「メランコリック」こんなに面白い作品もっと早くに教えて欲しかった!最高に楽しみました! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「メランコリック」を観てきました。

 

ストーリーは、

名門大学を卒業後、アルバイトを転々とし、うだつの上がらない生活を送っていた和彦。ある日、偶然訪れた銭湯で高校時代の同級生・百合と再会した彼は、そこで一緒に働かせてもらうことに。やがて和彦は、その銭湯が閉店後の深夜に浴場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。さらに、同僚の松本が殺し屋であることが明らかになり・・・。

というお話です。

 

 

ビルの清掃アルバイトをしている鍋岡和彦。東京大学を卒業後、どこにも就職せず、アルバイトを転々としていた。実家住まいで、優しい両親と共に暮らしている。ある日、母親がお風呂の湯を抜いてしまい、近くの銭湯に入りに行くことにする。そこで、高校時代の同級生・副島さんに再会し、声をかけられる。驚いた和彦だが、彼女は時々、この銭湯に通っているらしく、同窓会でまた会おうと言われます。

 

同窓会など行く気が無かった和彦ですが行く事にし、副島さんに再会して、話がはずみます。今はアルバイトをぼちぼちしているという話をする和彦に、出会った銭湯でアルバイト募集をしているから、あそこに行ってみたらと言われ、つい、副島さんに再会出来るかもという期待もあり、後日、松の湯という銭湯にアルバイトの面接に行く事にします。

 

 

松の湯でアルバイトとして働き始めた和彦は、一緒に面接で受かった松本と一緒に、番台に座り、お風呂を掃除し、風呂釜を見てという仕事を思ったよりも楽しくやっていた。その上、副島さんとも松の湯で再会出来て、とても充実した日々を送っていた。ある日、閉店した後の松の湯に電気が点いている事に気が付き、何だろうと思い、裏から入って覗いてみると、銭湯に死体が転がっており、店主の東とアルバイトの先輩の小寺がいた。驚いた和彦は音を立ててしまい、東と小寺に見つかってしまう。そして、東に夜のアルバイトも頼まれることになる。

 

 

松の湯は、店主の東がヤクザの田中に借金があり、その借金の代わりに、田中が始末をしろという人間をここで殺しているらしい。小寺が殺し屋として動いているらしかった。夜のバイトも松本と一緒にやることになり、自分より先に夜のバイトをしていた松本に嫉妬する和彦だったが、段々と松本がイイ奴だという事を知っていく。そしてある日、田中に頼まれた仕事で、小寺が殺されてしまう。一緒に行った松本は無事に帰ってきたが、今度は、松本が殺し屋として働くことになってしまう。

 

松本は、裏の仕事ではなく風呂屋が好きでバイトに来たのに、裏の仕事をやることになり、やりたくないと思っていた。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、超!面白かったなぁ。本当に良く出来ていました。私は、同じ賞を貰った”カメ止め”よりも好きです。だって、後付けで”実は”というストーリーって、とてもズルい作りでしょ。この作品は、ストレートで描きながらも、和彦という人物の成長をとても良く描いているんです。だけど、一人の人物の成長だけじゃなくて、そこに沢山のエンターテインメントを盛り込んでいる。それがいやらしくなくて上手いんですよ。これ、もっと宣伝して欲しかったなぁ。昨年の東京国際映画祭の日本スプラッシュ部門作品なのですが、あれから時間があったのだから、もっと宣伝してくれれば良かったのに。上映館が少なくて、私も少し遠出をして観に行ったのですが、これは、わざわざ観に行った甲斐がありました。

 

この主人公の和彦は、東大を卒業しているのに、就職していないんです。ちょっとウツ病っぽかったのかもしれませんが、東大に行ったからって、別に一流企業に就職しなければならない訳じゃないし、何となく和彦は、勉強をしてきて、東大に入ったけど、それが何だったんだろうって考えたのかなと思いました。勉強が好きな訳じゃなく、ただ、目の前にあったからやっていただけで、大学を出たら今度は与えられる事は無くなり、自分が動かなければならなくなり、道を見失っちゃったのかなと思いました。

 

 

そんな彼が、一般的に言う一流の職場ではなく、銭湯で自分を見出していく姿は圧巻でした。まるで子供の様に、同僚の松本に嫉妬したりしているのに、ある時から彼を本当の友達として救け、手伝い始めるんです。そして、元々、和彦は頭が良いので、ちゃんと解決に導くんです。その成長が、本当に楽しかった。主演の皆川さん、プロデューサーも兼ねているのですが、演技が良かったなぁ。表情やちょっとした仕草で、その気持ちの変化を表現していて、映像もその表現などの拾い方が上手いんです。

 

町の小さな銭湯で、まさかそんな凄い事が行われているとは誰も思わないのに、そこでは凄いことが行われていて、そこに関わる人々の心にはドロドロしたものと、普通に生きたいという渇望があって、その上、和彦という人物は、恋愛までそこでしてしまう。もう、盛沢山でしょ。でも、マジで綺麗にまとまっているんです。こんなに沢山の事が盛り込んであるのに、最後にストンと結末に辿り着いて、それに全く違和感が無いところが、素晴らしいと思いました。久々に、本当に次はなに?次はなに?って思いながら前のめりで観るような映画でした。

 

 

コメディ要素もたくさん入っていて、頼まれた人間を殺して、風呂場を掃除するんですけど、普通ならイヤじゃないですか。でもね、全然、平然と掃除をして、次の日は銭湯を開店するんです。なんか、笑えるでしょ。死体も、きっと窯で焼いて始末しているのかなと思ったんだけど、普通なら臭くてわかっちゃうんだけどねぇ。園子温監督の「冷たい熱帯魚」では、しょうゆをかけて焼けば臭いが気にならないって言ってたんだけど、どうなのかしら。そこら辺が、ホラーっぽい感じもありながら、コメディ要素もあり、最初は怖いと思っているのが、段々と笑いに変わって行くんです。そこも面白かったです。

 

和彦の家族とのシーンなどは、ワザとワザとらしく作っているような気がしました。そうすることで、そこに笑いが出てくるんです。最初は演技が下手なのかと思ったけど、そうじゃなくて、そこが笑いであり、ちょっと日常のホラーなんです。何を考えているか解らない家族だけど、ひっくり返せば何も考えていない。ただの日常なんです。そこも良かった。

 

 

もひとつ、主演の和彦を演じている皆川さん、最初はドン臭そうに見えるんだけど、寝る時にメガネを取るとイケメンなんですよ。私、えっ?て二度見をしてしまいました。イケメンを隠してます。(笑)松本役の磯崎さんは、可愛く見えてアクションが凄いです。武道もやっていたそうで、彼のアクションはカッコ良かったです。

 

この映画、思い出しながら書いていると、また観たくなっちゃうのよ。本当に面白いの。もっと書きたいくらいだけど、ここら辺にしておきますね。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。この映画、ほとんど宣伝が無いから、本当に勿体無いと思いました。面白いです。これは、観るべき作品だと思います。上映館が少ないのが、とても残念なのですが、もっと、色々な映画館で上映してくれないかなぁ。もし、お近くの映画館でやっているようなら、ぜひ、観るべき作品だと思います。私は、マジでお薦めですよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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