「記憶にございません!」を観てきました。
ストーリーは、
史上最悪の総理と呼ばれた総理大臣の黒田啓介は、演説中に一般市民の投げた石が頭にあたり、一切の記憶をなくしてしまう。国会議事堂の本会議室の場所、自分の息子の名前すらもわからなくなってしまい、悪徳政治家から善良なタダのおじさんに変貌してしまった。国政の混乱を避けるため、啓介が記憶を失ったことは国民には隠され、秘書官たちのサポートにより、日々の公務をこなしていく。あらゆるしがらみから解放され、政治と向き合うこととなった啓介は、本気でこの国を変えたいと思いはじめ…。
というお話です。
ベッドで目を覚ました男は、そこが何処なのか、自分は誰なのか、全く分からない。ふらふらと外に出て歩いていると、何故か、誰もが自分を見て写メを取ったり、不思議な顔をしている。自分に文句を言ってきた男に”僕は誰ですか?”と尋ねるも悪態をつかれてしまう。仕方なく、またふらふらと歩き始めると、何故か人が付いてくる。小走りに逃げると、突然に黒い車に囲まれ、拉致されてしまう。
総理官邸に連れていかれ、自分が総理大臣の黒田啓介だと聞いても、何も思い出せない。演説中、市民の投げた石が頭に当たり、記憶障害になってしまったらしい。若い頃の事は覚えていても、政治家になってからの事は、一切忘れてしまった。自分は総理大臣で、国民に凄く嫌われているらしい。以前の自分は、口汚いは、セクハラはするわ、汚職、献金、何でも来いって感じで、やりたい放題だったようだ。
総理大臣が記憶障害だなんて発表出来るはずもなく、啓介は、そのまま秘書官たちに操られるようにして、総理の仕事をこなしていくことになる。大臣の名前も顔も解らず、国会議事堂の会議場にも行けず、息子の名前も、妻との距離も忘れてしまい、妻からは気味悪がられてしまう。しかし、記憶が戻るまでは、何とか乗り切らなくてはならない。彼の記憶障害を知っているのは、秘書官3人のみ。
このままではと思い、啓介は中学校の頃の社会科の教師を呼び、一から政治の事を学び始める。三権分立から外交まで、色々な事を学び、今の政治が間違っていることに気が付き、段々と正して行こうとするのだが、今までの啓介が酷かったので既に裏工作や汚職案件が飛び交っていた。秘書の井坂に頼み込み、現在進んでいる第二国会議事堂の建設を止めさせ、献金も返すようにと話す。しかし、このような裏工作に関しては、鶴丸官房長官が関わっており、今の政府が壊れている現況は官房長官のせいだという事が判ってくる。
啓介は、政治を良くするために、鶴丸官房長官を辞めさせるために動き始める。敵も負けてはおらず、情報戦となっていく。元政治部のフリーライターを巻き込み、啓介は官房長官との戦いに勝つことが出来るのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ~!三谷監督の作品、面白かったです。でも、私、直ぐに、ラストのネタバレに気が付いてしまいました。それでも、面白かったですけどね。まぁ、こういう展開なら、こうなるよなぁという内容でしたが、解っていても、楽しくて、嬉しくなりました。おとぎ話よねぇ。
総理大臣が記憶障害になってしまったら、マジでどうなるんだろう。だって、本当に発表は出来ないですよね。国の政治が停滞してしまって経済に大きな影響が出ちゃうから、何とか隠して、安定するまでは持って行って次期総理を決めて、辞任したら、病気療養とかって事で休ませて、記憶を回復させるしかないでしょ。ただ、首を挿げ替えるって訳にはいかないのよね。日本経済がガタガタになって、円相場も恐ろしい事になっちゃうもん。難しいよなぁ。
この啓介さんはぼんやりしているから、秘書官3人がカバーして、家族にも、政界にも、バレないように進めていくんです。でも超ビビリで、記憶が無いにしても、あんなに横暴だった総理が、こんな風に変わるのかなぁって思っちゃいました。いくら何でも、学生の頃こんなにビビリだったなら、あの横暴な総理にはならないのではなかろうかとおもうのよねぇ。まぁ、仕方ないんだけど。
面白いのが、以前は家族の事なんて気にも留めなかったのに、突然に家族思いになるんです。妻は、既に夫とは会話も無かったらしく、秘書官と浮気をしているんです。息子も、酷い父親を軽蔑しているんです。それが突然に変わるので、妻は気持ち悪がって逃げるんです。解かるなぁと思いました。
この啓介の偉い所は、記憶が無いと解って、直ぐに勉強を始めたところです。何も解らないのでは対処も出来ないと思ったのか、基礎から勉強するという所が、見習わなくちゃと思いました。解らなかったら恥ずかしがらずに、最初から勉強しなおせば良いのよね。私も、日本の歴史と地理が苦手だから、小学生くらいからやり直そうかなぁ。特に日本の地理が分からないのよ。都道府県と県庁所在地くらい、知っていないとなぁ。いつも、この県って何処にある?って夫に聞いてるんです。
話を戻して、秘書官たちも良かったです。ディーンさん、冷たい表情で悪い奴かなって思ったらイイ人だったし、小池さんも素敵な女性だったし、この総理、結構、周りの人物に恵まれているんじゃないかって思いました。敵も多いみたいだったけど、でも、味方もちゃんといるのよ。でも、味方になってくれたのは、啓介が記憶を無くしたからかもしれません。イイ人になっちゃったからね。
妻の兄役でローリーさんが出演してらっしゃいました。舞台でも上手い方なので、今回の役も、真面目な顔をして良かったです。何でも出来る方なんですね。もう一人、アメリカ大統領役で木村さんが出演されていました。日系アメリカ人という役で、英語もべらべらなのですが、上手かったです。本当に彼女は面白いですよねぇ。以前、ハリウッド映画「ブラインドネス」という映画でジュリアン・ムーアとマーク・ラファロと共演していて、その時にも英語ベラベラで、演技も上手かったんです。今、頑張っていて素敵ですね。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。本当に面白かったです。素直に楽しめました。ま、ちょっとラストは読めてしまうけど、でも、ちゃんとした着地点に降りるので、安心して観ていられます。三谷監督の作品、面白いなぁ。舞台も良かったけど、映画も最高でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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