「ブレス あの波の向こうへ」の試写会に行ってきました。Fan's Voice(@fansvoicejp)さんのご招待で行ってきました。
ストーリーは、
オーストラリア西南部にある小さな町に暮らす内向的な性格のパイクレットは、怖いもの知らずな友人ルーニーの影響を受けながら、彼の後を追うように毎日を過ごしていた。そんな彼らはサンドーという男と出会い、サーフィンを教えてもらうようになる。パイクレットとルーニーは、不思議な魅力を放つサンドー、そして謎めいた存在感を持つ彼の妻イーヴァからさまざまな刺激を受けていく。いつしかサンドーは命にもかかわるような危険な波に2人を挑ませようとするが・・・。
というお話です。
オーストラリア西南部の小さな町に暮らす内向的な性格のパイクレットは、友人のルーニーと一緒にサーフィンを始めた。見よう見まねで始めた二人は、ある日、海でサンドーという男性に出会う。彼の家は海に近く、自転車でサーフィンを担いで海に通っていた二人に、サーフィンを自宅のガレージに置いておいていいと言う。最初は疑心暗鬼だった二人だが、彼を信用して、置かせてもらう事にする。
彼の家には何本もサーフィンが置いてあり、二人はサンドーにサーフィンを習うようになる。サンドーは、昔、有名なサーファーだったらしく、二人を連日のようにサーフィンに誘い、二人はどんどんサーフィンが上手くなっていく。パイクレットとルーニーは、お互いにライバル心を燃やし、それぞれに成長していくのだが、ある時、ルーニーが怪我をし、パイクレットはサンドーに一対一でサーフィンを習うようになり、ルーニーは悔しがる。怪我が治り、恐いもの知らずのルーニーは成長が早く、直ぐにパイクレットを追い越し、サーフィンにのめり込んでいく。
パイクレットは、学校生活も怠らずに続けるが、ルーニーは学校を退学になってしまい、サーフィンや悪い遊びをするようになっていく。パイクレットの両親は、息子を心配しつつも彼を信用しており、ルーニーとの付き合いに口出しをすることなく、見守ってくれていた。二人の生活は変わって行き、サンドーはサーフィンをする為に、海外へと出ることが増え、学校が休みの時しかサーフィンをしないパイクレットを他所に、ルーニーを連れてインドネシアなどの海へと旅に出てしまう。
一人残されたパイクレットはショックを受けるが、サンドーのパートナーであるイーヴァに促され、自分の生活を変えず、自分の生き方を探すようになっていく。そしてサンドーとルーニーが帰ってきて、パイクレットを危険だが魅力的な波の出る海に行こうと誘いに来るのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、主人公がサンドーとなっていましたが、内容を観てみると、主人公はパイクレットでした。彼の成長過程が良く描かれていて、人に流されず、自分の信じる道を見つけて歩いて行くという姿が、良かったと思います。
思春期の頃って、大人の人が凄くカッコ良く見えたりして、その人の注目を弾きたくて、何でも言う事を聞いちゃうんだけど、後から思うと、何であんな人に付いて行ったんだろうっていうようなことって、誰もが経験したことがあると思うんです。つい背伸びがしたくなって、危険な事がとっても魅力的に見えて、そんな時代にハマってしまうと、抜けられなくなってしまう。痛い目を見て、逃げれれば良いんだけど、抜けられずに悪い方向に行ってしまう人も多いと思うんですよね。だからこそ、親が見ていてやることが大切だと思うんです。
この映画の中のパイクレットのご両親、素晴らしいなと思いました。キツイことは言わずに、ずーっと見守っているんです。何を辞めろとか、あいつとは付き合うなとは一切言わず、温かく見守りながらもちゃんと会話をしているんです。それって、とっても大切な事だと思いました。息子を信用して、静かに彼が考えるのを待つタイプで、親の鏡だなって思いました。そんなご両親だったから、パイクレットの最後の決断に繋がったのだと思いました。ネタバレになるから書けないけど、パイクレットは、ちゃんと自分の頭で考えて、自分の選ぶ道を決めていきます。この年代で、それを決めるのは、凄く勇気がいったと思うのですが、やっぱりこのご両親あっての、パイクレットだったのかなと思いました。
普通だと、やっぱり逃げるようなことはしたくないし、見栄もあるから、自分で決断するのは難しいんです。大人に決めて貰うのが一番楽だと思うけど、それを自分で決めたということが、このパイクレットの今後の人生に大切な事だったのでしょう。素晴らしかったと思いました。
パイクレットが決断する前に色々なことがあるのですが、ちょっと納得いかなかったのが、彼がイーヴァに誘惑されるところなんです。少しネタバレですみません。いくらサンドーが留守がちで、何してんだか分かんないと言っても、無垢な男の子に手を出すのはどうなんだろう。大人のすることじゃないよ。まぁ、彼女との事があって、パイクレットが随分、成長したとは思うんです。大人の女性との事で、彼も精神的に大人になって行くのは分かるのですが、でも、やっぱり許せないよなぁと思いました。大人の女性に惹かれるのは解るけど、それはダメです。
サーフィン場面がとっても美しく、こんな風にサーフィンが出来たら気持ちイイだろうなぁと感じました。本当にサーフィンっていいよなぁ。出来る人、羨ましいです。もっと若い頃に挑戦したかったな。サーフィンの場面を見ているだけでも気持ち良くなるので、良いですよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。とっても良かったと思います。思春期の青年が、大人の魅力に惹かれて行動を共にして行くことは、良い事でもあり、悪い事でもあるという事が描かれていて、自分で未来を選択出来るなら良いけど、流されてしまうと危ないよって言う事を教えてくれていたと思います。輝く青春時代だけど、危険な青春時代なんです。それが理解出来る内容に感動でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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