「赤い雪 Red Snow」あの赤く染まった雪の中で何が起こったのか。30年後記憶が解けていく。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「赤い雪」を観てきました。

 

ストーリーは、

雪が降り続く小さな村で1人の少年が姿を消し、一緒にいた兄・白川一希の記憶が曖昧だったことから捜査は混乱する。捜査線上に他に何件もの殺人容疑がかかる江藤早奈江が浮かび上がるが、完全黙秘を貫いた早奈江は無罪となる。事件から30年、容疑者・早奈江の一人娘である早百合を見つけ出した事件記者の木立省吾が、一希のもとへとやってくる。30年という長い年月を経て、出会った被害者の兄と容疑者の娘。それぞれ心に傷を持つ2人の出会いによって、予想外の結末へと収束していく。

というお話です。

 

 

あるジャーナリストが、30年も前の事件を探り始める。それは、雪深い村で少年が行方不明になり、一緒にいたであろう兄は、記憶が曖昧で警察の捜査は混乱する。容疑者が浮かび上がるが、その女は最後まで黙秘を続けて、無罪となっていた。その時の容疑者・江藤早奈江の一人娘である早百合を見つけたジャーナリストは、当時の担当刑事を訪ねて資料を受取る。

 

資料によると、江藤早奈江は、少年行方不明事件以外に、彼女の周りで3人ほどの男性が不審死を遂げていた。その3人の内の一人の焼死体と一緒に、身元不明の少年の焼死体が見つかっており、それが行方不明の少年ではないかとジャーナリストが考えているが、今更証明のしようが無い。行方不明の少年の兄・一希を訪ね、その頃の記憶を聞くのだが、事件のショックで当時の記憶がほとんど無いという状態なのだった。

 

 

一希も、自分が覚えていればとずっと悔やんでおり、長い年月を苦しんできたのだった。そんな一希に、娘の早百合に会って、当時の事を聞いてみないかとジャーナリストは持ちかける。必ず娘の早百合なら事件を見ているはずだし、一希が訴えれば、もしかしたら話してくれるかもしれない。一希も、もし真実が解かるならと、ジャーナリストと一緒に早百合を訪ねていく。

 

 

早百合は、年配の男と暮しており、見るからに恵まれていない生活を送っているようだった。年配の男は早百合にDVをしているようだし、とても怪しそうだった。一希と記者は、早百合に話して欲しいと問い掛けるのだが、早百合は口を開かず、年配の男は威嚇してくる。しかし、何度か尋ねるうち、早百合が一希の目を見返して、”タイミングが悪かったんだ。”というような事を言う。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、怖かったなぁ。この展開に行くとは、思いませんでした。良くプロットが練られているなぁと驚きました。少年の行方不明事件を調べて行くんですけど、既に30年も前の事件であり、その頃に子供だった人達は大人になっていて、記憶も曖昧ですよね。まして、容疑者も何処へ行ったか分からない。だけど、容疑者の娘だけは見つけたというところから始まります。

 

容疑者の娘と被害者の兄が出会って、娘は逃げて、兄は追うという構図がずっと取られます。被害者の兄である一希は、ずーっと弟がどうなってしまったのか、殺されたのか、何処かにいるのか、でも夢の中で、血で真っ赤になった雪を何度も見るので、死んだのではないのかと思っていて、記憶が無くなっている事に苦しんでいるんです。自分が思い出せば、解決するのではないかと考えているんです。

 

 

容疑者の女は、どう考えても犯人であり、証拠が無かったから捕まえられなかったという事なんです。なので、女と一緒にアパートにいた娘・早百合は、事件を見ているはずで、唯一、真実を知る人物なんです。一希は、何とか早百合に話を聞こうとして何度も訪ねるのですが、彼女は取り合いません。でも、早百合はとても一希を気にしているんです。

 

事件当時、まだ10歳になるかならないかの子供だった二人は、一体、何を見たのか。そして一希は記憶を無くすほど、何がショックだったのか。そこには、子供ならではの視線があり、無垢だからこその狂気があったのかも知れません。大人のすることを側で見ていた二人は、その狂気に取りつかれ、いつまで経っても、悪夢にうなされているんです。いやぁ、もう、凄い話だなぁと思いました。ちょっと、今まで観た事が無い展開で、とても新鮮でした。

 

 

監督・脚本の甲斐さやかさんは、長編映画初監督だそうで、素晴らしいと思いました。舞台は、本当に小さな村の中での話なのに、もう、世界はそこにしか無いんだと思えるほどに壮大で、それぞれの気持ちが突き刺さってきました。役者さんたちも上手い方を使われているので、観る方も精一杯、苦しみました。凄い作品です。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。ここ最近で、これ程の衝撃作は久しぶりですね。本当に良い映画です。何となく雰囲気

が、「黒い雨」とか「鬼畜」とかから流れている空気と同じような感じなんです。内容は、全く違うのですが、空気感がそうなんです。これ、ぜひ、観てみてください。衝撃を受けると思います。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

赤い雪 Red Snow|映画情報のぴあ映画生活

 

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