「コレット」を観てきました。
ストーリーは、
フランスの片田舎で生まれ育ったコレットは、14歳年上の人気作家ウィリーと結婚し、それまでとは別世界のようなパリへと移り住む。芸術家たちが集うサロンで華やかな生活を送る中、コレットの文才に気づいたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に小説を書かせる。そうして彼女が執筆した「クロディーヌ」シリーズはベストセラーとなるが、コレットは自分が作者であることを世間に認められない葛藤に苦しめられることになる。
というお話です。
フランスの自然がいっぱいの田舎町サン・ソヴールで生まれ育ったコレット。豊かな自然と心優しい両親に囲まれながら平穏な日々を送る一方で、14歳年上の人気作家ウィリーと出会い、激しい恋に落ちていた。1893年、大人の女性へと成長したコレットは、結婚を機にそれまでとは別世界のパリへと移り住む。
“ベル・エポック”真っ只中の活気にあふれていた1890年代のパリ。コレットは夫のウィリーとともに芸術家たちの集うサロンへと足繫く通うことになる。初めは馴染めなかったコレットも、少しずつ新しい環境へ順応していき、いつの間にか享楽の世界に浸っていた。しかし、派手な暮らしの裏では、ウィリーの浪費癖が原因で借金はかさんでいくばかり。さらに、ウィリーは編集の勉強会と称して、ほかの作家たちに自分の作品を書かせていたのだった。
そんななか、コレットの才能にいち早く気が付いたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に自伝的な小説を書かせることに。その後、コレットが執筆した「クロディーヌ」シリーズは、社会現象を巻き起こすほどの一大ブームとなるのだった。革新的な商才のあったウィリーは、本の出版だけにとどまらず、舞台化やブランドを立ち上げることで幅広く商品を展開することを思いつく。そして・・・。
というお話です。
20世紀初頭に男性に潰されることなく、自分の生き方を貫いた女性がいたんですね。映画で初めて知りました。コレットも、最初は、他の女性と同じように男性に嫁いで、夫に言われるがままの生き方をしているのですが、ある時から、自分の意志を尊重し、夫の影にいるのではなく、自分が表舞台に立つという生き方を始めるんです。
夫のウィリーは見栄っ張りで、酷い男なんだけど、最初はとても優しそうなんです。14歳も年上で、コレットという若く美しい妻を貰いながらも、平気で浮気をする男でした。妻なら怒るよなぁと思いながらも、この時代は、男が浮気をしても、それほど悪い事という考え方ではなかったのか、問題にはなりません。でも、ある女性と夫が浮気をした時は怒りましたねぇ。ちょっとネタバレになるので、どうして怒ったのかは書きませんが、ちょっとスキャンダラスな事で問題になり、その事を小説にコレットが書くのですが、相手の女性の力が強くて、出版が出来ませんでした。うん、この辺りのお話は面白かったです。お楽しみに。
ウィリーは、コレットに小説を書かせて自分の作品として発表するのですが、確かにこの時代に女性作家の作品として出版していたら、これほどは売れなかったかも知れません。凄い話題となり、誰もが「クロディーヌ」という作品を読んでいるという感じになり、そのオフィシャルグッズ的なものまで売り出して、大儲けします。それなのに、ウィリーの浪費癖が酷く、お金は全く残りません。借金ばかりが増えていき、小説の権利まで売らなければならないくらい酷くなります。
さすがにコレットもキレて、まぁ、色々な展開をするのですが、当たり前ねぇ。良くここまで我慢したよ。男の付属品的に見られていた時代の女性が、とうとう反旗を翻すんですから、そりゃ、凄いです。でもね、自分が必死で書いた小説を、他人が偉そうに自分の小説だと言って、良いように使うなんて、やっぱり許せないでしょ。最後はキレますよ。
で、コレットは一躍有名になり、ココ・シャネルやジャン・コクトーと親しく交流し、沢山の作品を世に送り出し、作品を舞台化した時には、まだ無名だったオードリー・ヘップバーンを起用するなど、素晴らしい活躍をしました。フランス人からも愛されて、フランス人女性としては初めての国葬が行われるほどだったそうです。
キーラ・ナイトレイさんがコレットを演じているのですが、彼女は強い女性を演じると美しさが増すようですね。本当に輝くように美しくて、とっても気に入りました。もっともっと、映画に出て欲しい役者さんです。美しくて上手いなんて、本当に観たくなる女優さんです。他は、あまり映画では有名な俳優さんではなかったようですが、舞台には良く出ていらっしゃる方々のようで、演技は素晴らしく、映画も面白かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。でも、派手なお話ではないし伝記映画なので、淡々と出来事が進んでいき、面白い展開はありません。こんな女性がいたんだなぁと、私は感動しちゃって、”超”を付けましたが、あまり一般ウケはしなさそうな作品です。なので、単館系映画が好きな方以外は、あまり面白いと思わないかも。気になったら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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