「ソローキンの見た桜」を観てきました。
ストーリーは、
2018年、駆け出しのテレビディレクター桜子はロシア兵墓地の取材のためロシアに行くことになっていたが、その仕事に興味を持てずにいた。日露戦争時の愛媛県松山市、ロシア兵捕虜収容所。傷ついたロシア兵捕虜の看護にあたっていたゆいは戦争で兄を亡くしたため、心の奥底ではロシア兵を許すことができなかった。そんな思いを知ったロシア軍少尉ソローキンは、いつかその悲しみを取り除いてあげたいと心から願っていた。やがて2人は敵国同士という立場でありながら、次第に惹かれあっていく。
というお話です。
2018年、テレビディレクターの桜子は、地元の町にあるロシア兵捕虜の墓の取材を行っていた。収録も無事に終り、一息ついたところで、先輩に話しかけられる。死んだとされるロシア兵捕虜の墓の数が1つ足りないらしい。歴史の中に埋もれて、一人の兵士が逃げてロシアへ帰ったという話があり、真相を調べる為に、先輩と一緒にロシア取材に行って欲しいと言われる。仕事という事で、仕方なくロシア取材に同行することとなる。
日露戦争時、愛媛県松山市のロシア兵捕虜収容所。怪我をしたロシア兵捕虜の看護をしていた”ゆい”は、戦争で兄を亡くしていて、ロシア兵を看護しながらも、ロシア兵への憎しみを消すことが出来なかった。松山の捕虜収容所は条約に則っており、捕虜への待遇は良く、自由もあった。
ある日、捕虜の一人であるソローキン少尉は、看護師のゆいが気にかかり始め、ゆいもソローキンが気になり始める。しかし、兄を殺したロシアの兵士という憎しみを消せないゆいに、ソローキンは、いつかその憎しみを消して解り合いたいという思いと誠意を見せ続ける。そして、二人は、お互いに思いを確認し、こっそりと付き合い始める。
そんな時、ゆいの家はお金に困っていて、ゆいを裕福な商家の息子と結婚させようとしていた。その時代は親が決めた結婚相手を拒むことは出来ず、ゆいはソローキンへの思いと、結婚とに挟まれ、苦しむことに。ソローキンは、ロシアへ帰り、ロシア革命を同士と共に起こすために動き始め、収容所を抜けて帰国したいと考え、ゆいを連れて逃げることを計画し始める。しかしそう簡単に事は運ばず、ゆいの結婚は迫って行く。そして・・・。
桜子は、ロシアの取材に行く前に、祖母に、ソローキンと思い合ったゆいが自分の祖先であることを告げられ、彼女の日記を手渡される。そしてロシアでは、ソローキンの日記を取材し、お互いの思いと、二人に何があったのかを知ることになる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、良かったなぁ。戦争時、こんな事ももしかしたらあったのかもしれないと思ったら、切なくなります。人間同士だったら、敵だったとしても思い合うことだってあるだろうし、戦争での殺し合いと、人間の気持ちとは違いますからね。でも、それをスッキリ分けて考えることも、人間には難しい事であり、つくづく戦争はイヤだなぁと思いました。
考えてみたら、この時代、まだロシアは革命前で、ロシア帝国だったんですよね。それが何度かの革命が起きて、ソヴィエト連邦国になったんだから、長い歴史です。そのソヴィエトも崩壊して、今はロシアでしょ。ロシアって、近くて遠い感じの国ですけど、日本とは、こんな交流もあったんですね。日本は、アメリカの属国になってしまったから、ロシアとも、あまり交流という感じがありませんが、本当は近い国なんだから、仲良く出来たらなぁと思います。
戦争時のロミオとジュリエット的なお話ですが、ただ悲しいだけの話ではなく、二人の深く大きな愛が、その子孫に引き継がれて、日本とロシアを繋ぐ架け橋になるというお話で、感動でした。今の時代のように、自由に恋愛出来る訳では無かったと思うけど、そんな中でも、惹かれあって、お互いを思い合う気持ちが美しく描かれていました。
あんまり書くと、二人がどうなったのか、ネタバレしちゃうから書けませんが、まぁ、戦争時代に、異国同士の恋人が上手く行く訳が無いですよね。周りの目もあるし、いくら松山の捕虜収容所が寛大であったとしても、許されるわけがありません。なので、二人がどのような末路を辿ったのかは、ロミジュリというように、何となく分かるとは思いますが、それでも、思い合っていた二人は、幸せな生き方が出来たのではないかと思います。
そんな自分の祖先を知ることになる桜子は、驚きと感動をロシアで味わったと思います。桜子役の阿部さんは、ゆい役も演じていて、とても良かったです。この先輩役を斉藤さんが演じていて、それほど出てくる訳ではないのですが、印象を残しました。ロシア人たちを演じていた役者さんも良かったです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。観終わってみると、ちょっと上手く行きすぎのような気持ちになりますが、それでも感動作でした。私は、良かったと思います。年配の方は、戦争時代の大変さを思うでしょうし、若い人も、戦争時代だって恋愛はあったんだという事を理解出来ると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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