「ガラスの城の約束」自分の成功も失敗も誰のせいでもない。両親が貧困でもそれが理由ではないんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ガラスの城の約束」を観てきました。

 

ストーリーは、

人気コラムニストのジャネットは、恋人との婚約も決まり、順風満帆な日々を送っていたが、ある日、ホームレスになっていた父親のレックスと再会する。かつて家族のために「ガラスの城」を建てるという夢をもっていた父レックスは、仕事がうまくいかなくなり、次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていった。高校生になったジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、親との関係を絶とうとしたが・・・。

というお話です。

 

 

1989年、ニューヨーク。ジャネット・ウォールズは「ニューヨーク・マガジン」で活躍する人気コラムニスト。富裕層が集まるマンハッタン、パークアベニューの瀟洒なアパートメントにファイナンシャル・アドバイザーである恋人・デヴィッドと暮らしている。


ある夜、彼の顧客と高級レストランで会話を交わす中、ジャネットの両親についての質問で、「母はアーティストで、父は起業家です。」と返答する。これは使い慣れた彼女の嘘。レストランからの帰り道、車道に飛び出してきたホームレスの男性を見かける。それは、ストリートで自由気ままに暮らす彼女の父・レックスだった。ジャネットは咄嗟に知らないふりを装うが、両親との想定外の生活を思い出していた。

 


 

ジャネットの父親はいつか家族のために「ガラスの城」を建てるという夢を持つエンジニア、母親は売れない画家で、彼らは定職につかず理想や夢ばかりを追い求め、自由気ままに暮らしていた。物理学や天文学などを教えてくれる父・レックスは、ジャネットたち兄弟にとってカリスマ的な存在で、幼いながらも聡明なジャネットのことを彼は「チビヤギ」と呼び、愛情を注いでいた。しかし、仕事が上手くいかず、レックスは次第に酒の量が増え、家で暴力をふるうようになります。

 

ある時、ジャネットは母親に言われ、ホットドッグのソーセージをフライパンで焼いていると、ガスレンジの火が彼女のスカートに燃え移り、火傷を負ってしまいます。病院に搬送され治療を受けたジャネットに、児童相談員が、育児放棄やDVを疑って質問をすると、それを聞いた父親が激怒し、一芝居討って、治療費を払わずにジャネットをさらって逃げてしまいます。

 

 

荒れる家の中、やがて、高校生になったジャネットは大学進学をきっかけに、ニューヨークへと旅立ち、両親との関係を断とうとする。しかし、両親は旅立つ子供たちを追って、ニューヨークに現れて・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

このお話、実話ベースで描かれているということに驚きました。現在はセレブになったジャネットが、自伝として出したものが、このお話です。子供の頃は、自由奔放な両親に振り回され、驚くような生活を続けていたというものです。

 

 

その驚くような生活っていうのが、確かに両親は子供たちに目一杯の愛情を与えているのは解るんだけど、でも、父親はDVで酒浸りになって、仕事は無いんです。母親は、そんな父親に見切りをつければ良いのに、どうしても夫をほおっておけず、彼と一緒にいることを選んでしまい、子供たちは、その犠牲になってしまうというものなんです。

 

お金が無いんだから、不法占拠して生活をして、ゴミ漁りをしたり、盗みのような事をしたりという、アメリカ版「万引き家族」なんです。それを、小さい頃からやらされているので、子供たちは、それが犯罪という意識が一切無く、転々としているので学校にも行かせてもらっておらず、何が正しいのかという事も知らないままなんです。酷いでしょ。

 

 

普通なら、母親が子供たちを連れて家を出るんだろうけど、そうならないから、子供たちは社会常識というものを知らずに育ってしまいます。ジャネットが火傷を負った時、病院の児童相談員が育児放棄を疑って、質問をするのですが、子供たちは、親に言われたことを信じているし、両親が好きだから、悪くは全く言わないんです。切ないでしょ。

 

でも、年齢と共に、何かが他の家と違うという事に気が付いて、ジャネットは、家を出る決意をしたのでした。私は、この両親、やっぱり酷い人たちだなと思いました。もちろん、愛情は与えてくれていたと思いますよ。でもね、親って、子供が巣立つまで、社会に出ても大丈夫なように教育を施してやるのが義務でしょ。何もせず、仕事にもつかず、酒浸りでDV、母親は育児放棄と言って良いほどに、自分はずっと”絵”を描いていて、子供に構っていないんです。学校に行かせてないなら、その分、勉強を教えたりが必要でしょ。それもせず、観ていて、子供たちが彼らのペットのように見えました。辞めて欲しいですよね。

 

 

主人公のジャネットは、ニューヨークに出てきて、成功したから良かったけど、これ、もし成功しなかったら、両親を恨んだだろうなぁ。いくら愛してくれていたと言っても、自分の未来を潰されたら、そりゃ、やりきれないだろうと思います。たまたま、彼女が成功したからこそ、本の出版があり、映画になった訳でしょ。ジャネットの努力の賜物だと思います。

 

いつも思うんだけど、生まれた境遇が悪いから悪人になるというのは間違っていて、どんなところに生まれても、善人にもなるし、悪人にもなるんです。それは本人の責任なの。貧しかったから犯罪者になったというのは、その人間がクズだっただけでしょ。そうならない人も沢山いるんだから。人のせいにするんじゃないっつーの。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画だと思います。人の人生って、本人の努力でどうにでもなるんだって事かしら。そして、もし幸せを手に入れられたら、それまでの酷かった過去も受け入れられて、良い思い出になるんだという事を教えてくれていると思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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