「マックイーン モードの反逆児」の試写会に行ってきました。この試写会は、Fan’s Voice(@fansvoicejp)さんの独占試写会でした。
ドキュメンタリー映画なので、内容は、
1969年にロンドンの労働者階級に生まれ、23歳で失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビューしたマックイーンは、27歳の若さでジバンシィのデザイナーに大抜擢される。自身のブランドで展開した過激なショーから「モードの反逆児」と呼ばれる一方、ボウイやガガなどの衣装、ビョークのMV監督、プーマやティム・バートンとのコラボなど精力的に活動を展開し、34歳で大英帝国勲章を授与される。しかし、成功の絶頂の中で2010年に40歳の若さで自ら命を断ってしまう。
という映画です。
ドキュメンタリー映画なのに、本当にストーリーを作ったような人生で驚きました。駆け抜けるように輝き続け、強い光を放ちすぎて燃え尽きてしまったというような印象だったんです。ぱっと見は、まるでいたずら坊主なんだけど、その才能は底知れず、毎年のコレクションでは誰もが驚き、その芸術性を褒めたたえていたそうです。
私は、彼が輝いていた時代をほとんど知りませんが、映画の中で、そのショーを見ると、とんでもないんです。ショーの最後に、白いドレスを着た女性がステージ上に立つと、そこへロボットアームが2体出てきて、スプレーで白いドレスに色を付け始めるという演出なんです。一瞬、はぁ?という感じなのですが、白いドレスに黄色や黒で色が付いていき、ドレスの雰囲気がガラッと変わって行く様は、圧巻でした。
他のショーのラストでステージの真ん中の箱が開くと、裸のでっぷりした女性が寝そべっているんです。とってもグロテスクな感じで、有名な写真を模したらしいのですが、その衝撃も凄かったです。その他にも、ケイト・モスのホログラムをショーで使ったりと、面白い趣向が沢山使われていました。
彼は、才能はあったけど、出身が労働階級だったので、沢山の差別を受けて大変だったようです。この試写会の後に、デザイナーの中里唯馬さんがいらして、お話をしてくださいました。彼の知り合いのケイカガミさんというデザイナーが、マックイーンと服飾学校で一緒だったそうなのですが、マックイーンは労働階級出身だったので、周りからはハブにされていたそうです。カガミさんが仲良くしていると、なんであんな奴と仲良くしているんだと言われたと話してくださいました。そんな差別を受けながらも、才能とチャンスがあれば、トップデザイナーになれるという代表が、このマックイーンさんなのかも知れませんね。(デザイナーの中里さん、とても素敵な方でした。)
そんなマックイーンを最初に見出したのは、イザベラ・ブロウさんというUK版ヴォーグの方で、多くのファッションデザイナーを発掘したとされるエディターだそうです。でも、マックイーンは、ある時からイザベラに見出されたと言われ続けることに嫌気がさして、彼女と距離を置いたそうです。どんな理由があったかは分かりませんが、親離れをする子供のような感じだったのかしら。
映画としては、とても上手く編集されていたと思います。年代ごとに題名が付いて、章を分けて描いてくれていて、彼が年代ごとに成長して行ったことが分かるようになっていました。ある時は、暗黒面に惹かれ、ある時は光に導かれ、彼の心の変化も表しているようでした。
映像も本当に美しいし、マックイーン本人の表情や普段の会話なども収められ、もちろん公のインタビューも入っていて、ショーの様子も描かれていました。この映画は、日常にインテリアとして流れていても良いほど、上品で美しく、音楽も良くて、楽しめると思いますよ。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。あまりファッションとか、美しいものに興味が無い方にはダメだけど、美しいものが好き、ファッションが好きで、ちょっと自分を高めたいなと思う方には、本当に見ていただきたい映画です。私、この映画、DVDが出たら買って、家でずーっと流していたいくらいの映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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