「命みじかし、恋せよ乙女」樹木さんの出演作と言いながら出演は後半のほんの少しだけです。残念です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「命みじかし、恋せよ乙女」を観てきました。

 

ストーリーは、

ミュンヘンに暮らすカールは、酒に溺れて仕事を失い、妻は子を連れて家を出てしまう。孤独に苦しむ彼のもとに、ある日、ユウという日本人女性が訪れてくる。ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父ルディと親交があり、ルディの墓と生前の家を見に来たのだという。最初はしぶしぶユウに付き合っていたカールだったが、次第に彼女に惹かれていき、今度はユウの祖母に会うため日本へ向かうが・・・。

というお話です。

 

 

ドイツ、ミュンヘン。カールは、幼い娘の誕生日パーティに、招待されていないのに押し掛ける。それも酒に酔った泥酔状態で現れ、妻に「正気?」と追い返されてしまう。仕事も家族も、生きる希望さえも失ったカールが、泥酔の底で「助けて」とつぶやいた翌日、ユウという名の若い日本人女性が訪ねてくる。

 

カールの亡き父・ルディと親交があったユウは、ルディが生前に暮らしていた家を見たいという。良く知らないユウという女性を連れて、郊外にある今は空き家となった実家へと向かうカール。父の墓の目の前で手を合わせて涙を流しながら「彼は私に優しかった」と話すユウは、ちょっと変わっているように見えた。

 

 

実家に入りたいと言うので、カールは鍵を開けて、実家の中へ何年かぶりで入ることになる。良い思い出も悪い記憶も蘇り、カールは両親の幻影と共に数日間を過ごすことになる。ある晴れた日、ユウの希望で観光名所のノイシュヴァンシュタイン城へ出かけたカールは、土産物売り場で働く義姉に会う。彼女から甥っ子で高校生のロベルトが引きこもりになったと聞き、驚くカール。兄のクラウスが極右政党に入党したことが原因だった。心配のあまり、兄の家へ立ち寄ったカールは、兄と大げんかになってしまう。

 

 

兄クラウスと姉カロとカールの3兄弟は、子供の頃から仲良くなかった。末っ子のカールは母親に溺愛されていて兄と姉が嫉妬したのだった。母が亡くなり、父が亡くなった時には相続でもめて、以来、疎遠になっていた。ルドルフの出来事があってから、カールは過去とも家族とも向き合い始め、両親の期待に応えられなかった不甲斐なさや、親の死に目に会えなかった後悔、家族との縁を切っていた不義理、そして本当の自分をさらけ出すことが出来なかった過去を考え始める。そんなカールにユウは「あなたは今のままでいいの。」とささやき続ける。

 

ずっと止まっていた時間が動き出し、カールは新しい人生を見つけようと思うが、突然にユウがカールの目の前から消えてしまう。カールはユウを見つける為、彼女の故郷である日本を訪ねることにする。神奈川県茅ヶ崎海岸へ着いたカールは、ユウを探し続け、目の前に現れたユウを追って、ある旅館にたどり着く。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、樹木希林さんの最後の映画という事で話題になっているのですが、樹木さんが出てくるのは、最後の方の少しだけです。主人公のカールが訪ねる旅館の女将役ですが、彼女が一体誰なのかは、映画で確認してください。

 

確かに、樹木さんの演技は素晴らしいものですが、その場面にたどり着くまでの長い間、カールの過去を延々と観させられます。カールは家族間での確執を子供の頃から抱えていて、それは母親が末っ子のカールを溺愛していた事が原因らしいんです。そして、彼が子供の頃に母親は亡くなってしまったので、その死に方なども良く覚えていないんです。兄も姉も、そんなカールに嫉妬していて、長い間、彼に辛く当たっていました。

 

 

そして、段々とカールの母親の死が明らかになり、大好きな母を亡くしたトラウマが彼の中に大きく残っている事に気が付きます。そんなカールを温かく見守るユウも、実は最愛の母親を亡くしていて、寂しい気持ちを抱えてきたという共通の出来事があるんです。

 

カールの過去について、段々と詳しいことが判ってくるのですが、ユウという女性は、ルディ(カールの父)が日本にいた時に、仲良くなり一緒に行動をしていたらしいんです。そしてルディが亡くなり、ユウも悲しんでいたのですが、カールを含めた子供たちは、ユウからルディの何もかもを取り上げて、放り出したらしいんです。それを兄、姉、カールは、酷いことをしてしまったと後悔しているようでした。

 

 

ユウという女性ですが、どう見てもおかしい感じで、ちょっと貞子っぽくて恐いんです。でね、途中でカールが一緒に歩いていると、売店のオジさんがカールに”それ悪霊だから。”って伝えるんです。でも、全然、普通に見えるので、何言ってるんだろうって感じなのですが、後々、その意味が判ってきます。

 

こんなカールの過去・現在が描かれ、凄く長いので、ちょっと飽きるなぁと思っていると、やっと樹木さんが登場となります。確かにこの役は、樹木さんが演じられることで説得力も出て来て、良いとりまとめになると思いましたが、本当はもっと樹木さんが観たかったな。でも、この撮影時点で、ガンは末期になっていたようで、あまり無理な撮影は出来なかったのかもしれません。

 

 

内容的に、凄いツッコミどころが多すぎて、理解が出来てない部分も沢山あるのですが、とりあえず、ルディとユウの関係性だけでも、詳しく教えて欲しかったなぁ。一緒に居たというだけなのか、他に何があったのか。どうしてユウはそんなにルディに執着するのか。そこら辺が詳しく解らないので、何とも不思議な映画に見えてしまいました。

 

オープニングに日本の怪談の絵が沢山出てくるので、それで、ある程度の予想は付いたのですが、それでもちょっと説明が欲しかったな。だって、途中で日本の”なまはげ”みたいな集団が出て来て、カールを襲ったり、不思議な展開が多かったなぁ。

 

 

私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかしら。ハッキリ言って、単館系映画で、万人が面白いという映画ではありませんが、ハマると楽しく観れると思います。樹木さんの最後の姿としては、素晴らしい作品だと思いますが、映画として観るには、ちょっと説明が足りなさすぎるかなと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

命みじかし、恋せよ乙女|映画情報のぴあ映画生活