【イタリア映画祭】「憶えてる?」彼と彼女が歩んだ長い時間をそれぞれに思い出して描き出します。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

イタリア映画祭2019「憶えてる?」を観てきました。13作目です。

 

ストーリーは、

「彼」はチャーミングだが皮肉屋。「彼女」ははつらつとしていて情熱的。お互いに一目惚れの2人は一緒に暮らし始めるが、次第に2人の関係は変容していく。

というお話です。

 

 

大学でローマ史を教える思索的でメランコリックな彼と、生命力にあふれ今を生きる大学生の彼女は、パーティーで出会い、互いに強く惹かれ合う。恋に落ちた二人は、互いの思いでを折に触れて語り合うが、彼の思い出が苦いものであるのに対して、彼女の思い出は幸福に彩られている。

 

二人は、かつて彼が家族と共に暮らしたアパートに暮らし始めるが、彼の暗い記憶ばかりが思い出される家で、彼女と暮らす内に、彼は幸福な記憶を取り戻していく。時を経て、二人の関係は変わって行き、彼女は高校の教師となり、父親の死を契機に自らの苦い過去を思い出し、憂鬱な彼の存在を次第に重苦しく感じるようになって行く。

 

 

彼女は彼に別れを告げ、二人で暮らす家を出る。彼は関係を修復しようとするが、既に彼女は他に惹かれる人が出来ており、別れに苦しむ彼は、新しい女性に出会う。

 

数年後、二人で住んでいた家を懐かしく思った彼女が彼に電話をすると、近々、彼が結婚式を行うと言い、彼女を招待する。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、凄く美しい映画なんです。主人公の彼と彼女は、名前を呼び合う事も無く、ただ、彼と彼女なのですが、その二人が、過去を思い出しながら、未来を進んでいくという内容で、凄く面白いと思いました。無駄なことを省いて、彼らの感情の動きだけを描き出すという感じで、これは素晴らしいなぁと思いました。

 

男女の関係って難しくて、どちらか一方が押しになると、どちらか一方が引いてしまうって事、多いでしょ。例えば、彼女が積極的になると、彼は全てに責任を持たなくちゃいけないなぁと思って、プレッシャーに思い、引いてしまうって多いと思うんです。そこで、引いてしまうと、彼女は、自分の事を思ってくれていないのかもと思ってしまい、今度は彼女の方が引いてしまう。彼がヤバいと思って、彼女の方を向いた時には既に遅しってあるよねぇ。凄く、そこら辺の描き方が、リアルだなぁと思いました。それを、美しい映像で、サラッと見せて、次に繋げてしまうところが、この監督の上手いところかなぁと思います。

 

 

彼は、子供の頃の家庭が複雑だったようで、両親の喧嘩とかをとっても覚えていて、暗い部分ばかりが頭の中に思い出されるんです。でもね、どんな家でも、辛かった事や楽しかった事、どちらもあると思うんです。いつもいつも楽しい訳がないんだから、過去にどんなに暗い事があっても、楽しい思い出も対で考えるように自分でしないと、自分が壊れてしまいます。いつもとは言いませんが、ポジティブシンキングを大切にしてください。

 

 

この彼女は、観ていて奔放な感じに見えました。彼の事を好きだけど、段々とマンネリ化するというか、いつも一緒にいるとそれが普通になっちゃうから、彼の良い部分が見えなくなってしまうのよね。夫婦でも、しばらくすると倦怠期ってくるじゃないですか。そんな感じで、他の人が良く見えたんじゃないかなぁと思いました。長く付き合っていれば、色々なことがあるよね。夫婦になっちゃえば、家族としての愛が出るから、また違うと思うけど。

 

そんな二人の過去と未来、そして現在が描かれていて、本当に美しかったなぁ。そんなに、難しいストーリーとかを考える映画ではなく、ただ、彼らが生きている時間をのんびり観ていればよい映画です。だから、これ、カップルとか夫婦に観て欲しいかな。長い時間を彼と彼女がそれぞれに生きて、それぞれの見方で世界を見て、そして共有する時間が在るという事が描かれていました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。これ”超!”を付けたいけど、日本公開してくれるかなぁ。とっても良い映画で、私は気に入ったんだけど、一般受けするかどうかは分かりません。私は、こういう雰囲気の映画が好きなのだけど、配給の方々が好んでくれるかは、分かりません。でも、私は好きでした。もし、公開することがあったり、観る機会があったら、ぜひ観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

イタリア映画祭2019  http://www.asahi.com/italia/2019/