イタリア映画祭2019「ひばり農園」を観てきました。14作目です。
ストーリーは、
トルコの裕福なアルメニア人家族は、イタリアに居住している親族を久々に歓迎する準備をしていた。しかし、彼らを取り巻く状況は急速に悪化の一途を辿っていた。
というお話です。
2007年に公開された映画で、今回はアンコール上映でした。前回、観ていないので、観てみました。
第一次世界大戦下のトルコ、1915年。「ひばり農園」に住む裕福なアルメニア人のアヴァキアン一家の家長が亡くなり、イタリアへ移住していた医師の長男アッサドゥールは相続の為に故郷へ戻ろうとしていた。
一方、ロシアの脅威の中で民族主義を強めるトルコは、アルメニア人の抹殺計画をたてる。アヴァキアン家の娘ヌニークにヨーロッパへの脱出を持ちかけたトルコ人兵士エゴンは、ロシア前線に送られてしまう。危険を感じながらも、動けずにいるアヴァキアン家の人々は、それでも今までのトルコ人との良好な関係が崩れるはずが無いと思っていた。
しかし、近隣のアルメニア人家族が不穏な気配を感じて「ひばり農園」に避難してくる。どうしたのかと思っていると、トルコ軍兵士たちが家を取り囲み、男たちはトルコ軍兵士によって惨殺され、女たちは強制移動の為に連行される。トルコ軍の上官が駆けつけて惨殺を止めようとするのだが、トルコ軍の方針がアルメニア人を排除することと決まったのだから、いくら上官に言われても止められないと言われ、以前は一緒に食事もしていたトルコ軍の上官は、ただ見つめるしかなかった。
イタリアにいるアッサドゥールは一族を救けに向おうとするが、トルコへの国境が閉鎖され、入国が出来ない。何とか助け出す為に自分が持っている株券などをトルコに送り、手配を出来る人間に渡して、アヴァキアン家の家族を助けて欲しいと託す。
「死の行軍」の中で、女たちは拷問やレイプといった暴力にさらされる。そんな中、家族への食べ物と引き替えに自分の身体を差し出す誇り高きヌニークに、若い兵士ユスフは敬意と愛情を抱きだす。しかし、情勢はどんどん悪くなり・・・。あとは、映画を観てくださいね。
これは日本公開は無いと思いますが、DVDで観れるかしら。トルコによるアルメニア人惨殺の歴史を描いています。凄く酷かった。驚きました。ヒトラーによるユダヤ人の惨殺も酷かったですが、このトルコによるアルメニア人惨殺も酷いです。男性は全て殺されるか、局部を切り取られて、女性は捕虜として収容所に連れてこられます。でも、収容所でも、マトモな食事は与えられず、餓死をする者が後を絶たず、それでも生きていた者は、最後には惨殺されたそうです。
この惨殺事件ですが、今も問題視されているそうです。戦争が起こると、どこでもこんな惨殺が行われ、誰かに責任を押し付けようとする軍部の考えが具体化してしまうことで起きるのだと思いました。日本もそうだったのだと思います。戦争は、沢山の人を狂わせて、沢山の命を奪ってしまいます。だから戦争は、ダメなんですよね。
話を戻して、こんな酷い歴史があった事を映画で知りました。歴史で、オスマン帝国(トルコ)がアルメニア人を虐殺したという事は習った気がしますが、こんなにも理不尽に起こったという事を初めて知りました。それまで、普通に同じ村の人々だと思って暮らしていたのに、突然、軍が押し寄せて、虐殺されるなんて、思ってもみなかったと思います。あまりにも酷いと思いました。
捕虜になっても、全然人間としては扱われず、逃げれば、生きたまま火あぶりにされるという酷い殺され方をしていました。女性や子供にそんなことが出来るなんて、やっぱり戦争で狂ってしまうのでしょうか。映画なのに、恐ろしかったです。監督は、事実に即して映画を作ったそうなので、本当なのでしょう。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、あまりにも恐ろしい内容で、日本では上映しなかったのかも知れません。でも、歴史的には重要な映画だと思いました。日本人だって、歴史は知るべきですよね。もし、この映画を観る機会があったら、ぜひ観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭2019 http://www.asahi.com/italia/2019/
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