【フランス映画祭】「男と女Ⅲ 人生最良の日々」老人になっても愛する人と居ることが幸せなんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭で「男と女 人生最良の日々」を観てきました。

 

ストーリーは、

まばゆいばかりの衝撃的なロマンスから、長い歳月が経った。元レーシング・ドライバーの男は、老人ホームで暮らし、かつての記憶を失いかけている。彼の息子は、父親を助けるために、父がずっと追い求めている女性を探す決心をする。果たしてアンヌはジャン=ルイと再会し、2人の物語がまたあの場所から始まる・・・。

というお話です。

 

 

アンヌとジャン=ルイの衝撃的なロマンスから50年の年月が経った。元レーシング・ドライバーのジャン=ルイは、年老いて記憶を失いかけている。自宅では面倒が見られず、老人ホームに彼を預けた息子は、父が記憶が切れ切れになってきていることを知り、少しでも彼の記憶が戻るようにと、ある決断をする。

 

ジャン=ルイが若い頃に激しい恋愛をし、今も追い求めている女性・アンヌを探すことにしたのだった。息子は8歳の頃に会ったきりだったので、探すのに時間がかかり、やっとアンヌの居場所を探し当てる。

 

アンヌは、ジャン=ルイとの別れの後、映画関係の仕事に就き、そこで知り合った男性と幸せな結婚をしたらしい。ジャン=ルイの息子は、アンヌが営んでいる雑貨店に訪ねて行き、ジャン=ルイが老人ホームに入っていて、記憶を失い始めていることを話し、何とか父親に面会をして貰えないだろうかと頼み込む。ジャン=ルイが今も求めているアンヌに会えば、記憶が戻ってくるかもしれないと医者にも言われたらしい。

 

 

それを知ったアンヌは、昔のジャン=ルイとの激しい恋愛を思い出す。お互いに子供を持ち、それでもお互いを求めていたあの時、何故、続かなかったのだろうか。でも、今となっては、懐かしい思い出であり、懐かしいあの人に会ってみたいという思いも大きくなっていく。

 

ジャン=ルイの施設を訪ねたアンヌだったが、ジャン=ルイはアンヌに誰だっただろうかと尋ねる。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

私は、クロード・ルルーシュ監督の「男と女」という名作を、恥ずかしながら観ていません。この映画が撮られた頃は、もちろん生まれていなかったし、映画を観る年齢になった頃にも、古い映画に触れることがほとんど無かったんです。でも、有名な音楽は知っていました。この音楽は、事あるごとに、色々な場所で流れていましたよね。
 

 

今作は、その古い作品から50年後の二人を描いています。同じ俳優さんが演じていて、もちろん、監督もルルーシュ監督です。凄いですよね。50年前に撮影した映画を、同じ俳優で同じ監督が続編を撮影するなんて、そんな素晴らしい事ってあるんですね。ゲストでいらしていた岸恵子さんもおっしゃっていたのですが、フランス映画ならではの事ではないかという事でした。

 

確かに、日本映画で、50年前に撮影した映画の続編を同じ俳優と監督で撮影させてくれるなんて、映画会社も無いだろうし、それだけの実力を維持していられる映画人の方も、居ないのかも知れません。でも、今後、是枝監督とかに、「誰も知らない」などの続編を、50年後に撮影して頂くのも、面白いかなと思いました。でも、恋愛映画は日本では、無いでしょうね。それほど素晴らしい恋愛映画って、日本で観たことないですもん。

 

話を戻して、ジャン=ルイは、老人ホームに入り、ボケてしまって、記憶が飛んでしまっています。時々、昔の事を思い出すのですが、息子の事も忘れちゃったり、今いる場所が分からなかったりと、本当に老人になってしまっているんです。そこへ、昔、愛した、アンヌがやってくるのですが、最初はアンヌが誰なのか、全く分かりません。年を取ったこともありますが、彼の中のアンヌは永遠であり、今、誰が目の前に来ても、分からないんです。でも、根気強くアンヌは逢いに来てくれて、ジャン=ルイは、ウトウトしながらアンヌの夢を見て、今のアンヌと昔のアンヌが同じことに気が付いて行きます。

 

 

80歳も過ぎて、記憶が曖昧になっていたのですが、目の前に愛した人が現れるようになり、段々と意識がしっかりしてくるんです。これ、本当にあるだろうなぁと思いました。老人ホームなどに預けっぱなしで、誰も訪ねて行かなければ、記憶も曖昧になりますよね。同じことの繰り返しの毎日ですもん。だけど、変化があって、愛する人が目の前に現れたら、昔の自分を取り戻し始めるって、あると思うんです。

 

若い頃の愛の力ではなく、年を重ねて、老人になってからの”愛”の在り方というか、愛の力を感じさせられました。愛によって、プチプチと切れていた脳のシナプスが繋がり始めるんですよ。彼女が目の前にいると認識した時点で、脳がしっかりしなくちゃという信号を出して、記憶が戻ってくるんだと思いました。凄い愛の力だと思いませんか?これ映画の話だけど、本当にある事だろうなって思いました。

 

古い方の「男と女」を観ていない私ですが、この映画だけでも、十二分に楽しめました。昔の出来事も分かるように作ってあったし、年を取っても、愛は永遠なんだなってことが描かれていて、凄く感動してしまいました。私も、こんな風に、夫と居られたらいいなって考えちゃいました。

 

ジョン・ルルーシュ監督と岸恵子さんの素敵なトークも聞かせていただきました。

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。フランス映画祭作品、またしても、超!が二つですが、本当に良い作品だったので、お薦めしたいと思います。これは、若い方が観ても、こんな風に年を取って、好きな人と居られたら幸せだろうなって思えると思います。ぜひ、観に行ってみてください。公開は2020年1月だそうです。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「男と女Ⅲ 人生最良の日々(仮)」

http://www.unifrance.jp/festival/2019/films/1101/