「ゴッズ・オウン・カントリー」を観てきました。
ストーリーは、
年老いた祖母や病気の父に代わり、家族経営の寂れた牧場を切り盛りする青年ジョニー。孤独な労働の日々を酒と行きずりのセックスで紛らわす彼のもとに、ルーマニア移民の季節労働者ゲオルゲが羊の出産シーズンを手伝いにやってくる。はじめのうちは衝突してばかりの2人だったが、羊に優しく接するゲオルゲに、ジョニーはこれまで感じたことのない恋心を抱きはじめる。
というお話です。
都会から離れた携帯電波も入らないような田舎町。家族経営の牧場を営んでいるジョニーの家は、病気の父親と年老いた祖母とジョニーの3人で暮らしている。家族の生活は、全てジョニーの肩にかかっており、彼は生き苦しい毎日を送っていた。
たった一人で牧場全ての経営をするにはさすがに苦しく、ある日、牛の出産に間に合わず、生まれてくる子牛が死んでしまう。見かねた父親と祖母が、牧場の手伝いを雇うことに決め、募集をかけたところ、ルーマニア移民のゲオルゲが応募してきた。結局、彼しか応募してこなかったので、彼を雇うことにする。
ジョニーはゲイだったが、誰にも言うことが出来ず、コッソリ、町の飲み屋で相手を見つけては、行きずりのセックスで紛らわしていた。そんな彼の元にゲオルグが現れ、牧場仕事をどんどん熟して行き、ジョニーは段々と彼に惹かれていく。そしてゲオルグもそんなジョニーに惹かれ始め、二人は恋に落ちてしまう。
田舎の小さな閉鎖的な町であり、移民への差別が酷かったため、二人の関係は秘密とし、ジョニーと一緒に飲み屋へ行くくらいの楽しみをしていたが、ジョニーが一緒でない時、移民のゲオルグは酷い扱いを受けてしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
現代社会なのに、田舎の町は昔と変わらず、人の心も閉鎖的で変わらず、そんな場所で牧場経営を続けようと思っても、上手く行く訳が無いんです。だって、周りの地域は、どんどん効率的に仕事を進めるようになり、なんでも機械的に生産されていくんですから。ジョニーは、その事を理解しているけど、強い父親が昔ながらの経営を続けるようにと言うので、どうしても反発出来ないんです。牧場が上手く行かなくなっていると解かっていても、経営方針を変えられず、グズグズしているんです。
そんな所に、ゲオルグという青年が現れ、このままではダメだということをハッキリとジョニーに告げるんです。そりゃそうよねぇ。ゲオルグは、色々な牧場を見てきて、現代はどういう状況なのか、良く分かっているんですから。ジョニーは、ゲオルグの言う通りに変えたいと思っているんだけど、どうしても父親に逆らえず、悶々として、ゲオルグと恋人になっても、その不満を、他で解消してしまおうとするんです。それって、ダメよねぇ。浮気はダメでしょ。どんな理由があったとしても、好きな人を裏切るのは許されません。
そんな狭い地域での息苦しい生活を描きながら、もがく二人の青年を描いていて、私は、結構、好きな感じでした。ちょっと、ゲイの描写部分が生々しくて、うーんって思ったけど、良い映画でしたよ。もう少し、男同士のそういう部分は隠して欲しかったな。もちろん、ボカシは入っていたけど、あまり慣れていない私には、衝撃的でした。
男女でも、男同志でも、付き合っているなら、浮気はダメでしょ。いくら喧嘩しようが、むしゃくしゃしようが、どんな理由があろうとも、相手が悲しむようなら、やっちゃダメなんです。そりゃ、出てっちゃいますよ。考え方が甘いのよ。
変われない人々がいる所で、変えて行こうとするのは難しいけど、未来を良くしようとするなら、どんなに苦しくても、変えて行かないとね。誰にでも、変わらなきゃいけない時って来るだろうし、そこで決断が出来なかったら、未来は無いんです。そんな事を、良く描いてある映画でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画でしたよ。最初は、何か、田舎臭い男子と、モッサい男のペアだなぁと思ったけど、観ている内に、どちらもカッコ良く見えてきちゃいました。私の好みのタイプでは無かったけど、良かったと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
まだ、日本版は出ていません。
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