イタリア映画祭2019「カプリ島のレボリューション」を観てきました。3作目です。
ストーリーは、
第1次世界大戦開戦前の1914年、カプリ島。そこは、伝統的で女性軽視の風習が残っている一方で、自由と進歩を望む人々を島の外から呼び寄せる場所でもあった。読み書きができない20歳のルチアはヤギを飼って暮らすが、生活は厳しい。島には自由に生きる画家のセイブらのコミュニティーがあり、ルチアは彼らとの出会いで新しい生き方に目覚めていく。
というお話です。
第一次世界大戦前のイタリア、1914年。ヨーロッパ各地から集まった芸術家たちの一団がカプリ島にコミューンを作っていた。原始的生活に立ち返るためにヌーエィズムと菜食主義を実践する彼らは、手つかずの自然との関係にもとづく新しい表現形態を模索していた。
父母と兄二人と暮らすルチアは、読み書きも出来ず、羊飼いとして生活をしていた。ある日、逃げた羊を追いかけた先で、芸術家たちのコミューンを見た彼女は、今までに見たことの無い彼らの姿に惹かれ、コミューンに通うようになる。ルチアの父親の具合が悪くなり、亡くなってしまうと、兄はルチアを金持ちの老人に嫁がせようとし、それを嫌がったルチアはコミューンに居つき、グループのリーダーである画家・セイブと関係を持ってしまう。
コミューンに興味を持った医師のカルロは、セイブと語り合うがイデオロギーの溝は埋まらず、そんな中で生活をしていたルチアは、とうとう身体のバランスを崩して倒れ、カルロの病院に担ぎ込まれる。ルチアは、セイブに治療を頼むが、ルチアの病気は精神的な治療では治らないことが分かっており、医者の指示に従うようにと言われてしまう。
そんな時に戦争がはじまり、ルチアの兄たちや、島の若者たちは、皆、召集令状や志願により、兵士として戦争に行き始める。セイブたちのコミューンへの不信感も生まれ、戦争に行く兄たちも受け入れたくないルチアがとった行動とは・・・。あとは、映画を観てくださいね。
戦争前の時代に、何も知識が無かった女性が、どんどん新しい事を覚え、知識を増やして、自分がどうあるべきなのかという事を自覚して行くというお話でした。何も知らないときは、コミューンのリーダーであるセイブにくっついて歩いているヒヨコのようなルチアでしたが、段々と意志を示していくんです。
でも、この時代、何が幸せだったんでしょうね。ルチアの兄たちが、老人に嫁がせようとするのですが、確かにイヤだけど、兄たちにすれば、裕福で食うに困らない男に嫁がせてやりたいという気持ちがあったんだと思うんです。それまで女の子なのに羊飼いをして、山を歩いていたんですから、楽に暮らせる方が妹には幸せだと思ったんだと思います。
ルチアはコミューンに行ってしまい、帰らなくなるのですが、このコミューンって、ある意味、カルト教団みたいなもんですよ。菜食主義で自然に暮らすという事を掲げて、芸術家を気取っているのですが、只の自己満足集団だと思うんです。毎日、マスターベーションをして喜んでいる集団ですよ。問題が起きると外の世界に頼るんだから、覚悟が無さ過ぎです。自分たちは他の人とはレベルが違うんだと思っているような奴ら。私の大嫌いな人種ですね。
色々な世界を見始めたルチアは、自分の未熟さを知ることになり、そして、自分で一歩踏み出すことが必要なのだという事に気が付きます。そうそう、誰もがそうやって大人になって行くんだよ。うんうん、って思っちゃいました。
私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。うーん、面白いと言えば面白いんだけど、私が、このコミューン的なものが大嫌いなので、自己満足を主張する奴らの話を聞いているとイライラしちゃって、何ともなぁ。でも、大きな時代の流れの中で覚醒していく女性の姿が描かれていて、良い映画だと思いました。まだ、日本公開は決まっていないようですが、もし、機会があったら、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭2019 http://www.asahi.com/italia/2019/
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