「ベン・イズ・バック」母の愛に感動したけど薬物依存になってしまった理由に驚きました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ベン・イズ・バック」の試写会に行ってきました。cocoさんサイトの独占試写会で、北斗晶さんとおおたわ史枝さんのトークショーが鑑賞後にありました。

 

ストーリーは、

クリスマスイブの朝、薬物依存症の治療施設で暮らす19歳のベンが突然自宅に帰り、家族を驚かせる。母ホリーが久々の再会に喜ぶ一方、妹アイビーと継父ニールは、ベンが何か問題を起こすのではないかと不安を抱く。両親はベンに1日だけ家で過ごすことを認めるが、その晩、一家が教会から帰宅すると、家の中が荒らされ愛犬が消えていた。昔の仲間の仕業だと確信したベンは愛犬を取り戻しに向かい、後を追ったホリーは息子の人生を食い荒らす恐ろしい事実を知る。息子を全力で守ることを決意するホリーだったが、ベンはホリーの前から姿を消してしまい・・・。

というお話です。

 

 

専業主婦のホリーは、クリスマスの用意に忙しくしていた。3人の子供を連れて買い物に行ったり、教会に行ったり、幸せに暮らしていた。教会から帰り、家の前に車を付けると、そこには19歳の息子ベンが突然に帰ってきていた。喜び抱き着くホリーだったが、ベンは、薬物依存症で治療施設に入っていたのだ。何故、帰ってきているのかと聞くと、クリスマスイブだから帰ることが許されたという。ホリーは喜んで迎え入れるが、長女のアイヴィーは兄を疑い、直ぐに父親に連絡を入れる。

 

ホリーは、前夫との間にベンとアイヴィーがあり、現在の夫であるニールと再婚し、二人の子供を儲けた。ベンは子供の頃の病気で与えられた薬により薬物依存に陥り、ドラッグ依存から抜けられずにいくつもの事件を起こし、ニールはベンの事で苦しむホリーを救け、ベンを薬物依存の治療施設に入れたのだった。

 

 

突然の帰省に驚く家族だが、下の2人の子供はクリスマスを一緒に過ごせるのを喜んでいる。しかしベンの薬物依存が治ったわけではないので、ホリーは家にある薬物を全て隠して、ベンをいつも自分の目の届くところに置くことで、なんとか平静を保っていた。

 

ニールは治療施設に連絡をすると、やはりベンは抜け出して帰ってきたようで、直ぐに帰るようにと促すが、ホリーはイブだけでも息子と過ごしたいと思い、ニールに頼んで1日だけ家で預かる事を了承させる。そしてクリスマスの買い物に行きたいというベンを連れて、ホリーはショッピングセンターへ行くが、そこでベンはドラックをやっていた頃の仲間に会い、帰ってきたことを知られてしまう。

 

 

その夜、教会へイブのミサへ行き、家に帰ると、家の中が荒らされ、犬のポンズが連れ去られていた。ベンは昔の仲間の仕業だと気が付き、犬を取り返すために飛び出していく。ホリーはベンを追い、彼を助ける為に動き出すのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画は考えさせられることが大きな映画でした。もちろん薬物依存の恐怖が描かれてはいるのですが、その薬物依存が本人の興味本位の意志で始まったわけではなく、ただ、普通に生活をしていて、病気になって、与えられた鎮痛剤などの薬によって、薬物依存に陥ったという事なんです。

 

 

私たちは、身体に異常があると病院に行きますよね。で、簡単に鎮痛剤とか睡眠導入剤や抗生物質を与えられて、素直に言われた通りに飲んでしまっていると思います。でもね、これで薬物依存に陥る事が多々あるそうなんです。私は全く知らなくて驚いたのですが、医者にも色々あり、簡単に薬を出す医者もいるようで、映画の中では、ベンを子供の頃に診ていた医者がそういう医者だったようで、映画の中で、ホリーが年を取ってボケてしまった医者に対して、”あなたのせいで。”って言う場面があるのですが、プロである医者がいい加減な対応で患者に薬を大量に出すなんて酷いですよね。プロならプロらしく、最後まで責任を持つべきです。

