「人間失格 太宰治と3人の女たち」強烈な女性に囲まれて何度も人生を踏み外す彼を助けてあげたい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「人間失格 太宰治と3人の女たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

1964年、人気作家として活躍していた太宰治は、身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、自分の支持者である静子と関係を持ち、彼女がつけていた日記をもとに「斜陽」を生み出す。そんなある日、未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄と知り合った太宰は、彼女との関係にも溺れていく。酒と女に溺れる自堕落な生活を続ける太宰を、妻の美知子は忍耐強く支え、やがて彼女の言葉が太宰を「人間失格」執筆へと駆り立てていく。

というお話です。

 

 
天才作家、太宰治。身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、先日も自殺未遂をしてしまう。入水したのだが、その時になると女が他の男の名前を叫び、太宰はいきなり冷めてしまい、自分だけ助かってしまう。
 
その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。ある時太宰は、作家志望の静子からの手紙を読み、その文才に惚れこんで、彼女の住む伊豆まで会いに行く。彼女の日記を題材として「斜陽」を書いた太宰は、彼女と激しく愛し合い、愛人で良いと言う彼女に子供を望まれ、つい、その望みを叶えてしまい、静子は妊娠してしまう。「斜陽」は社会現象となり、大ベストセラーとなるのだが、段々と静子の望みは大きくなり、子供を認知し、「斜陽」にも自分の名前を入れて欲しいと言い始める。
 
 
そんな静子と同時に未亡人の富栄にも惹かれていき、しつこくなってきた静子から逃げて、彼女に救いを求めていく。富栄は、戦争から帰らなかった夫をもつ未亡人だった。美容師をしており、自立をした女性だ。富栄は情熱的であり、子供を産んだ静子に嫉妬し、自分も太宰の子供が欲しいと望むのだが、太宰は、段々と女たちが疎ましくなっていく。
 
そんな夫の帰りを待ち、彼の才能を信じる美知子は、酒とたばこと女に溺れる自堕落な日々を過ごしている夫を叱咤し、天才なのだから書けるはずと尻を叩く。しかし、既に太宰の身体は結核に犯されており、咳をしては血を吐いているような毎日だった。それでも自分にしか書けない「人間として失格した男」の物語を書こうと執筆にとりかかるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

太宰治の人生を明るく、楽しく描いていました。太宰というと、どよ~ん、という感じのイメージがあるのですが、小栗さんが演じる太宰は、あまり考えず、本能だけで行動するような人物に描かれていました。まぁ、実際に、何度も違う女性と自殺未遂を繰り返すような人なので、あまり考えてはいなかったのかなぁとは思います。

 

それにしても、沢尻さんが演じていた静子という役、もー、女の目から見ると、”ああー、こういう女、いるよねぇ~!”って感じで、同性から凄く嫌われるタイプですね。愛人でいいの~とか言いながら、何処までもしつこくて、食い下がってくる女。妻の天敵です。どーして、こんな女に引っかかるかなぁと思うのですが、男はこういう女が好きなんだろうなぁとも思うので、仕方ないのかな。私なんて、どうしても妻の立場で観てしまうから、許せんっ!て思ってしまうのよねぇ。

 

 

二階堂さんが演じている富栄ですが、こちらはちょっとストーカーっぽいと言うか、ドロドロしてそうな女でした。これも怖いよねぇ。静子に子供が出来たというと、自分も子供が欲しいと言って、太宰の上にノリまくるっていう、激しい一面も見せていて、うーん、女性としてちょっとハズかしいなって思ってしまいました。男女差を言いたい訳じゃないけど、さすがに下品かなって思いました。

 

 

太宰にくっついている女性は、強烈な人物ばかりで凄かったです。妻は、さぞ大変だっただろうなぁと思いました。宮沢さんが演じていた妻の美知子は、物静かでしっかりしていて、太宰を影ながら支えていました。彼女が一番、夫の本当の姿を知っていたのだろうと思います。だからこそ、あれ程遊びまわって、ボロボロになっていようとも、捨てずに助けていたのだと思います。私には無理だなぁ。絶対に殴りに行っていると思う。殴った後に、離婚ですよ。そりゃ、もう、離婚です。女のところを渡り歩いて、身体も壊し、お金も無いなんて、最悪でしょ。ムカつくわぁ。直ぐに捨てちゃいますよ。

 

でも、まぁ、太宰は、観ていたら可愛い部分もあるっちゃあるのよ。キザな言葉には、吐きそうになったけど、野良猫を可愛がるような感覚があるので、嫌いにはなれないんだろうなぁ。

 

 

そうそう、太宰の友達の坂口役の藤原さん、ピッタリでした。というか、私のイメージにピッタリでした。藤原さんは、太宰を演じても上手いだろうなぁと思ったんだけど、今回は坂口ですね。うん、こんな人だったんだろうなぁ。もう一人、若い頃の三島を高良さんが演じていて、こちらも私のイメージにピッタリでした。私の大好きな三島さんは、こんな感じだったんだろうなぁ。もう少し年を取ると、筋肉美を愛し始めるから、もう少しごっつくなるだろうけど、この頃は、細面でスラッとして美しい人ですよね。大好きです。

 

映像は、蜷川監督なので、美しくて色使いが華やかです。でも、ダイナーの時とは違って、雪の中に真っ白なシャクヤクを落としたり、真っ赤な彼岸花の中を散歩したりと、太宰の複雑な心情を色で表現していたりと、文学の中に生きる男という彼を描いていました。とても美しかったです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。映画としては、ちょっとブツブツ切れているような気がするけど、太宰という人間を描くという点では、何となく解かるなぁという気持ちがして、気に入りました。出演者も良い方ばかりなので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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