「ソーシャルメディアの”掃除屋”たち」このドキュメンタリーあの”3年A組”と同じ事を訴えてます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ソーシャルメディアの”掃除屋”たち」を観てきました。ドイツ映画祭です。

 

ドキュメンタリー映画なので、内容は、

 

世界規模でデジタルコンテンツ検閲を行うマニラの巨大な影の産業を追ったドキュメンタリー映画。そこでは、シリコンバレーに委託され、何万人というコンテンツ・モデレーターがフェイスブック、YouTube、Twitterなどの問題のある投稿を削除している。残酷な表現に継続的に晒される作業は、作業員たちの認識能力や人格に異常をもたらすが、作業に関わる経験は口外厳禁だ。本作はコンテンツ・モデレーターを取り上げながら、フェイクニュースやヘイト・コンテンツがネットを通じて拡散・扇動される様子を映し出す。監督のボロックとリーゼヴィークは、この作品でソーシャルメディアの理想と夢が崩れる様を描き出し、その社会への重大な影響力に警鐘を鳴らす。

 

というお話です。

 

 

このドキュメンタリー映画、すごい内容で、これ日本で上映しないの?と思ってしまいました。今、日本では、とても問題になっている内容だし、先日、ドラマで最終回を迎えた「3年A組今から皆さんは人質です」でも、先生の柊が必死で訴えていたように、本当に、その一言を書き入れていいの?その画像をアップしても良いの?って、一度、考えてからクリックしようよって事なんです。

 

何も考えずに垂れ流す情報や映像、画像が、どれほど人を苦しめるか、そしてその偽の情報によって、世界では大きな差別や、ある場所では虐殺まで起こっているということが、ここでは取り上げられていて、描かれています。

 

そして、この映画で追っているのは、そういう垂れ流された害悪の情報や映像をすべてチェックして、消す作業をしている方たちなんです。今でも、酷い情報が流れていますが、彼らコンテンツ・モデレーターという方々がいるおかげで、まだ、マシなものを私たちは見せられているんです。世界で流されている情報は、人殺しの映像やレイプ映像、子供の虐待映像など、様々な酷い映像や画像が垂れ流しでアップされ、それをいち早く探し出し、消す作業を彼らがしているんです。だけど、あまりにも酷い情報や映像ばかりで、彼らの精神が壊れていくという事が、この映画の中で描かれていました。

 

 

驚いたのは、ライブ映像で自殺するところを流していたそうなのですが、彼らが消せるのは、本当に酷いことが起こった映像だけなので、自殺をするまでは消せないんですって。なので、ライブで首吊りの映像を流しているけど途中では止められず、自殺して死んだところで、やっと消せるので、それまで待って消したというのですが、そりゃ、精神を病みますよね。こんなことが、頻繁に起こっているそうです。

 

モデレーターの女性が泣きながら話したのが、幼い子供が大人の男性の性器を口に入れている画像やレイプ画像など、本当に酷い画像がアップされるそうなんです。一体、何なんでしょうね。何がしたくて、そんな画像をアップするんでしょう。変態を通り越してキチ〇イですよ。

 

FacebookやTwitterが広がり、誰でも情報を発信出来る時代になりましたが、その画像一つで人を殺すこともあるかも知れない。日本でもバカッターとかが、飲食店やコンビニでアホな事をして問題になっているけど、その画像、いつまでも消えないからね。今あるってことは、消えないから。そのせいで就職も結婚も生活も、全てにおいてマイナスになるんだからね。負債も何千万となるんじゃないかな。それ、地べた這いずってでも返しなよ。

 

 

そんなFacebookで虐殺に繋がったのがロビンギャの問題だそうです。Facebookでの偽情報が不安をあおり、ロビンギャの虐殺になったらしいんです。フェイクニュースなのに、沢山の人が何も考えずにクリックしたせいで、沢山の人間が殺されることになったんです。考えられないでしょ。簡単にクリックなんてしないでよっ!

 

本当に、このドキュメンタリー映画、酷い情報を消す方の人間を追いながら、どれだけ人が考え無しにソーシャルメディアを使ってしまっているかという事をとても分かりやすく、そして何が危険だという事の要点をキッチリ伝えてくれています。

 

これ、ドイツ映画祭だけの上映なのですが、本当に勿体ないと思いました。なんでこういう映画を上映しないの?こんなすごいドキュメンタリーなら、NHKとかが購入して、TVで放送して欲しいです。こういうドキュメンタリーを観て、日本人がこれからネット社会で、どのように生きて行ったら良いのかという事を議論すべきじゃないの?

 

もちろん、現代社会でネットは無くてはならないものになったし、その情報によって、沢山の人が色々な情報を共有して、危険を回避出来るようになったと思います。でもね、その中にある有害コンテンツを削除してくれているモデレーターという職業があって、そんな人たちに守られているのがネット社会だと認識すべきだと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。でも、ドイツ映画祭だけの上映なので、本当に勿体ないです。きっと、これ、配給会社も付いていないから、DVDでも出ないかも知れません。せめて、ネット配信が出ると良いなぁ。本当は、NHKにでも買って欲しい。こんなすごい問題作、なんでほおっているのかしら。もし、機会があったら、ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんで考えてくださいね。カメ

 

 

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