「初恋ロスタイム」を観てきました。
ストーリーは、
浪人生の相葉孝司は幼い頃に病で母親を亡くしたことから、「世の中にはがんばっても無駄なことがある」と、諦めグセのついた無気力な毎日を送っていた。ある日の12時15分、孝司は自分以外のすべてのものが突然静止するという不思議な現象に遭遇する。周囲が静止する中、孝司は自分と同じように動くことができる少女・篠宮時音と出会う。2人は毎日12時15分に1時間だけ訪れる不思議なこの時間を「ロスタイム」と名付け、2人だけの時間を楽しむようになっていくが、この「ロスタイム」には、ある秘密が隠されていた。
というお話です。
浪人生の相葉孝司は、予備校へ行ってもヤル気が出ず成績も振るわなかった。子供の頃、母親を病気で亡くしたのだが、その時に、自分が頑張って医者になって母親を治すから、それまで生きていてと神様に願うのだが、母親の病気は治ることは無く、亡くなってしまった。その出来事から、頑張っても願いが叶うことは無いと諦める癖がついてしまい、何をやっても無気力なのだった。
ある日、12:15に自分以外の世界の全てが突然に静止するという現象に見舞われてしまう。自分以外に動くものは無く、自分はどうなってしまうのか不思議に思い、誰か動く人がいないか叫び始める。すると、一人だけ女の子が動いているのに遭遇する。彼女の名は・篠宮時音。高校の制服を着て、スケッチブックに絵を書いていた。
彼女と知り合った孝司は、毎日12:15から1時間程だけ時間が静止する現象を「ロスタイム」と呼ぶことにし、2人だけの時間を楽しむようになっていく。このロスタイムは、静止が終わるとこの1時間でやった事全てがリセットされてしまう。孝司は時音の為にお弁当を作り、ちょうど昼の時間なので一緒にランチを楽しもうとするが、時音はダイエットをしているからと食べようとしない。しかし、時間がリセットされてしまうなら、食べたこともリセットされるハズと考え、時音に話すと、それなら食べたいと言って、一緒に食べるようになっていく。
ある日突然に、時音はもう会えなくなると孝司に告げて、姿を消してしまう。孝司は時音を探し周り、彼女が病院に入っている事を知る。彼女はある病気で肝臓移植手術をうけなければ命が危ないらしいのだが、彼女は特殊な血液であり、血液が合うのが父親だけだった。しかし父親とは肝臓が適合しなかったようだ。もう助かる手立てが無くなった彼女がその事を知った時間が12:15分であり、その時から、ロスタイムが始まったのだった。
孝司は、何か出来ないのかと時音の担当医と話しをすると、何故か担当医もロスタイムの事を知っていた。そのロスタイムが医師に起きた原因は、彼の妻がある病気で移植手術が必要であり、その移植に適合したのが医師だったらしい。だから二人だけにロスタイムが起きていたのだった。それを聞いた孝司は、もしかしたらと、自分が時音に適合していないかと検査をしてもらう事にする。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
うーん、この映画、原作は感動作らしいのですが、映画は原作とは違っていて、なんだか、簡単に解決する感じで、ガッカリでした。それに、ゴメンナサイ、時音役の吉柳さんがあまり可愛くないんです。孝司役の板垣さんはイケメンなので、二人が合わないんですよ。なんでこの子がヒロインだったのかしら。時音役をこの子なら、孝司役をもう少しぼんやりした男の子にすれば良かったのになぁと思いました。バランスが悪すぎるんです。
原作には、医師は出てこないのですが、今回は、何故か同じようにロスタイムを経験している医師が出て来て、彼から移植の話を聞くんです。それに、時音の父親は移植に適合していないという話だけで、一切出てこないんです。内容を変えてしまったから、孝司が予備校生で医大を目指しているという設定の意味が無くなっちゃっているんです。
医師が出てきて、彼の妻とのエピソードが、主人公の二人の話の合間合間に入ってくるのですが、何で医師夫婦の話があるのか全く意味不明なんです。中盤以降に、やっと孝司と医師が出会って、ロスタイムの話をすることになるのですが、それまで、全く説明が無いので、その医師がもしかしたら未来の孝司の姿なのかなと思えてしまい、とても迷惑な作り方でした。脚本と演出が悪すぎるんじゃないかと思いました。
折角、原作が良いのに、どうしてこんな風に変えてしまったのかしら。これは、酷かったですね。無駄な人物を出したことと、需要な部分を簡単に変えてしまったことで、陳腐な作品になってしまいました。それとヒロインがダメだったなぁ。吉柳さん、口を瞑っていると可愛いんだけどねぇ。難病の悲壮感も無くて、私はダメでした。
孝司役の板垣さんは、美しい顔をしていて良いのですが、演技は今一つだったかな。まだ若いから、これから上手くなって欲しいですね。これから人気が出てきそうでちょっと期待出来そうかなと思いました。
根本的な失敗は、設定の変更と、脚本と演出の悪さかな。いつもの青春ラブストーリー的にして、適当に若者受けを狙ったのかもしれませんが、まぁ、酷かった。これ、原作が良いだけに、原作を読んだ方はムカついたんじゃないかな。原作者はこれ納得したのかしら。
この映画、あまり薦めたくないけど、板垣さんがイケメンなのと、竹内さんと石橋さんの医師夫婦が美しいので、まぁ、お薦めしておきますよ。映画としては、薦めたくないけど、カッコイイ人を見るためだけなら良いでしょう。それにしても、何度も言うけど、演出は酷かったなぁ。観る人の事を考えて欲しかった。ただ、話を並べて繋げられても、観ている方は”はぁ?”ってなっちゃいますよ。とりあえず、イケメンを観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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