【演劇】「化粧二題」お二人が入れ替わりで一人芝居を演じます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「化粧二題」を観てきました。

 

ストーリーは、

さびれた芝居小屋の寂しい楽屋。


遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、大衆演劇女座長・五月洋子は、座員一同に檄を飛ばし始める。開演前の化粧支度の最中も、口炯子に上や十八番の演目である「伊三郎別れ旅」の母と子が再会する場面の稽古に余念がない。そこへ捨てた息子との対面を、と出演依頼を携えたお客がやってきた。


うってかわって、クリスマスマジかの芝居小屋の楽屋。大衆演劇の座長・市川辰三は、夜の部も迫った40分前、大事な役を背負った役者が一人いなくなり、切羽詰まった様子で座員一同に口立て稽古を始めている。そこへ孤児院でお世話になった一人の先生がやってくる。恩師との逢瀬に喜ぶ辰三だったが、なにやら大切な話がある様子で・・・。

 

というお話です。

 

 

こまつ座 第128回公演の「化粧二題」を観てきました。

 

出演は、内野聖陽さんと有森也実さんです。二人の大衆演劇の座長が、それぞれの楽屋で出番前に化粧をしながら、べらべらと話をするという一人芝居です。

 

最初は、有森さん演じる女座長が自分の過去を語りながら化粧をするのですが、自分の化粧鏡の前と、その周りくらいで演技をしているように見えてしまい、ちょっと残念でした。女座長という立場の女性なので、必死で声を低くしているのだと思いますが、とても苦しく聞こえてしまって、声も私には合わなかったなぁ。うーん、演技が下手な方ではないと思うのですが、一人舞台をするにしては、物足りなさが感じられました。

 

それに対して、後からの内野さんの一人芝居は、完璧な舞台俳優という感じで、舞台全体を一つの部屋と見ていて、その隅々までが彼の部屋という感じに見えて、上手いと思いました。内野さんが上手すぎるから、有森さんの演技が小さくて物足りないものに思えてしまったのかも知れません。やっぱり内野さん、本当に上手いですね。もう、何度も内野さんの舞台は観せていただいてきたのですが、今回のように、一人芝居で、まして対する人との演技のレベルが違い過ぎると、トンデモナく上手い事に気が付きます。皮肉なもんです。

 

 

母親は男に逃げられ、一座を率いて子供も育てるのは無理なので、息子をキリスト教の施設に預けて旅立ったというお話で、息子の方は、キリスト教系の孤児院で育ち、何となく舞台俳優となり、一座を率いるようになったんです。無意識の遺伝ですかね。

 

母親は息子の、息子は母親のことが気になっていて、それが心にずーっと引っかかっていたと思うのですが、ある日、突然に、会ってみないかという話が届くと言う話なんです。

 

化粧をして、自分が心の中にしまっている辛い思いを覆い隠して、今日も生きているという姿を描いているのですが、お互いに会う事になったら、その化粧はしなくてよいようになるんでしょうか。なんとも、難しい話だなと思いました。

 

うーん、この舞台、面白いのですが、ちょっとお二人のバランスが悪くて、内野さんはより上手いように見えてしまい、有森さんは残念なように見えてしまい、私は、ちょっと残念だったかな。でも、話は面白かったです。

 

 

私は、この舞台、お薦めしたいと思います。バランスはちょっとだったけど、内野さんの演技力の素晴らしさが良く解って、そこは、とても満足が出来ました。これから、まだ地方を周ると思うので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

こまつ座「化粧二題」 http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html