【フランス映画祭】「アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮」この時代に一人で城を建築した男の話 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭にて「アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮」を観てきました。

 

ストーリーは、

1879年、フランスのオートリーヴ。
石につまづいたことをきっかけに、郵便配達員のジョセフ・フェルディナン・シュヴァルは、愛娘のために“おとぎの国の宮殿”を作る決意をする。たった一人で石を積み上げること33年。
「シュヴァルの理想宮」の誕生秘話。

というお話です。

 

 

郵便配達員のジョセフ・フェルディナン・シュヴァルは、1958年にローズという女性と結婚し、息子も生まれますが、ローズは早くに亡くなってしまいます。その時代、男性が一人で息子を育てるのは難しいと思われており、息子のシリルは、叔父夫婦の所に引き取られてしまいます。

 

一人になってしまったジョセフでしたが、1879年に仕立て屋の未亡人のマリーと再婚をします。ジョセフは、とても無口でコミュニケーションが苦手な男性でしたが、優しくて 真面目で、働き者でした。そして、直ぐに娘が生まれますが、ジョセフは子供とどう向き合って良いのか分からず、触れるのも怖がっていました。そんなジョセフにマリーは娘のアリスを抱かせて子供の扱い方を教えると、ジョセフはとても子煩悩になり、良いお父さんになって行きます。

 

 

ある日ジョセフは、配達の途中の斜面で何かにつまづき、土手を転げ落ちてしまいます。怪我は無かったのですが、つまづいた石を掘ってみると、不思議な形の大きな石が見つかります。その時、ふと、アリスの為に遊び場を作ってやりたいと思い、子供の為のお城を作る事を始めます。

 

それからは、郵便配達の仕事以外の時間をお城を造る時間に充て、アリスのお城は、段々と大きくなっていきます。そして、あまりの素晴らしい造形に、沢山の人が魅了され、話題になって行きます。そして、これからが、もっと素敵になると言う所で、アリスが突然に亡くなってしまいます。まだ15歳でした。悲しみに打ちひしがれたジョセフでしたが、娘の城だけはと思い、お城の建設を続けます。

 

 

しばらくして、ジョセフの長男・シリルが成長し、ジョセフの近くで暮らすことになります。そしてシリルは、ジョセフが作ったお城を絵葉書にして売ってみようと提案します。そうすれば沢山の人に知って貰えるし、記念になると思ったからでした。絵葉書が作られ、ジョセフのお城に沢山の人々が観光に訪れるようになり・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

なんか、凄く良い映画でした。美しい芸術品のような建築物を造った人がどんな人物なのかという伝記映画なのですが、このジョセフという人が、昔の男性の気質を全て持っていて、本当は近づきたいのに近づけないとか、好きなのに好きと言えないというような、そんな武骨な男性の典型的な感じで、オッサンなのに、超可愛いんです。このジョセフをフランスの名優、ジャック・ガンブランさんが演じているので、味のある凄く魅力的な男性になっていて、イケメンとかではない魅力があるんです。

 

 

ジョセフは、娘の為に宮殿を造り始めるのですが、そう簡単に出来るものではありません。そこには、その時代にまだ確立されていない構造的な手法も使われていました。セメントを固める時に、中に鉄の棒を入れて持たせているんです。この時代には、まだ鉄筋コンクリート構造何てモノは存在していないので、ジョセフさんが自分で考えて、高い建物を造るには、何かで支えなければならなと思って、この構造を考えたのだと思います。素晴らしいですよね。驚きました。

 

毎日、毎日、少しづつ積み重ねて、まるで迷路のようなお城は、子供の遊び場としては、本当に素晴らしいものでした。とっても楽しそうな内部で、色々な場所に隠れるところがあるんです。そして子供た喜ぶような動物の顔も造られていたり、御守りとして玄関の所に人の顔を模したものを造ったりしています。色々な人がジョセフを訪ねて、色々なアドバイスをしていたようでした。

 

 

そんなジョセフと再婚をしたマリーは、彼をとても愛していて、本当に良い夫婦でした。会話はほとんどなさそうだったけど、でも、思いあっているのは伝わってきたし、娘を本当に可愛がっていました。そんな二人だったので、アリスが亡くなった時は火が消えた様に暗くなってしまったのですが、それでも周りの人の励ましと、ジョセフの息子の帰還で、何とか復活をして、またお城づくりを続けます。

 

この映画に関しては、もう、言葉が素晴らしいとしか出てきません。映画としてもとても良く出来ていて面白いし、画面も美しいんです。その上、題材となっている建築物もフランスの重要文化財となっているような芸術的なものであり、文句のつけようがありませんでした。ああー、本当に、この建築物、観に行ってみたいです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは、誰が観ても、感動をするし、その建物に魅了されると思います。日本公開は今冬に決まっていますので、しばらくお待ちくださいね。角川シネマの配給で上映されると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮」 

http://www.unifrance.jp/festival/2019/films/1180/