 

そんな恐ろしい事を教えてくれる内容でした。でも、主なストーリーは、母親の息子への愛です。どんなに息子が悪い事をしてしまっても、母親だけは息子の味方なんです。そして何があっても、息子を見捨てない。でもね、はたから見ると、バカっ母なんです。モンペアと言っていいほどだと思うけど、でも、それだけ息子を愛しているんですよ。周りの人が迷惑しようと、息子を助けたいという気持ちで突き進んでいくんです。周りも迷惑とは思うけど、でも、この愛の強さを観ると、仕方ないから協力するかっていう気もちになるんじゃないかな。

 

 

ホリーの強い愛に感動でした。息子のベンは、本当に見た目は普通なんです。もし、薬物依存に陥らなければ、本当に良い子で、明るい未来が見えたと思うんです。それなのに施設に入らなければならないようになってしまった。ホリーは、自分が息子への注意を怠ったせいだと、自分を責めているんだと思います。子供の頃に、沢山処方される薬に対して注意をすべきだったと思ったと思うんです。でもね、既に仕方が無い事。だって、息子を助ける為に病院へ連れて行ったわけだし、助ける為の病院でこんな事がなるとは思いませんもん。母親だったら、本当に辛いと思います。本当にホリーの気持ちになると泣けました。

 

 

この映画で良い所は、ホリーが息子を盲目的に守ろうとするのを、ちゃんと家族が見ていて、止めようとするところです。冷静に見て対処する方が、より良い結果だったはずだという事が解るんです。確かに母親の愛は大切だけど、誰かが冷静に見ていて、それを注意したり止めたりしなければ大変なことまで突き進んでしまうよという事も描いていて、良かったと思います。確かに、息子を助けようと思うと、突っ走っちゃうのが母親なのよね。だって自分の息子なんだもん。でも、そのままでは、母親も息子も壊れてしまう。誰かが間違っていることを指摘しないと壊れてしまうんです。それが、良く描かれていました。

 

私、この映画を観て、凄く考えさせられました。もちろん医者を選ぶ事も大切だと思ったけど、愛するあまり、息子の心に負担をかけてしまうこともあるんだなと思いました。もしホリーが冷静に対処して、早い内に息子を施設に返していれば良かったし、そうでなくても警察に助けを求めることも出来たのではないかと思いました。本当に難しいですね。愛は難しい。

 

 

映画を観た後に、北斗晶さんとおおたわ史枝先生がいらっしゃってお話をしてくださいました。北斗さんは、母親の目線からこの映画を語り、おおたわ先生は医者の立場と、実は彼女の母親がやはり病院で出された薬で薬物依存になり亡くなったそうで、そのお話もしてくださいました。市販の薬よりも、医者が処方する薬の方がとても強いので、出来るだけ飲まない方が良いのだそうです。鎮痛剤とか、睡眠導入剤とか、そういう薬を直ぐに処方する医者はダメみたいです。私も睡眠導入剤を処方されたことはありますが、先生は凄く渋って、気を付けて飲むようにって言われました。そんなに言われたので、実は飲んでいません。もしもどうしても眠れなかったら飲もうという御守り代わりに持っているだけにしています。誰もが安易に薬を飲むのを辞められると良いんですけどね。考えてしまいます。

 

監督は、あの「ギルバード・グレイプ」のピーター・ヘッジスさんです。そしてベンを演じているのは、監督の息子のルーカス・ヘッジスさんです。彼は、父親と仕事はしたくないと言っていたそうですが、ジュリア・ロバーツに乞われて、出演を決めたそうです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画は良かった。辛い映画だけど、色々なことを教えてくれます。そして、一度でも薬物依存してしまったら、まず、普通に回復することは難しいと思った方が良いという事が解ります。ドラッグなどで捕まって、直ぐに出てきて治りましたっていう芸能人とかいるけど、まず止められないようです。芸能界も、薬物汚染に関して、少し考えた方が良いんじゃないですかね。簡単に復帰出来るという甘えた風潮は変えて欲しいです。この映画、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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