「第三夫人と髪飾り」を観てきました。Fan's Voice(@fansvoicejp)さんのご招待で行ってきました。
ストーリーは、
19世紀の北ベトナム。14歳の少女メイは、絹の里を治める大地主の3番目の妻として嫁いでくる。一族が暮らす大邸宅には、唯一の息子を産んだ穏やかな第一夫人と、3人の娘を持つ魅惑的な第二夫人がいた。まだ無邪気だったメイは、この家では世継ぎとなる男の子を産んでこそ“奥様”になれることを知る。やがてメイも妊娠し、出産に向けて季節が流れていく中、第一夫人も妊娠していることが判明する。同じ頃、メイは第一夫人の息子ソンと第二夫人のある秘密を知る。
という内容です。
19世紀の北ベトナム。14歳の少女メイは、深い渓谷を流れる川を舟で登ってくる。絹の里を治める大地主の3番目の妻として嫁いで来たのだった。一族が暮らす大邸宅には、一人息子を産んだ第一夫人と、3人の娘を産んだ第二夫人のスアンが暮らしており、メイは3番目の妻として、祝宴が華やかに催され、初夜の儀式は滞りなく行われた。
まだ子供のようなメイは、2人の夫人に見守られながら毎日を送っていたが、ある夜、第二夫人が”髪飾り”を使って身体の仕組みや、夜の営みについて、優しく教育をしていく。日々、色々な事を知っていくメイは、ここでは、世継ぎになる男児を産んでこそ”奥様”と呼ばれる立場になれるのだという事を知る。
ほどなくしてメイは妊娠をする。一族には既に息子のソンがいたが、若い第三夫人に、更なる世継ぎの誕生が期待されていた。第一夫人は、長男を産んでいるので、その身は安泰ではあったが、やはり気になるらしく、メイに対しての態度がキツくなっていく。すると、第一夫人も妊娠していることが判り、自体は落ち着いて行く。
一方、一族では、息子のソンに嫁を取らせる話が進んでいた。一度も会ったことが無い女性と結婚など考えられないというソン。実は、ソンはある人と恋愛関係になっていた。しかし自由な恋愛など許されない。苦しむソンに、周りは、それが普通なのだと慰める。そんな時、第一夫人が流産し、メイは自分が男児を神様に祈ったせいだと落ち込み、第二夫人がそれを優しく慰める。慰められたメイは、ぐちゃぐちゃした恋愛感情が混乱し、つい第二夫人の唇を奪ってしまう。
ソンの結婚話は進み、トゥエットが゙嫁いできます。好きな人がいるソンは、どうしてもトゥエットを受け入れられず、初夜の儀式を拒否してしまい、すると・・・。後は映画を観てくださいね。
この映画は、話が静かに進んでいき、この時代のベトナムでは、こんな結婚事情があったのだという事が描かれていました。確かに、アジア諸国では、一夫多妻の制度が多かったですよね。
私の友人の叔母が、インドネシアの地方の王家の人間と結婚し、日本人と結婚したのだからと妻は1人にして欲しい、として結婚したらしいのですが、しばらくして、子供も全員が学校へ行くようになったら、第二夫人を持ちたいと言われたそうです。どちらの妻も平等の生活を送らせられるなら4人まで妻を持って良いらしいんです。で、友人の叔母は、しばらくは我慢をしていたそうなのですが、さすがに耐えられなくなったらしく、離婚してしまったそうです。
この映画でも友人の話でも、アジア諸国では、女性が卑下されているような歴史が多いですね。一夫多妻なんて、女性をバカにしているとしか思えません。その上、息子にしか家を継がせないと言って、男子を産まなければ妻としても認めて貰えないなんて、言語道断だと私は思います。女性でも能力の高い方はいるし、何の能力も無いのに長男だからと言って家を継ぐなんて、直ぐに潰してしまう事も多いと思いますよ。一族を繁栄させていきたいなら、誰に能力があるのか見極めて継がせていくという事をしなければね。
映像の美しさは際立っていて、アート系の映画なのかなと思ったら、ちゃんと訴えることもしっかりしていたし、楽しめました。ただ、一夫多妻の家に嫁いだ、可哀想な幼い少女の話かと思ったら、不義密通の話があったり、女同士の恋愛についても少し描かれていたり、結構、衝撃作だったと思います。一瞬、ユリ系の話になるのかと、ドキドキしてしまいました。まぁ、そうはならなかったんですけどね。
この一族の中にいる少女ですが、ある場面で、長い髪を切るのですが、これ、女は生き難いから男として生まれたかったという少女の願い込められているようにみえて、可哀想だなぁと思いました。それに、考えてみれば、メイだって14歳で嫁いできて、二回りくらい年上の男性の子供を産ませられる訳でしょ。それ、ダメですよね。淫行だよ淫行。許されませんって。社会の常識を変えて行かないと、民族の存続が危うくなっちゃいます。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。派手な映画ではないのですが、ベトナムという国の少し前の時代には、こんな制度がまかり通り、女性が苦しんでいたのだという事を、知って貰いたいと思いました。それに、主人公のメイの女の子、13歳でこの役を射止めたそうです。美しくて、素晴らしいですよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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