「Girl ガール」LGBTの問題ではなく誰でも持つコンプレックスと思えば理解出来ると思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「Girl  ガール」を観てきました。

 

ストーリーは、

男性の体にうまれたトランスジェンダーのララは、バレリーナになることが夢で、強い意志と才能、そして血がにじむような努力で、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。しかし、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、ララに対するクラスメイトの嫉妬や嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく。

というお話です。

 

 
15歳のララの夢はバレリーナになること。しかしそれは簡単なことではなかった。

彼女は女性の心を持ちながらも、男の体に生まれてきたからなのだった。それでも強い意志と才能、娘の夢を全力で応援してくれる父に支えられ、難関のバレエ学校への入学を認められる。夢の実現のためララは毎日厳しいレッスンを受け、血のにじむような努力を重ねていく。
 
 
そして、身体を心に合わせる為に、ホルモン剤の服用を始める。医者による、身体面とメンタル面の両面治療が始まり、手術の為に、心と身体の準備を始めることになる。心も身体も健康体でなければ、手術に耐えられないと言われ、食事をきちんと取り、ストレスを無くすために悩み事があったら相談するようにと言われるが、ララは簡単には話が出来なかった。
 
初めての舞台公演が迫る中、ライバルから向けられる心ない嫉妬に苦しむララ。そして思春期の身体の変化により思い通りに動けなくなることへの焦りと、ホルモン剤の効果が出ないことに対しての落胆。心は女性なのに、身体が心についてこない苛立ちは、徐々に彼女の心と体を追い詰めていく。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
 
 
この映画、凄く感動してしまいました。トランスジェンダーのお話なのですが、この話は、誰にでも当てはまると思ったんです。だって、誰にでもコンプレックスってあるでしょ。自分の目が嫌い、鼻が嫌い、手が嫌いなどなど、誰にでも、不満はあると思うんです。
 
この主人公のララも一緒。それが、心と身体が合っていなかった事。周りは、トランスジェンダーという事を分かってくれていて、女性として見ていてくれるのですが、服を脱げば、そこには男の身体がある。どんなに周りが女性として扱ってくれていたって、自分の身体は男なんです。これって、コンプレックスと一緒でしょ。どんなに美人ですねって言われても、自分の目が嫌いなら、整形したくなるでしょ。それと同じなんです。
 
 
周りの目が問題なんじゃないんです。自分の目が、心が問題なんです。それをね、悩みがあったら話なさいと言われても、どうやって話すの?周りの人たちには、何の問題も無くて、問題は自分の中にあるのに、人に話してもどうしようもないじゃないって、このララも思っているんです。だから、悩みを話しなさいと言われても、話せないんです。話しようが無いんです。これ、凄く解りました。もう、観ていて辛くなるほど、共感してしまいました。言えないよね。自分の事を凄く大切にしてくれている父親に、答えの出ない相談なんて出来ないですよ。そういう細かい心理描写が、とても良く描かれていて、それは凄かったです。
 
 
主人公のララを演じている、ビクトール・ポルスターさん、本当に美しいんです。ビックリするほど美しくて、現役のバレエダンサーなので、バレエも完璧、素晴らしいので、それを見ているだけでも、ため息が出るほどでした。そんな彼女が、映画の中で苦しんでいる姿は、何とも可哀想で、何故、神様は性同一性障害なんていうものを作ったんだろうと思いました。簡単に性別が変えられたら良いんだろうけど、悪用する人もいるだろうし、そこは神様の領域だから、やってはいけないのでしょうね。それにしても、こんなに苦しまなければならないのは、可哀想だと思いました。
 

 

ルーカス・ドン監督は、9年も、このストーリーを温めていて、最初に思いついたのは、18歳の時だそうです。男らしさ、女らしさというものを決めつける社会の認識を変えるべきだと思ったそうです。私も、子供の頃から受け付けられた、男らしい女らしいという認識って、知らず知らずのうちに、態度に出してしまっていたり、口に出してしまっていたりするんです。根本的に変えていかなければいけませんよね。もちろん、女性にしか出来ない事、男性にしか出来ない事もあるかも知れません。でも、出来ることは男でも女でも、やるべきだし、やってもおかしくないんです。頭を切り替えないといけませんね。

 

 

凄く良い映画でした。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは、沢山の方に観て欲しい。そして流行りのトランスジェンダーの話と思わず、コンプレックスの話だと思って、自分の中のコンプレックスにも向き合ってみるべきじゃないかなぁと思いました。一度向き合って、それを容認するか、変えていくべきか、それは自分で考えなければね。ララも、最後は自分で決断をしました。それは男や女という事ではなく、人間としてのコンプレックスとの向き合い方の問題なんです。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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