イタリア映画祭2019「私が神」を観てきました。12作目です。
ストーリーは、
マッシモはローマでB&Bを営んでいたが、建物の老朽化が進んで客の入りは厳しく、のしかかる税金にあえぎ苦しんでいた。ひらめいた解決策は、B&Bを礼拝の場に変えて、宿泊者からは寄付金を受け取り、免税の優遇制度を利用すること。姉やイデオロギーの研究者を巻き込んで、新しい宗教を打ち立てようとする。
というお話です。
ローマで簡易宿泊施設(B&B)を経営しているマッシモ。マッシモの父親はとても金持ちで、経営者としての能力も高かったのですが、息子にはその才能が無い事を見抜き、自分の後継者には長女のアドリアーナを据えて、息子にはB&Bを譲ったのでした。
マッシモは、B&Bが老朽化してきて客足が遠退いていることに加え、高い税金を支払わなければならないことに苦悩していた。ある日、修道院のシスターたちが高級車に乗っているのを見かけ、不思議に思って修道院の宿泊所に泊まりに行くと、教会は礼拝の場所であり、宿泊金は寄付金扱いとなり、減税されるのだった。
そこで閃いたマッシモは、さっそく、姉のアドリアーナと宗教研究家のマルコの協力を得て、新興宗教を起こすことにする。教条は、「誰しもが神であり自分以外に神は存在しない。本能に従い、自分を崇拝せよ。」というものだった。徐々に信者は増えていき、数年後には教祖として絶対的な立場にまでなる。
そんなある日、信者で恋人のテレーザが生存率の低い病気にかかっていることを知る。しかし、彼女は”自分の心に従え”という教えに従い、手術は受けないという。税金逃れのための宗教だったのに、彼女の命を脅かすことになってしまったマッシモが取った行動とは・・・。あとは、映画を観てくださいね。
この映画、楽しいコメディなのですが、ちょっと驚きました。実は、私が建築を始めた最初の会社の上司がとっても面白い人で、宗教が一番儲かるから、お前一緒に宗教をやるかと言われたことがありました。もちろん冗談なのですが、結構、どうやったら最短で儲かるかと計画までしていて、このマッシモと同じようなことをすれば良いという所に行きついたんです。もちろん寄付を集めるのですが、こういう宿泊所を開いて、そこで活動を行い、全てのお金を寄付金として動かせば、税金がかからないんです。まぁ、日本では宗教法人を新しくやろうとすると、オウムの例があるので、簡単には出来ないと思うのですが、イタリアでも同じようなこと考える人がいるんだなぁと笑ってしまいました。
マッシモは、マジでいい加減な経営者で、宗教家の衣装として日本の羽織を着て、教祖だと偉そうに信者の前に立つんです。おいおい、それ羽織だから!って思うけど、平気なのよねぇ。そして、それを信じちゃう信者がどんどん集まっちゃって、大きな宗教団体になって行くんです。笑っちゃうでしょ。でも、人間の心理って怖いなと思ったのは、段々と、マッシモは教祖的な感じになって行くし、信者たちは、いい加減な言葉でも信じていくんです。全く疑わなくなっていくんですよ。それって、怖くないですか?ここら辺が、宗教の怖い所だと、凄くかんじました。
日本では、新興宗教が恐ろしいテロを起こすという事件があったから、そう簡単には宗教に騙されないだろうと私は思っていたけど、色々な話を聞くと、壺を買っちゃったり、ネックレスを買わされたりと、あるようですね。まぁ、それを信じてしまっている人に騙されていますよと言っても聞いてもらえないと思いますが、はっきり言って、どの宗教も、この映画でやっているようなインチキ宗教なので、本当に気を付けてくださいね。心の拠り所が欲しくて宗教に助けを求めるのだろうけど、宗教に金を払うくらいなら、自分のペットを飼って、ペットを心の拠り所にした方が良いですよ。それなら無駄じゃないですからね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、この映画も日本公開は決まっていません。面白いコメディですが、インチキ宗教のお話だし、どうなのかなぁ。まぁ、日本は、宗教に対して寛容なので、内容は大丈夫だと思いますけどね。もし、公開したら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭2019 http://www.asahi.com/italia/2019/
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