「おしえて!ドクター・ルース」素敵なおばあちゃんのパワフルな生き方は女性に力を与えてくれます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「おしえて!ドクター・ルース」の試写会に行ってきました。Fan's Voice(@fansvoicejp)さんの独占試写会でした。

 

ドキュメンタリー映画なので、内容は、

 

1981年、ニューヨークのラジオ局で放送開始されたトーク番組で誰にも相談できない性の悩みを明快に解決するドクター・ルースのチャーミングなキャラクターはたちまち評判を呼び、84年にスタートした全国ネットのテレビ番組は一大ブームを巻き起こした。性の話題はまだタブーだった時代に、彼女は人びとのエイズへの偏見をなくすために立ち上がり、中絶問題では女性の権利向上をバックアップし、LGBTQの人びとに寄り添いつづけてきた。

 

 

彼女は、ドイツで生まれ、幼い頃に家族をホロコーストで失い、終戦後はパレスチナでスナイパーとして活動した。ダヴィド・バルハイムと最初の結婚をし、夫と共にパリへ移り住み、大学へ行き始めるが、夫がイスラエルへ帰るというので、離婚して貰い、自分は大学で勉強を続ける。その後、ダン・ボマーと2度目の結婚をし、娘を儲けるが離婚。娘を抱えてメイドの仕事をしながら育て、スキーで出会ったフレッドと3度目の結婚をする。

 

ドラマチックな経歴を持ちながら、いつの時代も自分らしく生き、常に笑顔で前を向いて生きてきた彼女のドラマチックな人生に迫っていく。

 

というお話です。

 

 

ニューヨークに住む、パワフルなおばあちゃんのドキュメンタリーです。彼女の経歴は凄い内容で、そんな過去を背負いながらも、明るく元気に働いているドクター・ルースは、本当に沢山の人に元気を与えてくれます。彼女がラジオのセックスお悩み相談を引き受けて、大人気になった時には、既に彼女は52歳を超えていたんです。誰も、そんな番組をやりたくないと辞退した仕事で、その頃にセックス・セラピストのヘレン・シンガー・カプランのもとで学び終わり、やっと開業をしたルースは、その仕事を引き受け、沢山の人のセックスの悩みを聞くようになったんです。

 

第二次世界大戦で大変な思いをして、イスラエルへ渡った後も内戦で振り回されて、その後、奨学金などを受けてソルボンヌ大学で心理学を学び、ニューヨークへ渡って、今度はコロンビア大学大学院へ進んで、42歳の時に”堕胎が違法だった時代の避妊と中絶と家族計画”について博士論文を書いてドクターとなりました。凄いでしょ。40代から大学院へ行きなおしているんですもん。いやぁ、頭が下がります。

 

 

まだまだ、男性上位の時代に、一人で勉強をして、その信用を勝ち得て行ったんです。セックス・セラピストって、日本ではあまり聞かない仕事ですけど、あるのかしら。でもね、セックスの問題って、本当は誰もが誰かに相談したい事ですよね。私は、結構、平気で友達と話しちゃうけど、夫は私が開けっぴろげなのを嫌がります。なので、こっそり友達と話しているんだけどね。どちらかと言うと、男性の方が相談しにくいんじゃないかなぁ。

 

思うんだけど、男性のセックス相談を受けてくれる男性の先生が沢山いて、気軽に相談が出来るようになれば、もっと女性は快感を得られるようになると思うんだけど、どうかしら。どっちかというと、女性の方が受け身が多いだろうから、男性が勉強してくれると助かるなぁ。女性って、結構、色々勉強して知っていても、ベッドでこうして欲しいとか、言いにくいのよね。女性がリードを取って喜んでくれる男性なら良いんだけど、自身を無くして萎えちゃう人もいるから、微妙なのよねぇ。もっと気軽に相談出来るシステムがあると良いなぁと思いました。

 

 

このドキュメンタリーを観て、私、凄く勇気を貰いました。実は私、小さな会社を経営していまして、今、ちょっと大きな仕事を引き受けて頑張っている最中なのですが、下請けに頼んだ会社の女性が私に、「建築業界はまだまだ男性優位だから、女性が社長で前に出るとあまり信用されない。ご主人に社長になってもらう方が良い。」と言うんです。私も、建築業界がまだ女性に冷たいのも解っているので、ちょっと自信を無くして、主人に社長になって貰おうかなぁと考えていたんです。

 

でもね、この映画で、ドクター・ルースが、凄く自由に仕事を頑張っていて、何があっても自分の考えを曲げず、ご主人はそれを尊重して後押ししてくれている姿を見て、やっぱり私も自分で頑張ろうという気持ちになりました。ドクター・ルースみたいにはなれないと思うけど、彼女を追って行くことは出来るかもしれません。ありがたいことに、私の夫も、ドクター・ルースのご主人のように、後押しを嫌と思わない人なので、助けてくれると言ってくれました。もう少し、自分で頑張ってみようと思います。

 

 

そうそう、ドクター・ルースって、凄くかわいいおばあちゃんで、とっても小っちゃくて、上品そうに見えるんだけど、突然、相談者に”ペ〇ス”って言いなさい、と言ったり、”ヴ〇ギナ”って連呼しなさいとか言うんです。そうやって、恥ずかしさを無くさせているんだと思うけど、もう、相談者の方も笑っちゃって、楽しく相談をしていました。

 

 

彼女は、楽しい気持ちの良いセックスを推奨する反面、意志に反したセックスにより妊娠した女性が妊娠中絶が違法な時代に苦しんでいるのを見て、中絶を合法とするべきだという運動をし、1973年に中絶の自由化が決まりました。しかし、2019年にアラバマ州で中絶を認めない法律が可決し、また戦わなくてはいけなくなっているそうです。簡単に中絶はするべきじゃないけど、強姦などでも中絶は出来ないというのはおかしいと思います。それは戦わなくちゃね。

 

今年、92歳になるドクター・ルースは、今も現役で、仕事をしています。しっかりしていて、頭のキレも良い。こんな風に年を取れたら良いなぁと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画なので、あまり一般的ではありませんが、ぜひ観て欲しいなぁ。特に、女性に観て貰って、何歳になっても新しい事は出来るんだという事を知って欲しいです。見た目だけを気にして男性に依存して生きるのではなく、自分の足で立って前に進む女性となるべく、この映画を観て欲しいです。40代から勉強し、50代で仕事を始めた彼女を見習ってください。子供を言い訳にしないで、自分を大切にしてください。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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