「町田くんの世界」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
運動も勉強も苦手で、見た目も地味で、何も取り柄がなさそうに見える町田くんには、人を愛することにかけてズバ抜けた才能があった。困った人のことは絶対に見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ町田くん。しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さんは、これまでの人々とは違っていた。初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく。
というお話です。
ある街に住む高校生の町田くん。両親と5人兄弟の長男で、今も母のお腹には兄弟が入っている。お腹の大きい母親を助ける為、妹と分担して家事をこなす毎日です。運動も勉強も苦手で、特に足が遅く、変な走り方をします。普通の男の子なのですが、一つ、彼には人と違う所があります。町田くんは、異常に親切なんです。正直者で親切、みんなの事が好きで、みんなの為に生きているという感じなんです。
ある日、母がハンバーグが食べたいというので、ハンバーグのレシピなどを考えていると、美術の彫塑の時間に板に動物を彫るはずが、「ハンバーグ」と彫ってしまい、慌てた町田くんは彫刻刀で怪我をしてしまいます。急いで保健室に行くと、保健の先生がおらず、そこにいたクラスメイトの猪原さんが町田くんの手当てをしてくれます。何となくお互いを気にし始める二人。
それまで、みんなを”好き”という事は当たり前だったけど、”恋”という感情を知らなかった町田くんは、猪原さんが町田くんに求めることが理解出来ません。猪原さんを好きなんだけど、段々とその気持ちがいつもの好きと違ってきて、頭の中が混乱してきてしまいます。
そんなアブアブしている町田くんを、好きだけど耐えられなくなった猪原さんは、とうとう町田くんに”逢いたくない!”と言ってしまいます。町田くんは大慌てで焦りますが、どう行動したら良いのか解かりません。すると、それまで町田くんが親切にしてあげていた友達たちが協力してくれて、恋というものを教えようと・・・。あとは、映画を観てくださいね。
もー、この映画、最高です。石井監督、”神っ!”。これは誰が観ても幸せになれるし、本当に良い映画だと思いました。「この世界は悪意に満ちている。」という言葉から始まるのだけど、SNSとか見ていると、沢山の悪意が量産されていますよね。だけど、誰かが一言助ける言葉をかけることで、みんなが間違っているという事に気が付くこともあるでしょ。そんな一言を言うのが、この町田くんなんです。
町田くんの家庭は、ごく普通の家庭で、兄弟6人。父親は学者らしくて、海外に出ていることが多いみたいだけど、すっごく家族を愛しているんです。母親も、肩から力が抜けたような人で、何かあっても「出来ないなら仕方ないじゃん。」って言ってくれるような人なんです。兄弟も素直で元気で普通の子たちで、長男の一だけ、ちょっと不思議ちゃんなのでした。いつも誰かを助けていて、助けすぎて、親切すぎて、好きな子がヤキモチを焼くという、なんとも面白い展開なんです。
キャストが凄くて、父が北村さん、母が松嶋さん、町田くんを観察する記者が池松くん、その妻が戸田さん、彼の勤め先の編集長が佐藤さん。町田くんのクラスメイトが、前田さん、岩田さん、高畑さん、大賀さん、なんです。町田くんと猪原さんだけが、新人なんだけど、この二人も光ってて良いんですよ。高校生と言いながら、前田さんとか子供産んだばっかだし、岩田くんだってと思ったんだけど、それが、恐ろしいほどに違和感が無いんです。前田さんなんて、超上手くて、完璧高校生でした。前田さんは、本当に上手くなりましたよねぇ。彼女はこの映画の見どころの一つだと思います。温かく町田くんを見守りながら、シブい言葉を飛ばすところが、なんとも良かったです。
それにしても、町田くんの走り方、笑えたなぁ。沢山走る場面があるんだけど、何度見ても笑っちゃうのよ。あの”ぼのぼの”がべたべた歩く感じなの。面白いでしょ。そんな走り方で大好きな猪原さんの後を追っていくんだけど、どう考えても追いつくはずが無く、猪原さんがゆっくり走ってくれるという、笑っちゃう展開なんです。可愛かったなぁ。
これだけ沢山の人が出ているんだから、色々なエピソードがあるんだけど、それを書いちゃったらネタバレになるから書きません。でも、どれも感動出来て、”うんうん”ってうなずいちゃう様なお話でした。やっぱり、石井監督、上手いですよねぇ。
最近の邦画って、高校生のラブストーリーとか、いつも同じ内容ばかりで観たくないと思っていたのですが、今回は全く違いました。これは、高校生のラブストーリーだけど、それが中心じゃないんです。人間が生きて行く上で、本当に大切なことって何なんだろうって考えさせてくれる内容なんです。とても大切なことを描いてくれている映画でした。
ファンタジーでヒューマンドラマです。途中で、はぁ?という展開になるところもありますが、それは、彼らの気持ちの比喩と考えれば、何てことも無く受け入れられるし、良いと思いました。こういう部分を優しく受け止めて、創造力を張り巡らせて、彼らの世界を感じていく映画だと思います。
もう、どこまでも感想を書いてしまいそうなのですが、これ以上書くとネタバレしちゃいそうだから、ここら辺で止めておかなくちゃ。でも、この映画、公開されたら、絶対にまた観に行くと思います。だって、優しくなれるんですもん。この世界にいると、心が空っカラになってしまう時ってあるでしょ。そんな時に観たら、まぁ、イイかって思って、優しくなれそうな気がします。
あ、最後になっちゃったけど、町田くんを演じている細田くん、いつもメガネをかけていて可愛い子って感じだけど、メガネを取ると、超イケメンです。まだ高校生なので、これからがすっごく楽しみな子です。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。早く公開して欲しいなぁ。公開は6月7日なのですが、私は待ちきれません。早くみんなに観て欲しいなって思います。でも、仕方ないから、もう少し待っていてくださいね。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S : 主題歌は平井堅さんでした。良い曲でしたよ。
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