「ドッグマン」虐める方も虐められる方にも問題があることが良く描かれていると思いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ドッグマン」の試写会に行ってきました。Fan's Voice(@fansvoicejp)さんの独占試写会でした。

 

ストーリーは、

イタリアのさびれた海辺の町。娘と犬を愛する温厚で小心者の男マルチェロは、「ドッグマン」という犬のトリミングサロンを経営している。気のおけない仲間たちと食事やサッカーを楽しむマルチェロだったが、その一方で暴力的な友人シモーネに利用され、従属的な関係から抜け出せずにいた。そんなある日、シモーネから持ちかけられた儲け話を断りきれず片棒を担ぐ羽目になったマルチェロは、その代償として仲間たちの信用とサロンの顧客を失ってしまう。娘とも自由に会えなくなったマルチェロは、平穏だった日常を取り戻すべくある行動に出る。

というお話です。

 

 

イタリアの海辺の町に住むマルチェロ。彼は、「ドッグマン」という名前の犬のトリミングサロンを経営しているが、裏でコカインの売人をしていた。店は質素だが、犬を愛するマルチェロには満足のいく仕事場だったし、別れた妻の所にいる愛する娘も、この場所にはよく来ていた。地元の仲間とも良い関係であり、食事やサッカーを一緒に楽しんでいた。少し猫背で気の弱いマルチェロは、目立たないように暮らしていた。

 

ただ一つ、周りの人間はマルチェロの理解出来ない部分があった。何故かマルチェロは、町の厄介者であるシモーネと仲が良い。仲が良いと言っても、シモーネが一方的にマルチェロを都合の良い使用人くらいにしか思っていないようだった。マルチェロはいつも利用され、空き巣をする為の運転手として使われたり、コカインを渡しても金を払ってもらえなかったりと被害ばかりだった。

 

思い通りにならないと暴れるシモーネの行動は、仲間内でも問題になり、誰かに殺してもらおうなどという恐い話さえ出ていた。そして数日後、シモーネは何者かに銃で撃たれ、たまたま一緒に居たマルチェロは、シモーネを運んで、手当をさせられるのだった。

 

ある日、シモーネが店にやってきて、隣の店へ強盗に入ろうと持ち掛ける。隣の店は”金”の取り扱い店で、店主のフランコは友達だった。マルチェロは断るが、シモーネに締め上げられ鍵を取られてしまう。シモーネの力ならマルチェロなど簡単に殺せてしまうと解っているので、従うしかなかった。

 

翌朝、マルチェロが店に行くと警官の姿があり、隣の店が強盗にあっていた。マルチェロの店から侵入したことが判っており、マルチェロは警察に連行されるが、警察もマルチェロの仕業ではなく、犯人はシモーネだと解っているのだが証拠がない。マルチェロが、シモーネの仕業だという証言をする書類に署名をすれば、マルチェロには罪が無いとして執行猶予になるのだが、何故か、マルチェロは署名を拒否し、有罪になって、刑務所に入れられてしまう。1年後、服役を終えたマルチェロが町へ帰ってくると・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、イタリア映画祭で上映されたのですが、どうしても上映日に予定が合わず、公開を待っていたんです。やっと試写会で観ることが出来ました。やはり、期待通り、凄い映画でした。この事件は、1988年

実際にローマで起きた事件に着想を得て作られているのですが、マッテオ・ガローネ監督の手により、何処で同じことが起きてもおかしくない事件というように見えるように作られていました。恐ろしい映画です。

 

いじめっ子といじめられっ子の構造を、とても良く表現していて、それが助長されていくとどうなってしまうのかという事が描かれています。主人公のマルチェロは、とても弱い存在で、良く言う”いじめられっ子”です。そしてシモーネはいじめっ子です。それが子供ではなく、大人の世界で繰り広げられるので、とても残酷なんです。マルチェロは、いつまで経ってもいじめられるまま、我慢してやり過ごそうとしてしまいます。シモーネはいつまでも自分に反抗せず言う事を聞くマルチェロを利用しますが、反抗しない姿にイライラもし、それが虐めを助長してしまっていたのだと思います。

 

もちろん、虐める人間が悪いのですが、やっぱり虐められる方にも問題があるという事が描かれているような気がしました。相手が悪い事をしているなら、やっぱり拒否をするべきなんです。どちらにしろ暴力を振るわれるんだから、それなら拒否すべきでしょ。それに周りに仲間がいるのだし、警察に相談だって出来たんだから、もっと早くに手を打つべきだったんです。

 

いじめっ子というのは、ドラマで描かれるような頭の良い子ではなく、大体が頭の悪い偏った人間です。発散する場所を探して、いじめる相手を見つけるんです。だから、頭が悪い事を教えてやり糾弾してやるか、または、証拠を手に入れて公にすることが一番なんです。このマルチェロも、早い段階でシモーネに反抗するか、他の住民に協力してもらい、シモーネと関係を切るべきだったんです。それを、ズルズルと我慢して、犬のように、いつかは手懐けられるなんて思っていたから、大変なことになったんです。

 

虐めは社会問題となっていて、学校だけではなく、政治家が秘書を虐めたり、企業の上司が部下を虐めたりと、色々、起きていますね。録音したり動画を撮ったりして反撃出来るようになってきて、本当に良い時代になりました。虐める方は、それが虐めだと思ってないんだから、解からせてやらないとね。ハラスメントをする奴は、頭が悪いんです。上に立つ資格なんて無い奴ですから、ちゃんと反撃して潰してくださいね。

 

 

この虐める方と虐められる方のパワーバランスを、この映画で色々な方に良く見て欲しいと思いました。そしてもし、自分が誰かを虐めてしまっているかもしれないと思う方がいたなら、この映画を観て、自分が反対の立場になるかもしれないという事に気が付いて欲しい。少しの嫌がらせならまだしも、虐めをしてしまったら、倍以上になって戻ってくるかもしれません。

 

そして、虐められている方がいらしたら、早めに対処してください。学校なら録音録画をして、学校に訴えても潰されるので、教育委員会に訴えると同時にマスコミとSNSで拡散するのが一番かしら。絶対にやられっぱなしにはしないでください。あのね、虐められるのは恥ずかしい事じゃないんですよ。たまたま、相手より自分が秀でていたから、目障りだと思われて虐められているだけ。虐める方が頭が悪くて、低い人間なんです。絶対に虐められたからって、自分が悪いとか思わないでください。

 

話を映画に戻しましょ。マルチェロは、どんな犬でも手懐けて、大人しくさせて、トリミングが出来るようなプロなんです。それが人間にも通用すると思っている。話し合えば、いつか上手く行くようになるなんて甘い事を考えてるんだと思うんです。アホですね。話し合いで何とかなる人間なんて、半分にも満たないと思います。20%くらいかな。後は、闘うんです。暴力じゃないですよ。戦略を練って冷戦です。話し合いでは解決はしません。解決しなかったマルチェロとシモーネがどうなって行くのか、映画を観てくださいね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。恐い映画だけど、凄い考えさせられて、ショッキングな内容でした。沢山の人に観て欲しいと思います。そして考えて欲しい。虐められる方にも問題があるのだという事を。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ドッグマン|映画情報のぴあ映画生活

 

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