「まく子」を観てきました。
ストーリーは、
温泉街で暮らす小学5年生の慧は、子どもと大人の狭間で戸惑っていた。そんなある日、彼の学校に不思議な魅力の美少女コズエが転入してくる。コズエが抱える大きな秘密を知ることで、慧が今まで見てきた世界は優しく塗り替えられていく。
というお話です。
温泉街で暮らす慧は小学5年生。旅館を営む慧の家は、母親が女将、父親が料理人をしている。この小さな町で父親は不倫をしており、町の人も母親も知っているが知らないふりをしている。そんな大人たちを汚いと思っている慧は、大人になりたくないと思っていた。
ある日、慧のクラスに転校生がやってくる。コズエという美少女で、母親が慧の家の旅館で働くこととなり、家のはなれに住むことになる。学校が終り、慧はコズエに一緒に帰ろうと誘われるが恥ずかしい慧は知らない振りをして一人でスタスタと帰ろうとすると、コズエはずっと付いてくる。小高い丘の木の下で座り込んだ慧の横にコズエが座り、木の葉を撒きながら、”私は粒で出来ている。慧も粒で出来ているけどどんどん新しくなるの。私は同じまま。”と不思議なことを言う。宇宙人なの?と聞くと、慧も宇宙人だよと言われ、慧の頭の中は??ばかり。
その町では、年一回のお祭りがあり、子供たちが神輿を作って、町を練り歩いた後、川辺で壊して焼き、「再生」を願うのだった。学校では、今年の神輿作りが始まり、今年はコズエの提案した地球の神輿を作ることになる。一生懸命作った神輿をみんなで担いで練り歩き、川で壊されるとなった時、慧は何で一生懸命作った大切な神輿を壊すのかと我慢できなくなり、壊さないで!と駆け出すのだったが・・・。あとは、映画を観てくださいね。
この映画、子供から大人に成長する少年の姿を繊細に描いた映画でした。とっても優しい”ファンタジー”というか”おとぎ話”と言いたいような作品でした。子供の頃って、何が本当で何が嘘なのか分からないし、見えているものだけが全てでは無いという事が、あまり良く理解出来ないんですよね。でも、このコズエちゃんと出会う事で、世界には、色々なことがあって、それを受け入れていけば良いんだよって理解して行く姿が、なんとも可愛くて、微笑ましいと思いました。
小学5年生の頃って、そうよねぇ、男の子だと、朝起きると夢精があったりして、性に目覚め始める時期なんだと思うんです。だから、母親以外の女の人と一緒にいる父親を汚いって思うけど、でも、面と向かってそれが言えないの。だけど、世界が優しさで出来ていて、目に見えないことも色々あるのだと理解し始めると、お母さんを裏切ったら許さないからって父親に言えるようになるんです。大人への第一歩を踏み出して、人間の複雑さを理解したからこそ、言えた言葉かなって思いました。
この慧と父親の関係がとっても良いんです。父親は、思春期を迎えた息子をとっても大切に思っていて、人間として成長していく姿をとても頼もしく思っているように見えました。草なぎさんの父親役、イイんですよ。すごく温かいの。私、おにぎりを息子に握っている姿を見て、なんか嬉しくて涙ぐんじゃいました。泣くとこじゃないんだけどね。それくらい”お父さん”の大きさ、温かさが伝わってきて、幸せになったなぁ。
コズエと母親は、ある秘密があるんだけど、最初は、全然笑わないんです。でもね、この温泉街の人々の温かさに触れて、良く笑うようになっていくんです。このコズエちゃん、可愛かったなぁ。本当に美少女でした。対して、慧をやっていた山崎くん、可愛いですね。「真夏の方程式」で湯川と行動する男の子を演じていたと思うけど、大きくなりました。表情や目の動きが上手いんです。これからが楽しみな子役二人ですね。イケメンになって行くんだろうなぁ。楽しみです。
確かに、人間って粒=細胞で出来ていて、それがどんどん壊れて破棄され、再生していくから成長して行くんですよね。成長に従って、細胞は増えていき、子供は成長して行く。反対に、ピークを過ぎた人間は、どんどん劣化して、細胞が再生するスピードは遅くなり、老化する。それは、悪い事じゃなくて、地球規模で考えると、私たち人間が細胞の一つで、みんな、成長して、年を取って、死ぬことが再生に繋がっているんですもんね。その自然のサイクルがあるからこそ、地球は美しいし、新しい命が生まれてくるのだと思うんです。
コズエが、色々なものを撒くことって、生命が開花して、やさしさが広がって行く、幸せが広がって行くという感じに思えました。素敵な映画だったなぁ。幸せを貰ったような気持ちになりました。いやぁ、私、本当に、この映画を観ていて、”白くて大きいおにぎり”を”はふはふ”しながら食べたくなりました。あれ、イイ場面だったなぁ。草なぎさん、こういうオヤジ役、上手いです。年相応で本当に良い役者になったんですね。今回は、本当にそう思いました。これからも沢山の映画やドラマに出て欲しいです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは良い映画だと思いました。暖かくなるし、誰が観ても幸せになれる気持ちがします。親子で観ても、これ観た後に話し合ったり出来そうな気がしました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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