「HELLO WORLD」管理者がシステム内の記録改変するならセキュリティーは止められるよねぇ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「HELLO WORLD」を観てきました。

 

ストーリーは、

2027年、京都。内気な男子高校生・直実の前に、10年後の自分だという人物・ナオミが現れる。ナオミによると、直実はクラスメイトの瑠璃と結ばれるが、その後彼女は事故で命を落としてしまうのだという。直実は瑠璃を救うため、大人になった自分自身とバディを組んで未来を変えようと奔走する。しかしその中で、瑠璃に迫る運命やナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された秘密を知り・・・。

というお話です。

 

 

2027年、京都。高校生の直実は内気で読書が趣味だが、もっと人と上手く関わりたいと思っていて、人付合いのスキル本などを読みながら、自分を変えようとしていた。そんな時、クラスの委員選出があり、直美は図書委員をやる事になる。図書委員の集まりで、瑠璃と出会い、何となく彼女が気になり始める。図書委員の連絡を取る為に、瑠璃と連絡先の交換をしようとすると、瑠璃はスマホを上手く使えず、手書きで住所を直実に渡したのだった。

 

それから連絡があると、直実は瑠璃に手紙で伝え、瑠璃からは丁寧に手紙が帰ってくるようになる。直実は、彼女にどんどん惹かれていき、告白したいと思うようになるが、上手く伝えられる自信が無い。そんな時、直実の前にある人物が現れる。それは10年後のナオミだった。

 

 

ナオミが言うには、今、直実がいる世界は、過去の記憶データの中であり、ナオミは、そのデータの一部を書き換えたいが為に、このデータの中へ入ってきたらしい。とりあえずナオミは、直実に瑠璃と付合うまでのフォローをしてくれて、めでたく二人は付き合うようになるのだが、ナオミは、ある衝撃的な事を直実に伝える。

 

実は、付き合って直ぐの花火大会の日に、落雷により瑠璃が命を落としてしまうらしい。ナオミは、それを何とか止めたくて、この世界に来たのだった。過去のデータだけを書き換えても意味が無いのでは?というと、ナオミの世界は変えられないが、データの世界の記憶は変えることが出来るので、せめてこの世界の瑠璃には生きていて欲しいというのだった。

 

 

直実とナオミは、瑠璃の事故を防ぐために、瑠璃を花火大会へ行かせないようにしようとするが、どうしてもシステム内のセキュリティーシステムが起動し、瑠璃を無理にでも事故現場に移動させてしまおうとする。どこまで逃げても追ってくるセキュリティーだったが、何とか逃げ切ることが出来て、瑠璃を事故には合わせないことに成功する。データを改変することに成功したのだが、それでもセキュリティーたちは、システム内のバグとなる彼らを殺そうとして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、こういうシステム系に弱い方には、解り難かったのではないかなぁと思います。直実が無理やり、落雷事故に合うはずの瑠璃を生かそうとして、その場所に行かないように変えてしまうので、システム上、バグが出来てしまうという事なんです。なので、セキュリティーシステムは、何度も間違いを直そうとして、向かってくるんですよ。だから、狐面の人たちは、悪い事をしている訳ではなく、正しい事をしているんだけど、それなのに、あんなにされちゃって、可哀想でした。

 

 

内容的には、以前の映画「完全なる首長竜の日」に似ているかな。あれは、人の意識の中だったけど、今回は、システムの中という違いだけで、内容としては、同タイプだと思いました。もう一つ、小説リングシリーズの「ループ」が、これと同じような感じですね。主人公の男性が、システムの中にリングの世界を作って、その中に自分がアクセスしていくというお話でしたから。この2つの作品を観たり読んだりすると、この「HELLO WORLD」も解りやすいかもしれません。

 

主人公の直実は内気なのですが、何故か瑠璃と付合う事が出来てしまいます。それは現実社会から来たナオミの手助けがあってこそなのですが、これって、卵が先か鶏が先かって話にならないのかな?って思ってしまいました。ナオミがいなければ直実は瑠璃と上手く付き合う事が出来なかったはずだけど、では、ナオミの時は、誰が助けたのかっていう事でしょ。ここら辺がとても不思議でした。本来なら、ナオミは直実を助けたらダメなのよ。だって、自分は助けられてないんだから、その部分でも、システム上のデータにバグが出ると思うんだけどな。

 

 

これ、突き詰めていくと、どうしようもない事になりそうだから、これ以上言いませんが、SFとして成功させるなら、ツッコまれないような整合性必要なんです。そこら辺が、この映画はちょっと甘いかなと思いました。

 

キャラクターで、勘解由小路さんというクラスメートが出てくるのですが、アイドルのように可愛くて、何かと直実と瑠璃に関わってくるのですが、謎には何の関係も無いんですよねぇ。とても期待させるような動きをするのに、何だったんだろう。

 

ヤタガラスも、セキュリティーと戦う時に直実の武器となってくれるのですが、それも、詳しい解明は無いまま、放置されていて、残念だったな。わざわざ、普通のカラスじゃなく、八咫烏にしていたんだから、もっと使い道があったような気がするんだけど。

 

 

内容的には、ちょっと納得が出来ない部分もありましたが、システム内のデータ上の意識と、現実社会の意識と、という2つの世界を行き来して、ある人間を助けようというアイディアは面白いと思いました。ちょっと、萩尾望都先生の「A-A’」という漫画を思い出しました。内容は違うけど、同じ人間だけど意識は違うという部分が、何となく思い出されました。

 

声を松坂さん、北村さん、浜辺さんが演じていて、上手かったと思います。浜辺さんの瑠璃は独特な話し方をするキャラなので、ちょっと違和感がありましたが、松坂さんと北村さんは、良かったなぁ。全く違和感は無いし、気持ちよく聞くことが出来ました。

 

 

私は、この作品、お薦めしたいと思います。私は、大好きとは言えないけど、嫌いじゃない方です。でも、SF作品が好きな方でないと、このシステム内の意識の世界と現実世界の違いとか、諸々が理解しがたいのではないかなと思いました。でも、まぁ、楽しめるので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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