「悪の華」誰もが体験する思春期の息苦しさを鮮明に描いていました。私は好きです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「悪の華」を観てきました。

 

ストーリーは、

山に囲まれた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい日常をやり過ごしていた。ある日、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまった彼は、秘密にする代わりに仲村からある“契約”を持ちかけられる。この日から仲村に支配されるようになった春日は、彼女の変態的な要求に翻弄されるうちに絶望を知り、自らのアイデンティティを崩壊させていく。やがて「惡の華」への憧れにも似た魅力を仲村に感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう。

というお話です。

 

 

山に囲まれた地方都市。中学2年の春日高男は読書が好きで、ボードレールの詩集「惡の華」を愛読していた。この町が息苦しくて、生き難くて、どうしたらこのもやもやした気持ちがスッとするのか、いつも考えていた。

 

ある日の下校時に学校に本を忘れたことを思い出した高男は、急いで教室へ戻ると、ロッカーから、クラスメイトの佐伯さんの体操着が落ちている事に気が付く。つい、体育の授業の風景を思い出し、ブルマ姿の佐伯さんを思いながら体操着の匂いを嗅いでしまう。その時、背後で音が聞こえ、衝動的に彼女の体操着をカバンに入れて持ち去ってしまう。

 

 

家に帰る途中の道で仲村佐和に声を掛けられ、体操着を盗むの、見ちゃったんだと言われ、盗むつもりは無かったと言い訳をするが、そんなことが通る訳が無い。仲村は秘密にするから”契約”をしようと高男に持ちかける。その日から、高男は仲村の言いなりになり、色々な要求をされるようになる。

 

佐伯さんとのデートに盗んだ体操着とブルマを着ていけとか、キスをしろとか、無理な要求ばかりで反発すると、馬なりになって暴力を振るわれるなど、もうめちゃくちゃな仲村に振り回され、段々とそれが自分の欲望であるかのように感じられるようになっていってしまう。そして、思春期の思いが爆発し、この息苦しい町から抜けたいという思いが強くなった二人は、夏祭りにある行動をしてしまう。

 

 

それから6年後、高男は新しい町で、新しい高校生活を送っていた。そこで、読書が好きな常盤さんという同級生と出会う。彼女は趣味で小説を書いており、その内容が高男が中学時代に体験したことに似ていた為、彼女との距離が縮まっていく。そして高男が今も仲村から逃げていることを気にかけ、向き合った方が良いとアドバイスをする。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

思春期に誰もが経験する息苦しさを、”変態”という言葉で表現しながら、衝撃的に描いている映画でした。観ていて、うん、こんな感じだっよねって共感する部分が多かったです。思春期の頃って、自分は何者なのか解らず、きっと自分だけは他の人とは違って何かやるべき事があるはずだと考えてるんです。カッコつけて難しい本を読んだり、今の子なら、SNSにアップしてフォロワーを増やしたり、いいねを貰ったり、私はあんたらとは違うんだよって感じを猛アピールしちゃってるんでしょうね。只のクソガキなんだけど、気が付いてないんです。私もそんな時期があったから解ります。

 

 

主人公の高男は、普通に女の子に興味があって、可愛い子が好きで、体操着の匂いが嗅ぎたくなっちゃっただけなのよ。これ、変態っていうけど、変態じゃないからね。好きな子のだったら、そういう事したくなるの当たり前だから。でも、そんな経験が無い”かわかむり野郎”(仲村のセリフ)だから、見たよ~とか言われると、どうしよう!ってなっちゃうのよ。その慌てっぷりが上手かったなぁ。

 

高男役の伊藤くん、元々、とっても上手い子だから、今回も思春期の中学生から少し大人になった高校生と、上手く演じていました。必死で動揺を隠そうとしながら、大汗かいてそうな表情は笑えました。裸に剥かれると、イマドキの筋肉質な細マッチョではなく、少年っぽいポヨっとしているような身体で、学生感が良く出ていました。

 

 

仲村役の玉城さんも、小悪魔的な笑いで高男を翻弄して楽しむ姿が良かったです。玉城さん、本当に可愛いもんねぇ。この映画のヒロインは佐伯さんなんだと思うんだけど、仲村さん役のティナちゃんが一番可愛いのよ。こんな可愛い子がクラスにいたら、男子が黙ってないよ。きっとファンクラブとか出来てたと思うなぁ。

 

ボードレールの”惡の華”ですが、昔カッコつけて読んでみたことを思い出します。読んでみたんだけど、全然、頭に入ってこなくて、何言ってんだよコノヤローって感じだったのよね。何て言うんだろう、乾いた砂の上で踊っているんだけど、足を取られて踊れないって感じかしら。乾いているけどずぶずぶしている感じかな。あまり好きな感じじゃなかったの。この映画の中には、そんな雰囲気も描かれていました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は好きなタイプの映画でした。誰もが通る思春期の息苦しさを、よく映像に描いていたと思います。私、伊藤くんと玉城さんも好きなのよね。超を付けたかったけど、これ、好き嫌いが大きく判れる映画だと思うので辞めました。でも、ちょっと毒々しいティナちゃんと、ヘタレの伊藤くんを楽しんで観て欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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