「存在のない子供たち」こんな現実があるのなら親なんて必要無い。子供だけの生活を送らせて欲しい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「存在のない子供たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

中東の貧民窟で暮らす12歳のゼインは、貧しい両親が出生届を提出していないため、IDを持っていない。ある日、ゼインが仲良くしていた妹が、知り合いの年上の男性と強制的に結婚させられてしまい、それに反発したゼインは家を飛び出す。仕事を探そうとしたがIDを持っていないため職に就くことができない彼は、沿岸部のある町でエチオピア移民の女性と知り合い、彼女の赤ん坊を世話しながら一緒に暮らすことになる。しかしその後、再び家に戻ったゼインは、強制結婚させられた妹が亡くなったことを知り・・・。

というお話です。

 

 
わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だった。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答える。

中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。学校へ通うことも許されず、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に劣悪な労働を強いられていた。時には、嘘の処方箋を持たされ、薬局へ行き鎮痛剤を購入し持って帰ると、母親は薬を粉にして水に溶かし、その水に衣類を浸し乾かす。その衣類を刑務所にいる夫に差し入れて、夫は、その衣類を水に浸して薬物を抽出し、刑務所内で販売するという商売をしていた。
 

 
そんな犯罪の片棒を担がされていたゼインだったが、一つ年下の妹のサハルを可愛がっていた。しかし、美しいサハルに目を付けた大家のアサードは、サハルがまだ11歳であるにも関わらず両親に結婚の話をしていた。そして、サハルに初潮が来た事を機に、両親はサハルを妻としてアサードに売り渡してしまう。
 
怒りと悲しみから家を飛び出したゼインだったが、行く場所は無く、バスで知り合った老人と同じ遊園地前で下車します。そして仕事を探しますが、雇ってくれるところなどなく、うずくまっていると、エチオピア難民のラヒルと出会います。彼女に助けられ、彼女が働いている間、彼女の子供の面倒を見ることを条件に一緒に生活させてもらいます。彼女は子供を育てながら、必死で働いていますが、偽造の滞在証明書で働いているため、期限が来たら、また偽造をして貰わなければなりません。お金が無いラヒルは期限までに次の偽造証明書が間に合わず、とうとう警察に捕まってしまいます。
 
 
ラヒルが帰ってこず、食事も無くなり、子供のミルクも無く、市場に彼女を捜しに行きますが見つかりません。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、中東の貧困層のお話なのですが、日本の貧困家庭にも当てはまるのではないかと思いました。親が何の計画も無しに子供を作って、その子供たちを労働力として使い、時には子供を売って、また生活を続けるという、酷いローテーションを繰り返すんです。子供を可愛がることもあるけど、酷い虐待も行い、犯罪にも加担させるなんて、考えられない世界ですよね。

 


 

でも、日本でも、子供を置き去りにして殺すとか、熱湯をかけたり、殴ったり、性的虐待までしている親がいるので、同じような事が起きているんですよね。自分が一番で、子供はおもちゃやベットと同じなんです。感覚が狂っていることに気がつかない親が、何て多いんでしょう。この映画では、子供が親に、間違っていることを訴えるのですが、全く取り合ってもらえず、結局、世間に大声で叫ぶことで、沢山の人に現状が伝わり、子供が親を訴える事になります。

 

日本の札幌でも児童虐待で逮捕された母親がいたでしょ。ネットニュースで”Twitterなどに子供が可愛いと書いているのになぜ?”という記事があり、馬鹿な事言ってんなって思いました。母親は、子供を産んだ自分、子供を可愛がっている自分が好きなんです。子供自体には何の興味も無く、そのおもちゃ=子供を手に入れて、それで遊んでいる自分を周りにアピールするのが好きなんです。今、こういう母親、多いですよ。電車でも判りますもん。解ってないのは自分だけ。周りの人間は判りますよ。子供だって成長すれば、母親が自分に興味を持っていないのが判ります。いつか、子供に報復される日がやってくるかもしれませんね。いい気味です。

 

 

話を戻して、ゼインという息子が親を訴えるのですが、何の罪でかと聞くと「自分を産んだ罪」と言うんです。何で僕を産んだんだと。意味も無く、ただ産んで放置するだけ。邪魔だと言われ、追い出され、彼は生きる意味がないんです。こんなに小さい子供なのにね。普通は、こんな小さければ、生きる意味なんて考えないでしょ。親に愛されて、あれがやりたい、これが欲しいと、子供らしい欲求をぶつけて、楽しく遊ぶことが子供の仕事なのに、ゼインはそうじゃないんです。

 

本当に、観ていて泣けました。どうしてここまでされなければならないのか。何で、両親はそんなに鈍感なのか。もう信じられませんでした。娘に生理がきたら直ぐに男に売ってしまうなんて、信じられませんでした。まだ11歳ですよ。考えられません。こんな事、絶対に止めさせなければ死んでしまいます。男性には判らないかもしれないけど、いくら生理がきたからって、身体が全て大人になった訳じゃないんです。まだこれから大人になって行くんですよ。最初の段階でボロボロにされて、妊娠してしまったら、身体が持ちません。当たり前です。本当に驚きました。

 

 

ゼインだって、最初から両親を憎んでいた訳ではありません。両親が好きだったと思いますよ。でもね、学校にも行かせてもらえない、休む暇も無く働かされ、可愛がっていた妹は売られて、挙句の果てに殺されてしまう。そりゃ、キレるでしょ。難民の女性と、少しの間、一緒に暮らしますが、難民の彼女だって、子供を凄く大切にしていたんですよ。それなのに、自分の親はこの国の住民なのに、何もせずに酷い暮らしを続けている。さすがにゼインも怒って、出て行こうと思い、自分の出生届を自宅に捜しに戻ると、実は、出生届も出てない、両親たちのIDも無いという状況であることを知ります。

 

この両親は、何をやっていたんでしょうね。役所に行って、手続きをすれば、発行してくれただろうに、何もしてないんです。子供たちだけじゃなく、自分たちもなんですよ。もう、開いた口が塞がらないでしょ。でも、それが、現実にあるそうなんです。この監督は、そんな現実を訴えたかったようです。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは、ぜひ沢山の人に観て欲しいです。子供の目から見た、親の姿が描かれているので、大人が観ると、キツいなぁと思う部分もありますが、それが現実なのだと認識して、変えていかなければいけないと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

存在のない子供たち|映画情報のぴあ映画生活

 

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