「人間失格 太宰治と3人の女たち」を観てきました。
ストーリーは、
1964年、人気作家として活躍していた太宰治は、身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、自分の支持者である静子と関係を持ち、彼女がつけていた日記をもとに「斜陽」を生み出す。そんなある日、未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄と知り合った太宰は、彼女との関係にも溺れていく。酒と女に溺れる自堕落な生活を続ける太宰を、妻の美知子は忍耐強く支え、やがて彼女の言葉が太宰を「人間失格」執筆へと駆り立てていく。
というお話です。
太宰治の人生を明るく、楽しく描いていました。太宰というと、どよ~ん、という感じのイメージがあるのですが、小栗さんが演じる太宰は、あまり考えず、本能だけで行動するような人物に描かれていました。まぁ、実際に、何度も違う女性と自殺未遂を繰り返すような人なので、あまり考えてはいなかったのかなぁとは思います。
それにしても、沢尻さんが演じていた静子という役、もー、女の目から見ると、”ああー、こういう女、いるよねぇ~!”って感じで、同性から凄く嫌われるタイプですね。愛人でいいの~とか言いながら、何処までもしつこくて、食い下がってくる女。妻の天敵です。どーして、こんな女に引っかかるかなぁと思うのですが、男はこういう女が好きなんだろうなぁとも思うので、仕方ないのかな。私なんて、どうしても妻の立場で観てしまうから、許せんっ!て思ってしまうのよねぇ。
二階堂さんが演じている富栄ですが、こちらはちょっとストーカーっぽいと言うか、ドロドロしてそうな女でした。これも怖いよねぇ。静子に子供が出来たというと、自分も子供が欲しいと言って、太宰の上にノリまくるっていう、激しい一面も見せていて、うーん、女性としてちょっとハズかしいなって思ってしまいました。男女差を言いたい訳じゃないけど、さすがに下品かなって思いました。
太宰にくっついている女性は、強烈な人物ばかりで凄かったです。妻は、さぞ大変だっただろうなぁと思いました。宮沢さんが演じていた妻の美知子は、物静かでしっかりしていて、太宰を影ながら支えていました。彼女が一番、夫の本当の姿を知っていたのだろうと思います。だからこそ、あれ程遊びまわって、ボロボロになっていようとも、捨てずに助けていたのだと思います。私には無理だなぁ。絶対に殴りに行っていると思う。殴った後に、離婚ですよ。そりゃ、もう、離婚です。女のところを渡り歩いて、身体も壊し、お金も無いなんて、最悪でしょ。ムカつくわぁ。直ぐに捨てちゃいますよ。
でも、まぁ、太宰は、観ていたら可愛い部分もあるっちゃあるのよ。キザな言葉には、吐きそうになったけど、野良猫を可愛がるような感覚があるので、嫌いにはなれないんだろうなぁ。
そうそう、太宰の友達の坂口役の藤原さん、ピッタリでした。というか、私のイメージにピッタリでした。藤原さんは、太宰を演じても上手いだろうなぁと思ったんだけど、今回は坂口ですね。うん、こんな人だったんだろうなぁ。もう一人、若い頃の三島を高良さんが演じていて、こちらも私のイメージにピッタリでした。私の大好きな三島さんは、こんな感じだったんだろうなぁ。もう少し年を取ると、筋肉美を愛し始めるから、もう少しごっつくなるだろうけど、この頃は、細面でスラッとして美しい人ですよね。大好きです。
映像は、蜷川監督なので、美しくて色使いが華やかです。でも、ダイナーの時とは違って、雪の中に真っ白なシャクヤクを落としたり、真っ赤な彼岸花の中を散歩したりと、太宰の複雑な心情を色で表現していたりと、文学の中に生きる男という彼を描いていました。とても美しかったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。映画としては、ちょっとブツブツ切れているような気がするけど、太宰という人間を描くという点では、何となく解かるなぁという気持ちがして、気に入りました。出演者も良い方ばかりなので、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
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