「ある少年の告白」人と違っていたら同じに直すという考え方って、間違ってますよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ある少年の告白」を観てきました。

 

ストーリーは、

アメリカの田舎町で暮らす大学生のジャレッドは、牧師の父と母のひとり息子として何不自由なく育ってきた。そんなある日、彼はある出来事をきっかけに、自分は男性のことが好きだと気づく。両親は息子の告白を受け止めきれず、同性愛を「治す」という転向療法への参加を勧めるが、ジャレッドがそこで目にした口外禁止のプログラム内容は驚くべきものだった。自身を偽って生きることを強いる施設に疑問と憤りを感じた彼は、ある行動を起こす。

というお話です。

 

 

アメリカの田舎町にあるプロテスタント教会の牧師の息子であるジャレッドは、何不自由なく育つ。高校までは近所の幼馴染と付き合っていたが、どうしても彼女に興奮を覚えず、求められてもSEが出来ない。

 

高校卒業と同時に彼女と別れ、大学生になり、大学の寮に入る。そこで、色々な友達と出会うが、一緒にランニングをする親友が出来る。気も合い、いつも一緒に遊ぶようになるのだが、ある日、同室の友達が留守で、ジャレッドの部屋に友人が泊まる。そして友人に迫られて、ジャレッドは自分の性癖に気が付き、自分が同性愛者であることを認識する。

 

 

そんな事があった後、実家に帰ると、匿名の電話があり、両親にジャレッドがゲイだと言いつけたらしい。内容は誤解だと両親に言うが、自分の趣向は、確かに同性愛だという事を告白したジャレッド。両親は、驚き、特に父親は、教会の長老たちに相談し、同性愛などの性癖を矯正する施設にジャレッドを入所させるようという事になってしまう。

 

ジャレッドは、両親の教えに従い、矯正出来るならと施設に行くことに同意をする。そして、施設での教えに従い、色々なカリキュラムをこなしていくのだったが、一向に趣向が変わることも無く、ジャレッドは、これほどの屈辱を受けながらも続ける意味があるのかと考え始める。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、実話を元に作られているんです。原作者のガラルドさんが、こういう矯正施設に入れられて、苦労をして、両親に認めて貰った過去を本にして、それが映画になったのでした。

 

日本だと、最近は、人の趣向に関して文句を言うなという風潮が出てきているし、LGBTも認識されているので、表向きには、差別などは無いと思いますが、やっぱり個人レベルだと、出てくるのでしょうね。「きのう何食べた?」のドラマであった会話なのですが、”他人なら認めるけど、子供に同性愛だと言われたら、慌ててしまう。”と佳代子さんがシロさんに言うんです。これが現実だと思います。普段は認めていても、いざ自分の家族に言われたら、そう簡単には”そうなんだ”とは言えませんよね。

 

 

やっぱり、家族には時間をかけて理解をしてもらうしか無いと思うんです。この映画でも、両親は理解をしようと努力をするのですが、簡単には無理ですよね。だって、自分の中には無い感情なんですから。自分が知らないことは、簡単には理解が出来ません。少しづつ理解を深めていくしかないんです。

 

でも、こんな矯正施設があるとは驚きました。大体、趣向を矯正なんて出来ないのは判り切っているのに、どうしてこんな矯正施設があるのか理解が出来ません。もうこれほど医学的に解明しているのに、矯正出来ると信じて子供を預けるなんて、あまりにも頭が悪いとしか思えないです。もし、医学が進歩して、脳内の電気信号を変換して、記憶や趣向の書き換えが出来るようになったらあり得るかもしれませんが、それって人道的に許されない事ですよね。

 

 

確かに、聖書には同性愛はダメと書いてあるのですが、それは未来の為に子孫を残すという行為以外での性行為は罪、と言っているくくりに入っているだけなので、愛を確認するためなら許されると思うんです。だって、隣人を愛せよでしょ。本当に心から愛しているなら、それは神様だって許してくれると思うんですよ。だって、仕方ないですよね、愛しているんだから。神様だって、それを止めることは出来ませんよ。きっと、祝福してくれると思います。

 

 

矯正施設では、まぁ、色々な矯正プログラムがあるのですが、一言では伝えられないほど、屈辱的な感じでした。叩いたからって、悪魔なんて出てこないっつーの!大体、悪魔なんて入ってないんだから。もー、あり得ないことが多くて、よく”てめー、いい加減にしろっ!”って言わなかったわよねって思っちゃった。

 

なんか、驚くほど名優が出ていました。ニコール・キッドマンとラッセル・クロウが両親だし、ジョエル・エドガートンが矯正施設の先生だし、施設での仲間にグザヴィエ・ドランがいました。他にもイケメンぞろいなんだけど、内容が結構辛いものなので、イケメンを楽しむという感じではないかな。でも、とっても楽しめますよ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。どんなにLGBTの理解が進んでも、やっぱり家族は、自分が常識と思っていることと違う事を告白されれば、簡単には受け入れられません。それを責めずに、ゆっくり理解してもらう努力をすることが大切だと思いました。じゃないと可哀想ですよ。頭の中、ぐるぐるしちゃうもん。お互いに相手の事も考えてあげて、理解しあうべきですよね。そんな風に思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ある少年の告白|映画情報のぴあ映画生活