【フランス映画祭】「社会の片隅で」何故、女性ホームレスとなってしまったのか。考えさせられます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭にて「社会の片隅で」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

毎日、入口の前には行列が出来るような、女性用のホームレスシェルター。ソーシャルワーカーたちは、ホームレスの女性たちに自立を促し、部屋を充てがって、生活を立て直させようとしているが、頑張っても、簡単に裏切られてしまう事もしばしば。せっかく、部屋を持たせても、支援施設から遠かったり、仕事が見つからなかったりして出てきてしまう。

 

良い成果も上がらず、結局、行政の決定により、そこのホームレスシェルターが閉じることになってしまった。それまで、そのシェルターの常連だった女性たちは、行き場を無くしてしまう。


閉鎖までの3ヵ月、ソーシャルワーカー達はあらゆる手を使って、入居者達を社会に出そうと奮闘する。
 

というお話です。

 

 

ドキュメンタリー映画ではないのですが、まるでドキュメンタリーのような感じで話が進んでいきます。ソーシャルワーカーの女性たちは、女優さんが演じているのですが、ホームレスの女性たちは、元々、ホームレスだった女性などを集めて、オーディションを何度もして、残った方々を使っているそうです。なので、彼女たちが言っていることは、半分以上、本当の事らしいんです。

 

一人、ホームレスだという女性が出てくるのですが、とても笑顔が可愛くて、小太りで人の好さそうなおばさんなのですが、実は、夫のDVに耐えかねて、銃で夫を撃ち殺し、殺人の罪で刑務所に入っていて、出てきてから行くところが無く、ホームレスになったそうです。驚きますよね。本当にそんな事をした人だとは全く思えないんですよ。

 

 

実は、私、ホームレスの人って、色々な事から逃げて、我が儘を言って仕事をしない、怠け者の人というイメージがありまして、好きでやってるなら、援助なんてする必要無いじゃんって思っていたのですが、この映画を観て、考えが変わりました。それぞれに、色々な事情があるんですね。逃げている訳ではなく、人種の問題やパスポートなどの問題で仕事が見つからず、どんなにもがいても這い上がれない事があるようでした。それに、技術などを持っていて仕事をしたいと思っているのに、上記のように犯罪を一度犯してしまい、どこも雇ってくれずにホームレスになってしまった人も多いようです。

 

確かに、犯罪者と聞くと、私だって、ちょっと怖いかなって思ってしまいます。でも、良く聞いてみると、確かに殺人はしたけど、仕方が無かったんじゃないかって思えるような部分もあるんですよね。そこら辺が難しくて、彼らだって、どこかで仕事が貰えなければ、お金が稼げないのだからホームレスになっちゃいますよ。で、仕方なく、また犯罪に走るってこともあるかもしれない。どうしたら良いんでしょうね。

 

 

彼女たちは、社会の一員なのに、誰もが見てみない振りをしてしまう人々なんです。それじゃ、いけないんですけど、私のように、良く知りもしないで、自分の想像だけで関わりたくないと思ってしまう。そういう一般の人々の考え方を根本から変えていかないと、彼女たちが生きて行く場所がどんどん無くなって行くのでしょう。

 

本当に、私はこの映画で、こんな人たちが、こんな理由でホームレスになっているんだという事を知り、ちょっと驚いて、考え方が変わりました。手助けが出来ることがあれば、少しづつでも慣れて、やっていきたいと思いました。直ぐに、飛び込んで何かするのは、まだ怖いかな。でも、やってみたいという気持ちにはなりました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。人によって、観かたが違うので、一概に考えが変わりますとは言えませんが、私は、ちょっと女性のホームレスという人たちへの偏見のようなモノが消えました。向き合ってみたいなと思うようになりました。ぜひ、観てみてください。これ、まだ日本公開が決まっていないようですが、この内容なら、支援などでも公開出来るんじゃないかなって思いました。

ぜひ、楽しんできてくださいね。

 

 

「社会の片隅で」 http://www.unifrance.jp/festival/2019/films/1165/