フランス映画祭にて「崖っぷちの女たち」を観てきました。
ストーリーは、
仕事も学歴もなく、久々に地元に戻ったサンドラ。
缶詰工場に勤め始めるが、やり合ったはずみで上司が階段から落ち、死んでしまった。
助けを呼ぼうと、同僚と彼のロッカーを開けると、大金が入った袋が見つかり…。
というお話です。
都会から逃げるように地元に戻ってきたサンドラ。付き合っていたＤＶ男と別れ、仕事も学歴も無いサンドラは仕方なく実家に戻ってくる。高校の頃は地元のミスコンで優勝し、誰もが憧れる存在であったサンドラだが、今は普通のオバサンになってしまった。
缶詰工場での働き口を見つけ働きだすと、同級生が声をかけてくる。とりあえずは馴染み始めるサンドラだったが、ある日、仕事が終り着替えていると、更衣室に工場長が入ってくる。そしてレイプされそうになり、抵抗をした弾みで彼に怪我を負わせてしまう。サンドラと一緒に残っていたマリリンとナディーンは彼女を救け、工場長は逃げようとするが、その途中で階段から転がり落ちて死んでしまう。
サンドラとマリリン、ナディーンは、警察に連絡をしようとするが、ふと見ると、工場長のカバンから大金を見つけてしまう。シングルマザーのマリリン、夫が失業中のナディーン、都会から逃げ帰ったサンドラは、お金に困っていたので、このお金で生活を立て直せるかもと思い始める。そして直ぐに警察への電話を切り、お金を手に入れる為にはどうしたら良いのかを考え始める。
まず、工場長の死体を見つからないように処理しなければと思うが、死体を外に運ぶのは大変すぎる。そんな時、缶詰の機械が目に入り、死体を缶詰にしてしまい、持ち出せばよいと考えて、彼を缶詰に詰めてしまう。そして少しづつ捨てようと思っていたのだが・・・。
一方、工場長が持っていた金の出どころはマフィアであり、薬を買う為の資金だったらしい。横取りされたマフィアは、工場長の足取りを追跡し、サンドラたち３人に辿り着き・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ～！まさに崖っぷちに立たされる女たちのお話なんです。田舎に戻ってきたサンドラは、手に職も無く、学歴も無く、経歴も無い、まさに負け犬となってしまい、そんな姿を地元で晒したくなかっただろうとは思うのですが、男と別れて、お金も無く、逃げるように戻ってきたんです。みんなの憧れの的だったのに、今は不幸なオバサンとなり、缶詰工場で働く毎日。うんざりしていたのに、レイプされそうになり、抵抗して相手が死んでしまう。踏んだり蹴ったりでしょ。でもね、大金を見つけるんです。
マフィア関係のお金なんですけど、それを手に入れるために奮闘する姿が描かれています。サンドラは、とっても注意深くて、お金はすぐに使ってはダメだと言うのですが、マリリンとナディーンは、田舎から出たことの無い、生粋のオバサンなので、大金を手に入れてしまうと、つい使いたくなってしまいます。”これだからオバサンは”って言われるのよ。で、小さい町なので、直ぐにマフィアに目を付けられてしまうんです。もー、頭が悪すぎでしょ。
本当に、オバサン３人のドタバタは大笑い出来て面白いです。酷い事をしているんだけど、ケロッとした顔でやっているので、そこが面白くて怖いなぁと思いました。オバサンの強さは、マフィア以上だと思いました。さすがのマフィアだって、死体を缶詰にしてしまうなんて考えつかないでしょ。でも、それを平然とやってしまうオバサンたち。その機械、人が食べる缶詰を造っているのに、同じ機械で人間を切って詰めてをしてしまうんですよ。あまりの残酷さに、驚いたけど、本人たちはケロッとしてやっているんです。やはりオバサンは最恐です。
そしてマフィアとの闘いになって行くんだけど、「テルマ＆ルイーズ」のようなカッコいいもんじゃなくて、もう、無様でアホな戦いなんです。それでも家族を守ろうとしたり、仲間を守ろうとしたりと、ちょっと熱くなるような内容でした。私は、この展開、好きだったなぁ。内容は盛りだくさんで、本当にずーっと笑っていられて、ドキドキもしてって感じでした。
そうそう、お下品な下ネタ的な部分もあり、それも笑えました。それを言っちゃうと面白くないので書きませんが、工場長は可哀想だったなぁという感じです。女は怖いっす。
あと、最後の部分の展開って、どこかで観たような気がするのですが、他の映画でも、このラストってあったかしら。それとも私のデジャヴかしら。ラストの部分だけ、観たことがあるような気がして、何だったかなぁと思い出せずにいます。でも、面白いです。
私は、この映画、超！お薦めしたいと思います。大笑いして、女性はスカッとすると思います。これ、女性限定の応援上映とかあったら面白いだろうなぁ。でも、日本公開は決まっていません。こんなに面白いのに、配給も決まっていないんです。とっても残念。もし、観る機会が出来たら、ぜひ、観てみてください。お腹を抱えて笑えると思いますよ。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「崖っぷちの女たち」
http://www.unifrance.jp/festival/2019/films/1183/