舞台「世界は一人」を観てきました。
ストーリーは、
舞台は、かつて巨大な製鉄所を中心に栄えたが、今は寂れ切ってシャッター街となった海辺のある街。そこに生まれ育った同級生3人、森吾郎、田辺美子、佐々木良平の、人生のねじれと交わり。
吾郎は、父と母に溺愛されて育つ。美子の家は裕福だが、彼女は母の愛情を知らない。良平は、そんな二人に、言い知れぬ感情を抱いている。彼らの関係は、少しづつ変化しながら、それでもずっと続いていく。
友達の沢本のように青春を謳歌出来ない美子を、吾郎と良平はそれぞれの思いを持って見つめていた。やがて大人になり、もう二度と交わることが無いと思われた彼らの人生が、海辺の街から遠く離れた場所で、再び結びつく。
そしてそこから1つの命が誕生する。それが、吾郎と美子の娘・藍だった。
というお話です。
お泊り会の時に、オネショをしてしまった事を隠すためにやった、ちょっとのことが、その子供たちの人生を変えていくという、どこまでも深いクラインの壺のような作品でした。一見、明るくて、楽しそうに演じているように見えるんだけど、凄くドロドロしたものが根底に溢れていて、出ている人間たちも、一緒に暮らしていたり、友達だったりするんだけど、全く信頼しあっていないような、そんな風に見えました。
彼らが生まれ育った町の運命と同じように、彼らの人生も変わって行くんです。見た目はとても栄えていて、誰もが裕福層に見えていたのに、裏から出ていたヘドロがたまって、有害物質が検出されて、そのヘドロを取り除いたというんだけど、じゃ、そのヘドロはどこに行ったのか。掘り起こしたけど、やっぱりそこら辺に埋めているんじゃないのかって事なんですよ。
観ていると凄く面白くて、ちょっと不気味で綺麗なんだけど、後から考えると、本当に怖くなるお話でした。この内容って、考えれば考えるほど、私は怖くなってしまって、ちょっと落ち込みました。
でも、演劇としては、心にズシッと伝わるものがあり、とても考えさせられて、心に響きました。観て良かったと思える舞台でした。
私は、この舞台、お薦めしたいと思います。といっても、既に終わっていると思います。私が感想を書くのが遅くなってしまいました。だって、凄く考えてしまって、書こうと思っても書けなかったんですもん。
もし、映像で観れるようなことがあれば、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
世界は一人 http://www.parco-play.com/s/program/sekai/