「九月の恋と出会うまで」恋愛映画としてなら良いけどSFとして考えてはイケません。頭が壊れます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「九月の恋と出会うまで」を観てきました。

 

ストーリーは、

あるマンションに引っ越してきた志織は、新しい部屋で「こちらは1年後の未来です。あなたに危険が迫っています!」という不思議な声を耳にする。その声は強盗殺人に遭うところだった志織を助けるため、未来から届いた誰かの声だった。志織からこの不思議な出来事の相談を受けた小説家志望の隣人・平野は、志織が本来遭うはずだった強盗から助かったことにより、タイムパラドックスが生じてしまうことに気がつく。それは過去の出来事を変えたことで、1年後に志織の存在が消えてしまうことを意味していた。

というお話です。

 

 

旅行会社に勤務する志織は、学生時代からカメラが趣味で、プロを目指しているわけではないが、写真を楽しんでいた。あるマンションに引っ越しすることになり、近所の方に挨拶をしていると、そのマンションは、オーナーが芸術家タイプの人間を集めて入居させているらしく、音楽家や女優などを生業としている方が住んでいた。

 

部屋にも慣れて、快適に過ごしていたある日、エアコンの使っていない穴から声が聞こえてくることに気が付く。何だろうと思い、声を聴いてみると、志織の名前を呼ぶ声が。なぜ、名前を知っているのかと尋ねると、「こちらは1年後の未来の平野です。あなたに助けて欲しいのです。」と言う。あまりにも頼むので、断って何か悪いことが起こってもと思い、相手の言う通り、同じマンションに住む平野を尾行することにする。

 

 

その日から何日か尾行をし、何も変わらない普通の生活の平野の報告をすることが日課となるが、ある日、尾行が終わり部屋に帰ると、部屋が荒らされていて、空き巣に入られたことがわかる。すぐに警察を呼び、調べてもらうと、強盗殺人の犯人が入ったらしく、たまたま部屋に居なかった志織は命が助かったことが判る。そして空き巣の日から、エアコンの穴の声は聞こえなくなった。

 

あまりにもおかしなことが続き、志織は意を決して、平野に今までの事を全部打ち明けると、実は平野は小説家志望で、志織が言っていることが本当なら、タイムパラドックスが起きてしまうことに気が付く。彼女を助けたことにより、現代の平野は志織が危険だということを知らないことになり、助ける必要が無くなってしまうというのだ。その上、聞こえてきた声は、平野の声とは違っているような気がするという志織。では、一体、誰が志織を助けたのか。そして起こってしまうだろうタイムパラドックスをどうやって回避したらよいのか。二人が考えた末に出した決断は・・・。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

SF恋愛映画というのでしょうか。タイムパラドックスが起きてしまう話なのですが、うーん、どうかなぁ。確かに、タイムパラドックスになっちゃうんだけど、では、根本的に、何故、エアコンの穴で、1年後の平野と繋がったのかという方が問題でしょ。そこに、何の力が働いたのか。未来が過去に干渉出来る力がその空間に出来ていたという事は、その力で時空が歪んで、既に次の時空へ時間が滑っていたと考えるべきで、タイムパラドックスは起きないんだと思うんですけどね。

 

 

話しかけてきた1年後の平野は、既に1年前に志織を空き巣事件で殺されてしまっていると考えるべきでしょ。それで、何故、1年後に志織に話しかけてきたのかという方が問題だと思うんです。志織が引っ越してきてほとんど会話もしていないのに、まして空き巣事件が志織の部屋だったという事を平野は知らないんです。志織に謎を打ち明けられて、初めて知るのよ。そんな状態の平野が志織を亡くしても、確かに、好きという気持ちは薄々あったのかも知れないけど、1年後に思い出したように彼女を助けるために、穴に話しかけるって、あり得ないでしょ。

 

うーん、これ、どこまで行っても、おかしいんだよなぁ。私、SF小説が大好きなので、どうしてもこういう内容があると、解明したくなっちゃうんです。そうすると、この話は、どう考えても、辻褄が合わないんですよねぇ。何故、1年後に過去と未来が繋がるのか、何故、彼女の部屋のエアコンの穴なのか。そして、声は平野と名乗るんだけど、平野の声ではないんです。

 

 

まぁ、ただの恋愛映画だと思えば、それほど悩む必要も無いのですが、タイムパラドックスとかって、大きく言っちゃっているからなぁ。いくら恋愛小説だからって、SFの定義を曲げてしまっては困っちゃうんだけどなぁ。まず、何故、未来と過去が繋がったのかをしっかり解明してくれないと、タイムパラドックスだから消えるとか言ったって、すごく陳腐にしか聞こえないんだよね。パラドックスよりも、時空の歪みの方が問題だから。それ何度も起きたら、その時空自体が消えてしまったり、関わった人間だけが全て消えるという事もあり得るから。

 

 

時間は、途中で変えられるのを嫌がるから、変えた本人と変えられた本人を消すのが一番でしょ。死ぬはずだった人間をどこまでも殺そうとするから。それって「ファイナル・ディスティネーション」で描かれてるよね。未来と過去が繋がるなら、死神も存在するだろうし、時間が歴史を戻そうとするのも当たり前に起こると思うんだけど。

 

ま、難しいことを考えず、ただ、恋愛映画として観るなら、問題は無いと思います。一応、高橋さんはカッコいいし、川口さんは可愛いので、それだけで楽しめると思います。

 

 

私は、まぁ、お薦めしても良いかなぁと思います。但し、私のようにSF部分を真面目に検証してはいけません。とても悩むことになります。私は考えすぎて、ちょっとムカつきました。適当に流して、まぁ、過去の恋人を助けようとするというシチュエーションだけ楽しめば良いと思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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