「アガサ・クリスティー ねじれた家」を観てきました。
ストーリーは、
無一文から巨万の富を築いた大富豪レオニデスが毒殺され、私立探偵のチャールズは、レオニデスの孫娘で元恋人のソフィアから捜査を依頼される。レオニデスの屋敷には3世代にわたる一族が勢ぞろいしており、巨額の遺産をめぐって疑惑や嫉妬、憎悪が入り乱れていた。捜査を開始したチャールズは、ソフィアを含めた一族全員に殺害の動機があることに気づく。そして真相に近づいていく中で、第2の殺人が起こり・・・。
というお話です。
私立探偵チャールズの事務所に、ある女性が訪ねてくる。彼女はソフィア。先日、亡くなったイギリスの大富豪レオニデスの孫娘だ。チャールズとソフィアは、チャールズがエジプトの大使館に勤めていた時、カイロで出会い付き合っていたが、カイロを離れると同時に別れたのだった。
ソフィアはチャールズに、祖父のレオニデスは自殺ではなく他殺だと思うから調べて欲しいと、仕事の依頼に来たのだった。チャールズは断るが、やはりどうしても気になってしまい、引き受けるのだった。
調査をしてみると、家族の誰にでも殺す動機がある。元からあった遺言書にはレオニデスの署名は無く、遺言書が無い事から、遺産は全て若い後妻に行くことになってしまう。後妻には愛人がおり、レオニデスの長男・次男とも、お金に困っていた。
孫のソフィアとその弟、末娘のジョゼフィンの3人は、祖父や両親のドロドロした部分を見せられ、呆れてみていた。しかし祖父が殺されたとなれば、その犯人は見つけて欲しいと思い、ソフィアはチャールズに頼み、ジョゼフィンは自分で調べて、日記に書き入れているようだった。
調査を進めていくと、新しい遺言書が見つかり、そこにはソフィアに全財産を譲ると書かれており、署名もされていた。そして今度はジョゼフィンが殺されそうになり病院へ運ばれ、その後、ジョゼフィンの乳母がジョゼフィン用のココアを飲んで殺されてしまう。毒が入っていたらしい。そんな中、後妻と愛人の恋文が見つかり、二人の容疑が濃厚になっていく。
しかし、当主が殺され、次に何故ジョゼフィンが狙われることになるのか。チャールズは、ジョゼフィンが書いていた日記に何か秘密があるのではないかと探し始めるのだが・・・。あとは、映画を観てくださいね。
この映画、あまり上映館が無いからなのか、横浜のジャック&ベティでは、満席で補助席を出すほどでした。こんなに人気なのに、何でシネコンとかでやらないんでしょうね。不思議です。
それにしても、アガサ・クリスティーの人気は不動ですね。確かに面白いですもん。今作も、面白かったです。確かに今観ると、同じような展開&トリックは沢山あると思うけど、この作品、1949年に書かれた小説ですからね。この作品が最初なんです。パクっているのは、他の作品なんですよ。凄いですよね。
現代劇にはなっているのですが、進め方などがとてもレトロっぽく作られています。特に、ラストはチャップリンの映画のように、結末がドーンと出たと思ったら「END」の文字が出て、スッと終ってエンディングに行きます。観ている人々がザワついていましたが、この小説が書かれた時代の事を思ったら、まぁ、当たり前の終わり方なんですけど、皆さん、驚いたようです。古い映画っぽい終わり方をしたので、私は、無理やりに古く見せて、”家が元祖なんじゃ~!”って主張したのかなと思いました。
それにしても、古い時代に、このラストは衝撃だったでしょうね。今、やっと”サイコパス”とか多重人格とか、そんな言葉が出てきて、精神的な問題も小説に取り入れられるようになったけど、昔は、こんな事あり得ないって言われて、却下されていただろうと思います。面白かったなぁ。まさか、アガサ・クリスティーの小説で、この衝撃の終り方をするとは驚きでした。まぁ、でも、現代なら、良くある話かなぁなんて思っちゃいます。現実でもね。
このレオニデスはギリシャ人で、イギリスに渡ってきてから、成功して大富豪になったという設定なんです。どこかで聞いた話でしょ。ほら、あのオナシスとか。あの人もギリシャ人でしたよね。でも、大富豪という言葉は沢山出てきたけど、何で儲けて大富豪になったという事は、一切出てきませんでした。
そういえば、グレン・クローズが大叔母役で、この家では偉い人っぽかったけど、レオニデスの長男の嫁役を、ジリアン・アンダーソンが演じていました。彼女を見ると、「X-File」を思い出します。年を取りましたねぇ。美しいですけど。テレンス・スタンプが、警部役で出ていました。
キャストが豪華で、誰が犯人が、本当に最後の最後まで分からないので、とても楽しめますよ。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ちょっと粗っぽい作りのように見える部分もありますが、全体的にはとても楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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