、家族のさまざまな思い出が去来していく。

というお話です。

 

 

病院の夜の食堂で、カメラマンの東麟太郎と姉の美也子はラーメンを食べていた。伸びきったラーメンをマズいと言いながら食べているが、”閉めますよ”と声を掛けられ、お金を置いて出ていく。父の病室に入り、亡くなった父親を眺めながら、麟太郎は昔を思い出していた。

 

父の”日登志”が亡くなり、通夜の準備が進む実家の縁側で、麟太郎は仕事の電話をしていた。カメラマンとして独立し2年目になったが、どうも仕事が起動に乗らない。タバコを吸いながらぼんやりしていると、家の中から姉の美也子が怒っている声が聞こえる。どうしたのかと聞くと、通夜の弁当が、勝手にキャンセルされていたらしい。怒る美也子に、キッチンから出てきた母のアキコが、私が断ったのと言う。アキコが自分で食事を作るので、それまで待っていて欲しい、それが日登志の遺言なのだからと言うのだった。

 

 

最初にアキコが運んできたのは、スライスチーズの上に卵を乗せた目玉焼きだった。その料理は、父が初めて麟太郎たちに料理を作ったメニューだった。

 

登山家だった父・日登志と母・アキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎が7歳、美也子が11歳の夏だった。 新しく母となったアキコには、17歳になるシュンという男の子がいた。5人はギクシャクしながらも、何気ない日常を積み重ね、気持ちを少しずつ手繰り寄せ、お互いにちょっとだけ妥協し、家族として、暮らしはじめていた。 それは平凡だけど、穏やかな日々だった。しかし、1本の電話が、まるで1滴の染みが広がるように、この家族を変えていく。
 
 
兄のシュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に突然、家を出て行った。父も母もなぜか、止めようとはしない。以来、家族5人が揃うことはなかった。

次々と出される母の手料理を食べるたび、家族として暮らした5年間の思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえる。それは、はじめて家族として食卓を囲んだ記憶だった。兄弟で焼いた焼き芋、父と兄が山で食べたピザ、姉の喉に刺さった焼き魚の小骨。あのとき、家族になれたはずだった。
 
 
あの日、父と兄になにがあったのか? 死の寸前、父はなにを思ったのか?姉が抱えている小さなキズとは? 母が長年隠し続けてきたこととは? 家族として過ごした5年間という時間。それは、短かったのか?長かったのか?父の死をきっかけに、止まっていた家族の時がゆっくりと動き出す。
 
そして通夜ぶるまいも終盤に差しかかったその時、兄のシュンが15年ぶりに帰ってきた。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

スミマセン、あらすじが長いですが、公式HPに書いてある内容をどうしても入れたかったんです。この映画、凄く良い作品で、これ、ぜひ皆さんに知って欲しい、観て欲しいと思いまして、解説させていただきました。ある家族の父親が亡くなって、そのお通夜の時間を描いているだけなのですが、彼らが”家族”として暮らした時間を思い返し、家族とは何なんだろうかと考えさせられる、とても深くて、優しくて、胸に詰まる内容だったんです。

 

主人公の麟太郎は、カメラマンの仕事を独立して始めたばかりで、付き合っている彼女がいるのだけど、まだ家族を作るという感覚を持てないでいるんです。そんな時に、父親の葬儀で、家族と集まることになります。

 

 

その家族は父と母が再婚同士で、どちらも連れ子がいました。父親は小学生の女の子と男の子、母親は思春期の男の子を連れての再婚で、突然に家族になったものだから、もちろん、最初から合う訳が無いし、不満も爆発するんです。でも、母親の機転で何とかやり過ごして、家族になっていくのですが、この二人の再婚にはある事情があり、子供たちには話してないんです。

 

母親の連れ子だったシュンには、22歳になった時に全て打ち明けて、それで家を出ていくことになるのですが、色々な事情があるから、それを許すとか許せないとかそういう事ではなく、ちょっと家族から離れて考えたいと思ったのかもしれません。若い頃は、井の中の蛙なので、人の”心の事情”というものが読み取れないから、少し離れてみる事が大切なのかもしれません。

 

 

でも、子供には理解出来ませんよね。突然に居なくなっちゃったりしたら、家族だって思っていたのに裏切られたような気持ちになっちゃう。そんな子供の気持ちを繊細に描いていました。そして、今、大人になり、色々な事が解って、人間とは、家族とはって言う事を考え直すんです。それが、じわじわと来て、凄い感動するんだよなぁ。

 

子供たちは新しい母親が来て、特に女の子は反発するのですが、根気強くアキコは気持ちを解いていき、家族になって行くんです。その描写も優しくて良かったなぁ。やっぱり斉藤由貴さん、本当に上手いです。そして父親役の永瀬さんも、無口だけど何か目が伝えていて、良かったなぁ。

 

 

麟太郎役の染谷さん、美也子役の戸田さん、シュン役の窪塚さん、良かったです。いいキャスト集めてます。ホント、もう、驚くほどでした。彼らの子供時代の子役の子も上手かったし、文句の付けようがありません。

 

常盤監督ですが、長編映画はこれが初監督なのだそうです。驚きました。初めてでこんなに繊細なものを創るのかっ!て感じで、脱帽です。ショートフィルムは撮られていたそうで、そちらの評価はとても高かったそうです。この映画の脚本を染谷さんにお渡しししたら、直ぐに出演してくださると言ってくれて、それから他のキャストさんも脚本を読んで集まってくださったそうです。最初は自主映画だったのですが、角川さんが付いてくれて、公開にこぎつけたとの事。でも7年かかったとおっしゃってました。

 

 

イイものを創ろうとすると、時間はかかるのよねぇ。私も、仕事でこの建築物だけはこだわりたいと思ったら、時間をかけてお客さんを説得して建てますもん。ちなみに、今関わっている仕事は5年過ぎたかな。もちろん、他の部分でお金が稼げないと、良いものにはこだわれませんけどね。

 

そうそう、食事の最初のメニューが、スライスチーズの上に卵を割って、チーズエッグという目玉焼きなのですが、これが美味しそうなのよ。私も作ってみようと思い、今日、スライスチーズを買ってきました。朝食に作ってみようかな。

 

 

家族って、ちょっとした優しさと、ちょっとした努力と、そして愛情があれば、たとえ血は繋がっていなくても、そんなものは関係ない。きっと、そこに家族という絆は生まれるんだろうと思いました。

 

凄く長くなっちゃいましたが、この映画、凄く良いです。とんでもない凄い事が起きる訳ではないのですが、人が生きていると、色々な事があって、それぞれに考えて、それでも家族は繋がっているという不思議な絆が描かれていて、本当に良い映画でした。観れば観ただけ、色々な感想が出てきそうな映画だと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。素晴らしい俳優の共演ですし、とても優しい映画です。ホント、こういう映画が観たいよねっていうような映画です。もうすぐ公開です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

最初の晩餐|映画情報のぴあ映画生活

 

 

 

 

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