「ワイルドライフ」の試写会に行ってきました。Fan’s Voice独占試写会(@fansvoicejp)に参加させていただいたんです。
ストーリーは、
1960年代、モンタナ州の田舎町で暮らす少年ジョーは、仲の良い両親ジェリーとジャネットのもとで慎ましくも幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ジェリーがゴルフ場の仕事を解雇され、山火事を食い止める危険な出稼ぎ仕事へと旅立ってしまう。残されたジャネットとジョーもそれぞれ仕事を見つけるが、生活が安定するはずもなく、優しかったジャネットは不安と孤独にさいなまれるようになっていく。
というお話です。
この映画、俳優のボール・ダノさんが監督・脚本をし、パートナーのゾーイ・サガンさんが共同で脚本を書かれたそうです。
ある家族のお話なのですが、こういう事って、どこの家庭にも起こりうる事で、誰が悪い訳でもないからどうしようもないよなぁと思い、辛くなりました。私は、やっぱり母親・ジャネットの気持ちに共感してしまうのですが、夫が職を無くして、自分の方を見なくなり、出稼ぎで行ってしまうと、もう、不安で不安でたまらなくなるのだと思います。
愛しているけど、愛してくれていないと感じ、とにかく心に空いた穴を塞ぐ為に、何かをしなくちゃと思ったんだろうなぁ。相手は誰でも良かったんだと思うんです。中年のデブなオッサンだけど金持ちだし、別に、結婚とかそんな相手じゃないんです。ただのそれこそ”アナウメ”なんですよ。
でもね、夫が帰ってくると、罪悪感で押しつぶされそうになり、もう一緒に居られなくなっちゃうんです。愛しているけど、相手を信じられないし、一緒にいても傷つけてしまいそうになる。文句ばかりを言いそうになってしまう。だからこそ、一緒に居られないと思うんです。そこで、夫が何とかしてくれれば、元に戻るんだと思うんですけどね。男と女は難しいんです。
そんな両親の姿を見ているジョーは、関係が冷たくなっていく二人と、壊れていく母親を見て、人間の弱さを知っていくんです。ジョーは、最後まで母親を責めないんです。そうなって行ってしまった母親の辛い気持ちを理解していたんだと思います。ボロボロになって、愛してもいない男と寝て、罪悪感に苛まれていく姿は、それはもう、可哀想でした。キャリー・マリガン、本当に上手いよなぁ。
父親は、仕事を失ってプライドを傷つけられ、新しい仕事を探せずにいるんです。ゴルフコーチという仕事は彼にとっては凄い仕事だったのかも知れないけど、只の仕事でしょ。良く勘違いしている人がいるけど、仕事に高いも低いも無いんです。仕事は金を稼ぐためのもの。自分の生活や遊びの為のお金を稼ぐもの。だからサービス残業なんてバカな事をする必要は無いし、人が仕事が遅いからって待っている必要も無いんです。自分がいなくなれば、誰かが直ぐに来て変わりが出来るんです。
自分の仕事にプライドを持つことは大切だけど、そのプライドを履き間違えちゃダメです。この父親・ジェリーは、自分は人には出来ない素晴らしい仕事をしていると思っていたんでしょうね。で他の仕事は自分の仕事よりも低いと思っていたんだと思います。だから仕事を探せなかったんだと思います。それで逃げるようにボランティア的な消防団に入ってしまった。逃げですよ。それが分かったから、ジャネットは壊れて行ったんです。うーん、何度も言うけど夫婦は難しいよね。ジェリーをジェイク・ギレンホールが演じているのですが、彼も凄く良い俳優なので、その逃げる感じが判るんです。その姿も辛かったなぁ。
この映画、私は、凄く良かったと思いました。男と女、父と息子、母と息子、夫と妻、そして家族というものが、濃密に描かれていて、心に刺さる映画でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画は、感情が豊かであればあるほど、感じられる映画だと思います。感情の波が何度も打ちつけてくるくるような、そんな感じなんです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
![]() |
ルビー・スパークス [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
1,000円
Amazon |
![]() |
スイス・アーミー・マン Blu-ray
3,779円
Amazon |