フランス映画祭にて「スクールズ・アウト」を観てきました。
ストーリーは、
名門中等学校で、先生が生徒たちの目の前で教室の窓から身投げする異様な事件が発生した。新たに教師として赴任したピエールは、6人の生徒たちが事態に奇妙なほど無関心なことに気付く。彼らの冷淡で気まぐれな振る舞いに翻弄され、やがて6人が何か危険なことを企んでいることを確認するようになり・・・。
というお話です。
ある日、中学校の授業中、教師が生徒たちに課題を与えている最中に窓から飛び降りて自殺をしてしまう。突然の出来事に生徒たちは驚き、騒ぐのだが、ある一部の生徒たちは、冷たい目で先生の姿を眺めていた。教師は結局、亡くなりはしなかったが入院し、後日、亡くなった教師の代用教員としてピエールが赴任する。
ピエールが担任となったクラスは、成績も優秀で、全てにおいて秀でている生徒たちだった。生徒たちは頭が良いせいか、教師の自殺にも動揺しておらず、ピエールに自分たちを教えるだけの教師としての力があるのかと問い正し、馴染む様子はなかった。何か不思議な威圧感を与える生徒たちに、一瞬ひるむピエールだったが、君たちにきちんと授業をすると宣言する。
それからは、他のクラスよりも進んでいる教育課程を把握し、時には高校生がやるような問題を出して授業を進めて行くのだが、生徒たちの威圧感はピエールを追い詰め始める。生徒たちには、何かがあるような感じがしたピエールは、そっと生徒たちを観察するようにすると、クラスの中のトップの6人ほどは、いつもつるんでいて、何かの訓練の様な事をしており、一人を虐めているのかと思うとそうでは無いようだった。
余りにも奇妙な生徒たちの行動に、段々と追い詰められていくピエールは、もしかしたら自殺した教師の原因となったのは、生徒たちなのではないかと思い始める。そして生徒たちが庭に隠しているDVDを見つけて盗み出し、一人で部屋で観てみると、そこには恐ろしい映像が収められていた。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、最初は、何か虐め問題とかのお話かと思っていたら、段々とホラーじみてきて、生徒たちが何か恐ろしい事をしているのではないかという感じに進んでいくんです。何となく、昔の映画「光る眼」に似ている感じで、子供たちが特殊な力を宿しているように見えて行くのですが、まぁ、それはどうなるかは映画を観て欲しいです。
教師を追い詰めていく生徒たちは、知能が高く、沢山の情報を処理出来てしまい、未来が見えてしまうのではないかという感じなんです。そして、不思議な行動をおこして、ピエールは、彼らを恐れながらも、悪い方向に行かないように守ろうともしています。恐怖と守りたいという教師の考えが入り混じり、信じて良いのか、全てを疑った方が良いのかと、一転二転と考えが変わって行きます。
生徒のリーダー的な存在の女の子が、凄く怖いんです。監督がおっしゃるには、オーディションの時に、日本の幽霊のような女の子だったからこの子にしたとおっしゃっていましたが、美しいんだけど、そこに意思があるのか無いのか分からない感じで、彼女に見つめられると恐いんです。長い髪で上目遣いで見られると、ゾーっとする感じなんです。
他の生徒たちも、彼女には逆らえないような雰囲気で、彼女に言われれば、何でもやるという感じなんです。そして、どーも、彼らは沢山のニュースを見て、今の人間世界が崩壊の危機にあるという事を危惧していて、何かを企んでいるような、そんな雰囲気を醸し出して、恐ろしいんです。
そんな子供たちに、只一人立ち向かっていくピエールという教師なのですが、どんどん子供たちの追い詰められていき、精神的にも危ない状況になって行きます。そして精神的以外にも、何故か、ピエールが外にいると、ヒョウが降ってきたりと、不思議な自然現象も起きたりして、一体なにが起こっているのかという状況になって行きます。何が起こっているのか、全く分からず、追い詰められるピエールが見つけた真実は何かという事なんです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。面白かったです。最初は、いじめなどの問題の映画かと思ったら全く違い、今度はサイコホラーかと思ったらそれも違い、色々な要素が含まれた面白いサスペンスホラー映画でした。これは、楽しめる映画だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。日本公開は決まっているようです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「スクールズ・アウト」
http://www.unifrance.jp/festival/2019/films/1173/