舞台「LIFE LIFE LIFE」を観てきました。
ストーリーは、
とある晩。
天体物理学者アンリとキャリアウーマンのソニア夫婦の自宅では、
なかたなk寝ついてくれない子供に手を焼いていた。子育てをめぐるそれぞれの意識の違いは、夫婦の間に不穏な空気を孕んでいる。
と、そこへ、突然けたたましく玄関の呼び鈴が鳴り響いた。
なんと扉の外には、翌日のディナーに招いていたはずの客人が立っていた!アンリの上司であるユペールとイネスのフィニドリィ夫妻だ。
研究者としてなかなか成果をあげられず焦りを感じていたアンリにとって、この夕食会は、成否次第で上司の心証を左右する、大切なイベントになるはずだった。予期せぬ突然の来訪に、慌てふためくアンリとソニア。
とはいえ、フィニドリィ夫妻を家の中に入れないわけにもいかない。
今出せるものといったら、食べ残しのフィンガーチョコ程度しかないという最悪の状況だ。こうして、冷や汗と脂汗をたっぷりかきながらのスリリングな夕食会が幕を開ける。
悲惨なシチュエーションから始まる(3つのヴァージョンの物語)は、果たしてそれぞれどこへ向かうのだろうか。
というお話です。
「おとなのけんか」の脚本を書いたヤスミナ・レザさんの作品で、ある夫婦と彼らと関わる夫婦の一晩のお話を、3パターンで繰り返すというものでした。
同じ舞台、同じ内容なのに、違うんです。それぞれの人物の考え方も行動も違うし、思惑も違う。発端は、上司夫妻が訪ねてくるという約束を、一日間違えていたアンリとソニアの夫婦なんです。もちろん、間違えていたので、何の用意もしておらず、ワインはあったけど、食べ物が無いという始末。子供のおやつだったフィンガーチョコをつまみに、ワインで乾杯をして、その場をやり過ごそうとするアンリ夫妻。そんなことは知らずに、部下のアンリの研究の進捗状況を確認し、こっそりソニアにちょっかいを出すユベール。何かを感じながらも、上司の妻として、少し高い位置から見下ろすような話し方をしているイネス。
誰もが、胸の中に思惑を抱きながら、その場をやり過ごそうと会話を続けていくんです。その表面上の会話の軽さと、その会話の裏にあるそれぞれの立場と考え、そして今後の展開をも思わせる言葉に、何とも不思議な感覚を覚える舞台でした。
ホールの真ん中に舞台があり、そこがアンリの家のリビングとなっていて、彼らをちょっと上から覗き見ているような感覚で観る舞台でした。私は、前から2列目の席で、すぐそこに役者さんたちが居て、演技をしているので、ちょっと楽しくなっちゃいました。今にも、”これ食べる?”って言われそうで、面白いんですよ。
結構、このセンター舞台って面白いんですよ。段田さんの舞台では、「不信~彼女が嘘をつく理由」がセンターだったのですが、そちらも面白かったなぁ。でも、今回のセンターが特殊なのは、四方にお客さんがいたことかな。真ん中にあって、右左と2方向からというのは多いけど、4方向から、まるでコロッセオみたいな感じで舞台を見るというのは、あまり今まで無かったものでした。
4人の舞台だったのですが、4人とも、舞台は慣れたもので上手いので、何の違和感も無く、スッと観ることが出来ました。同じ人物を演じているのに、その時々によって表情を変えるキャラクターたちを、性格まで変えて演じているようで、楽しかったです。だって、アンリとソニアを演じる稲垣さんとともさかさんは、毎回、子供に対しての雰囲気が違って、面白かったなぁ。ある時は冷たいように見えたり、ある時は過保護見えたり、色々な顔が楽しめました。段田さんと大竹さんの上司夫妻は、ちょっとコメディチックで笑えたなぁ。まず、大竹さんが、ストッキングが伝線しているから帰りますってダダをこねているところが、可愛くて好きでした。大竹さんは、おいくつになっても、本当に可愛くて、年齢を感じさせませんよね。素敵な女優さんで大好きです。
この舞台、もっと早く感想を書きたかったんだけど、イタリア映画祭に入ってしまい、遅くなってしまいました。舞台は、先日、千秋楽を迎えて、大盛況のうちに終わったようです。また、ケラさんの作品、観たいなぁ。もちろん、稲垣さん、ともさかさん、段田さん、大竹さんの舞台も、また観たいです。4人とも、尖った部分が無い役者さんで、観ていて、とても幸せになるんですよねぇ。もっと舞台でも観たいし、色々なところで観たいなぁ。
私は、この舞台、超!お薦めしたいと思いました。でも、終わってしまったので、もし、映像などで観る機会があったら、観てみてくださいね。まさ、再演をしてくださったら、面白いと思います。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
LIFE LIFE LIFE http://www.siscompany.com/life/gai.htm
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