「”樹木希林”を生きる」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
樹木に初めて長期密着取材し、18年9月26日に放送されたNHKの同名ドキュメンタリー番組に未公開映像を加えて再編集した。57年の役者人生の中で多くのドラマや歌番組、CMに出演し、日本映画界にとって欠かせない存在となった樹木希林。歯に衣着せぬ物言いと周囲への細やかな心遣い、あふれでるユーモアで日本中から愛された彼女は、多忙な中でも日々の暮らしを大切にし、人生なりゆきと語りながらも独自のスタイルを持っていた。そんな彼女の最後の日々を捉え、“なりゆき人生”と心に響く言葉の数々から生きるヒントを学ぶ。
というお話です。
樹木希林さんを1年間追った、ドキュメンタリーなのですが、樹木さんという女性が、素晴らしい役者だったということが、この映画を観ると、本当に解ります。仕事に関しての目の厳しさは、誰よりも凄いと思いました。自分に厳しいんですよ。他人に厳しい人は沢山いるけど、自分に厳しいから、これだけの演技が引き出されるのだなという事が、良く解りました。
あの「万引き家族」を撮影している時も、ドキュメンタリーの中にあるのですが、あの老婆の設定も、樹木さんが違和感があるという一言を言ったために、是枝監督が考えて、新しく、夫を他の女性に取られた女性という設定が増えたんです。確かに話を聞いていると、樹木さんの言っている事、解るんです。普通に暮らしていたのなら、この他人ばかりの家族なんて出来上がらないんです。問題のある過去があって、他人を受け入れて暮らすことで、生きていけるようになるという事が無いと、いきなり他人と一緒に住むなんてありえないんですよね。そういう、大切な部分を、しっかり論じてから演じる姿勢が、素晴らしいんです。
仕事場に行くにも、自分で車を運転して行くんです。このドキュメンタリー映画の監督まで、送迎してあげていたんです。ビックリしちゃいました。樹木さんって、自分が凄い女優だとか思っていないんです。自分が出来ることは自分でやるという、人間としての生き方を最後まで全うしているような人でした。
面白かったのは、役者はしっかりした特徴のある顔だと良い役者にはなれないと言っていたところです。似顔絵に書きやすいような顔だと、それぞれの違う役になれないと言うんです。で、監督が意地悪して、”石原裕次郎さんのような人はどうなんでしょ。”って言うと、スターは別なのよって。スターはスターだから、それだけで良いというようなことを言うんです。これ、彼女は言わなかったけど、スターになっちゃったら、役者は諦めるしかないという事だと思うんです。もう、イメージが強くついてしまったなら、色々な役は出来ないってことじゃないかなと。確かに、石原裕次郎さんも、吉永小百合さんも、高倉健さんも、そのイメージが強すぎて、彼ら以外は出来ませんもんね。スターなんだから、それでいいんですよ。樹木さん、よく解っているなぁと思いました。
「モリのいる場所」の撮影時もドキュメンタリーを撮っているのですが、沖田監督と樹木さんの感じも良かったなぁ。山崎さんとの共演も、楽しんでやっていたようで、面白かったです。この映画、まるで山崎さんと漫才をしているようで、本当に笑えるんです。大好きな映画です。
もっともっと、楽しい場面が沢山あって、樹木希林という役者を、上手く切り取ってあったと思います。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画なので、ストーリーなどはありませんが、”役者というものは”という事を、樹木さんが語っているようで、とても楽しめるドキュメンタリー映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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