「ワイルドライフ」人間が根底に持つ曲げられない感情が細かく深く描かれていました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ワイルドライフ」の試写会に行ってきました。Fan’s Voice独占試写会(@fansvoicejp)に参加させていただいたんです。

 

ストーリーは、

1960年代、モンタナ州の田舎町で暮らす少年ジョーは、仲の良い両親ジェリーとジャネットのもとで慎ましくも幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ジェリーがゴルフ場の仕事を解雇され、山火事を食い止める危険な出稼ぎ仕事へと旅立ってしまう。残されたジャネットとジョーもそれぞれ仕事を見つけるが、生活が安定するはずもなく、優しかったジャネットは不安と孤独にさいなまれるようになっていく。

というお話です。

 

 
1960年代、カナダとの国境にほど近いモンタナ州の田舎町。14歳のジョーは、ゴルフ場で働く父ジェリーと、家庭を守る母ジャネットの1人息子です。父親の仕事の都合でこの土地に越してきて、新天地での生活がようやく軌道に乗り、睦まじい夫婦の姿を息子が安堵の面持ちで眺めていたのだが、ある日、突然にジェリーが職場を解雇されてしまう。ゴルフのレッスンコーチをしていたのだが、お客様と遊びで賭けをしてしまったのを咎められ、解雇されたのだった。
 
客に望まれれば対応するのがジェリーの接客だったのだが、受け入れて貰えない。落ち込むジェリーは、仕事を探すと言いながら荒れて飲んでばかりだった。このままではと思い始めた時、ゴルフ場から自分たちが間違っていたから戻ってきて働いて欲しいと言ってきたのだが、ジェリーはそれに応じず、何故か山火事を消す為の消防員として出稼ぎに行くと言い出す。命の危険も顧みず、ほとんどボランティアの作業なのだがそれでも行くと言い張り、旅立って行ってしまう。
 

 
残されたジャネットとジョーは働くことを余儀なくされ、母・ジャネットはスイミングプール、ジョーは写真館での職を見つけるが、生活が安定するはずもない。やがてジョーは、優しかったジャネットが不安と孤独にさいなまれ、生きるためにもがく姿を目の当たりにすることになる。スイミングプールで泳ぎの個人レッスンを受け持った、街の男性と仲良くなり始める。そして不倫に・・・。そして空から雪が舞い始め、山に行っていた父・ジェリーが戻ってくる時期となり・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、俳優のボール・ダノさんが監督・脚本をし、パートナーのゾーイ・サガンさんが共同で脚本を書かれたそうです。

 

ある家族のお話なのですが、こういう事って、どこの家庭にも起こりうる事で、誰が悪い訳でもないからどうしようもないよなぁと思い、辛くなりました。私は、やっぱり母親・ジャネットの気持ちに共感してしまうのですが、夫が職を無くして、自分の方を見なくなり、出稼ぎで行ってしまうと、もう、不安で不安でたまらなくなるのだと思います。

 

 

愛しているけど、愛してくれていないと感じ、とにかく心に空いた穴を塞ぐ為に、何かをしなくちゃと思ったんだろうなぁ。相手は誰でも良かったんだと思うんです。中年のデブなオッサンだけど金持ちだし、別に、結婚とかそんな相手じゃないんです。ただのそれこそ”アナウメ”なんですよ。

 

でもね、夫が帰ってくると、罪悪感で押しつぶされそうになり、もう一緒に居られなくなっちゃうんです。愛しているけど、相手を信じられないし、一緒にいても傷つけてしまいそうになる。文句ばかりを言いそうになってしまう。だからこそ、一緒に居られないと思うんです。そこで、夫が何とかしてくれれば、元に戻るんだと思うんですけどね。男と女は難しいんです。

 

 

そんな両親の姿を見ているジョーは、関係が冷たくなっていく二人と、壊れていく母親を見て、人間の弱さを知っていくんです。ジョーは、最後まで母親を責めないんです。そうなって行ってしまった母親の辛い気持ちを理解していたんだと思います。ボロボロになって、愛してもいない男と寝て、罪悪感に苛まれていく姿は、それはもう、可哀想でした。キャリー・マリガン、本当に上手いよなぁ。

 

父親は、仕事を失ってプライドを傷つけられ、新しい仕事を探せずにいるんです。ゴルフコーチという仕事は彼にとっては凄い仕事だったのかも知れないけど、只の仕事でしょ。良く勘違いしている人がいるけど、仕事に高いも低いも無いんです。仕事は金を稼ぐためのもの。自分の生活や遊びの為のお金を稼ぐもの。だからサービス残業なんてバカな事をする必要は無いし、人が仕事が遅いからって待っている必要も無いんです。自分がいなくなれば、誰かが直ぐに来て変わりが出来るんです。

 

 

自分の仕事にプライドを持つことは大切だけど、そのプライドを履き間違えちゃダメです。この父親・ジェリーは、自分は人には出来ない素晴らしい仕事をしていると思っていたんでしょうね。で他の仕事は自分の仕事よりも低いと思っていたんだと思います。だから仕事を探せなかったんだと思います。それで逃げるようにボランティア的な消防団に入ってしまった。逃げですよ。それが分かったから、ジャネットは壊れて行ったんです。うーん、何度も言うけど夫婦は難しいよね。ジェリーをジェイク・ギレンホールが演じているのですが、彼も凄く良い俳優なので、その逃げる感じが判るんです。その姿も辛かったなぁ。

 

この映画、私は、凄く良かったと思いました。男と女、父と息子、母と息子、夫と妻、そして家族というものが、濃密に描かれていて、心に刺さる映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画は、感情が豊かであればあるほど、感じられる映画だと思います。感情の波が何度も打ちつけてくるくるような、そんな感じなんです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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