「ガーンジー島の読書会の秘密」自然が残った美しい島で何があったのか。読書会で主人公が知った事は? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ガーンジー島の読書会の秘密」を観てきました。Fan's Voice(@fansvoicejp)さんの独占試写会に参加させていただきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦中、イギリスで唯一ナチスドイツに占領されたチャンネル諸島の1つであるガーンジー島。そこに暮らす人々の支えとなっていたのが、島での読書会とその創設者であるエリザベスという女性の存在だった。人と人の心を本がつないだ事実に強く興味を抱いた作家のジュリエットは、読書会に関する記事を書こうと島を訪ねるが、島にはエリザベスの姿はなかった。読書会のメンバーと交流をしていく中で、ジュリエットは彼らが重大な秘密を隠していることに気づいてしまう。

というお話です。

 

 
1946年、終戦の喜びに沸くロンドンで暮らす作家のジュリエットは、”僕はドーシー・アダムス。ガーンジー島の住人です。”という書き出しの
手紙を受け取る。彼女がかつて古書店に売ったチャールズ・ラムの随筆集をてにしたドーシーが、そこに書かれていたジュリエットの住所に送ったのだった。手紙には、第二次世界大戦後にナチの占領から解放されたが、島の本屋は復活せず、ロンドンの書店の住所を教えて欲しいという事だった。欲しい本を注文するためらしい。
 
その手紙をきっかけに、ジュリエットはドーシーと手紙のやり取りを始める。すると、ドーシーの手紙に「読書とポテトピールパイの会」に所属しており、その会は「ドイツ軍から豚肉を隠すために誕生した。」という事だった。その事に興味をそそられたジュリエットは、彼が欲しがっていたシェイクスピアの本を進呈するので、読書会について教えて欲しいと頼み込む。
 
 
そして彼から聞いた読書会発足の事情を聴き、ぜひ、読書会の方々に会ってみたいと手紙を書き、ガーンジー島を訪ねることにする。ジュリエットは、担当編集者より次の作品を書くように勧められており、読書会の事を書いてみたいと思ったのだった。実はジュリエットは、アメリカ人の軍関係者からプロポーズされ婚約中だった。幸せの絶頂期だったのだが、次の作品の為にはどうしても取材に行きたいと想い、一人、島へと旅立ったのだった。
 
しかし島を訪ねてみると、そこにエリザベスの姿はなく、彼女の行方を聞いても誰も答えてくれない。ジュリエットが読書会の事を”タイムズ”に書きたいと読書会の人々に話すと、「それはお断り」とはねつけられてしまう。そしてジュリエットは、彼らが重大な秘密を隠していることに気が付き、エリザベスが不在の理由にたどり着くのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

この映画は、凄く感動的な作品なのですが、特に本が好きな方にはたまらないような部分が幾つもありました。最初に、主人公のジュリエットとガーンジー島のドーシーが知り合うのが、古本が周りまわって、ドーシーの手に渡り、その本にジュリエットの住所が書かれていたからという事から始まります。その古本が、チャールズ・ラムの随筆集なんです。

 

私、この映画で聞くまで、チャールズ・ラムという作家さんを知りませんでした。調べてみると、彼の「エリア随筆」は随筆の傑作だと言われているらしいんです。私は、本が好きと言いながら、本当に知らないことが多くて、いつも映画に教えられています。この作家の本も、これをきっかけに読んでみようと思っています。

 

 

でね、古本を売って、その本に住所を書いているって、恐くないですか?時代が戦後の頃なので、今とは違うかもしれませんが、どんな人間がその本を手にするか分からないのだから、何か悪いことに使われたら恐いですよね。映画で最初観た時は、ちょっとロマンチックかなと思ったけど、後から考えると、超恐いわって思っちゃいました。

 

そこからジュリエットの旅が始まるのですが、読書会の主催者・エリザベスがたどった人生は、ちょっと驚くような展開でした。凄く悲劇的なものかと思ったけど、そこには愛があったし、エリザベスという女性は、自分の思う通りに行動して、それに悔いは無かったと思います。だから、戦争が終わって彼女が帰ってこれるのを、読書会の人々はいつまでも待っているのだと思います。

 

 

この舞台のガーンジー島ですが、本当に美しい島で、あまり観光地化されていないのかしら。自然が沢山残っているんです。この映画で有名になっちゃうんじゃないかしら。本当に、誰もが行きたくなるような島だと思いました。こんな島で、ゆっくり読書が出来たら、本当に心が洗われるだろうって思いました。ああー、こんな島でゆっくりしたいわぁ。ストレスなんて、一気に無くなりそうですもん。

 

エリザベスの人生も衝撃ですが、作家のジュリエットも、戦争で大切な家族を亡くし、それがトラウマとなっています。作品を書くことで、少しづつ自分を回復しているのですが、彼女もまた、戦争で傷つき、まだ心が彷徨っている感じなんです。そんな彼女の心を、このガーンジー島が癒してくれて、自分が歩く道を見つけていきます。戦争は沢山のものを壊したけど、人間は決して負けたままではないのだという強さも、この映画から感じました。とっても気持ちよくなりました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は好きな映画でした。ジュリエットという女性が、最初は、記事を書く為の素材として読書会を見ているのに、段々と自分の人生と重なっていくところが、私は感動しました。それに本が好きという雰囲気が映画にも表現されていて、良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

P.S : 試写会の後に、”Books and Modern”という乃木坂の本屋さんの代表の方がいらして、色々な本の紹介をしてくださいました。チャールズ・ラム「エリア随筆」、ヨシフ・ブロツキイ「私人」、など、ちょっと難しそうな本を教えてくださいましたが、高野文子さんの「黄色い本」という漫画も紹介してくださって、これなら直ぐに読んでみようかなと思いました。難しい本は、ちょっと勇気がいりますからね。でも、とても為になって、楽しいお話でした。

 

 

ガーンジー島の読書会の秘密|映画情報のぴあ映画生活

 

 

 

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